こんにちは!総合商社マンです!イオンが上半期の決算発表です!コロナの影響はいかほどか?20年度第2四半期決算の概要を見てみましょう!
イオンが20年度第2四半期決算を発表
イオンが10/7に20年度第2四半期決算を発表しました。イオンは2月末日が決算月となりますので、今回の第2四半期は6月~8月が対象ですね。6月~8月というとコロナの最悪期を脱し、経済再開の段階だったと言えます。今回上半期決算でどの程度業績が回復しているのか注目です。
ところで本題に入る前にアイスブレイク。以前にも書きましたが、通常多くの日本企業は3月末決算が多い中でなぜ2月末を決算月としているかご存じですか?実はイオンに限らず小売業は2月決算会社が結構多いです。
この理由ですが、非常にシンプルで、「小売業は2月と8月が暇だから」です。笑 決算を締めようとすると在庫の棚卸だったり様々な業務が発生しますが、暇な時にやったほうが楽ですよね。12月だとクリスマスシーズン、3月だと春、夏に向けた販売シーズンが始まってしまうので、2月末を決算月としているのです。事実「ニッパチ」といって2月、8月は販売が落ちるそうですよ!
はい、アイスブレイク終了。笑
ということで、早速イオンの2020年度第2四半期決算概要を見て行きます!
イオンの20年第2四半期決算概要
イオンの2020年第1四半期決算概要をイオンが発表しているプレゼン資料を抜粋しながら見てみましょう。
決算全体概要(上半期)
まず決算の全体像を見てみましょう。こちらの決算サマリースライドをご覧ください。
営業収益というのはいわゆる売上高のことです。ポイントは以下。
- 営業収益は前年比▲0.5%と微減
- 営業利益は前年863億円に対し339億円と半減(1Qは▲125億円の赤字でした)
- 当期純利益は前年37億円だったものが赤字転落の▲575億円。
1Qに続き、売り上げはほとんど落ちていないことが分かります。
一方の営業利益は前年比較でみると大幅減益ですが、1Qで▲125億円の赤字だったところから急回復して339億円の黒字転換している点は注目に値します。
また当期純利益についても1Q時点で既に▲539億円を計上したいたことを考えると、2Qでの出血はかなり抑えられてきたことがわかりますね。
それを分かり易く2Qだけを切り出した連結業績のスライドです。
1Qと2Qそれぞれの前年同期比を示したものですが、営業収益に限ってみると前年比プラスの成長に転じています。
また営業利益も目を見張るものがあり、1Qは前年同期比▲402億円だったものが2Qだけだと前年比▲121億円まで改善してきていますね。まさに1Q(2月~5月)が最悪期だったということが如実に表れていることが分かります。
セグメント別業績(営業利益)
営業利益をセグメント別にもう少し見てみましょう。こちらのスライドをご覧ください。
ポイントを箇条書きします。
- SM事業及びヘルス&ウエルネス事業は前年比大幅増益を継続。ただし、SMは1Qよりは鈍化。
- それ以外のセグメントは前年比ではマイナスであるものの1Qと比較して減益幅が大幅に縮小。
ま、2Qではほぼ全てのセグメントにおいて好調さを取り戻しつつあると言って良い結果と言えますね。
ちなみにSM事業というのはイオンでは「イオンマーケット」や「まいばすけっと」、「アコレ」、「ビッグ・エー」が入っています。1Qは外出自粛による特需が発生していましたが、2Qは1Qほどではないにしても、まだその特需の影響が継続していたということです。
いやー、コロナ禍の中でなかなか素晴らしい決算だと個人的には思います。
2020年度業績・配当予想
2020年度業績予想を見ておきましょう。結論から言うと、業績見通しに変更ありません。こちらのスライドです。
イオンは営業収益と営業利益だけ今期業績予想を開示していて、当期純利益は予想未定のままとなりました。上半期が終わってもまだコロナがどうなるか予想が付かないということですね。
配当も見てみましょう。こちらも今回特に修正はありません。
御覧の通り年間36円(上期18円、下期18円)の予想から変更なしです。株主の方はひとまず安堵したという感じですね。
ただし、前回イオンの1Q決算の記事でも書きましたが、気を付けなればいけない点があります。というのは、イオンの配当性向は2019年2月期:121%、2020年2月期:112%と、当期純利益以上に配当を出してしまっています。その中で今回のコロナショックなので、本当にこのまま配当が維持されるのかについては疑問符が付きます。また自己資本比率は8月末時点で15.8%と低い水準です。
1Q末時点の利益剰余金は4,700億円、今期の配当予定総額は300億円なので単純計算で10年以上分は原資があることになるものの、全部配当に回すわけにはいきませんからね。
最後に:最悪期は脱した可能性高い。コロナ第二波に注意
今回の記事を最後に簡単に纏めてみましょう!
- 第2四半期はコロナ禍の最悪期を脱し、1Qよりも前年比減益率が低下。SM事業に至っては1Q同様に前年を上回る成長を実現。
- ただし、下期のコロナ状況不透明もあり、年間利益予想の開示は引き続きなし。
- 配当性向は既に100%を超えてきている状況であり、減配リスクは引き続き要注意。
こんな感じ。
イオンに日常の生活でお世話になっている人も多いことでしょうから、是非コロナ禍を乗り切って、成長路線に戻ることを期待したいところですね!
おまけ:イオンの株主優待情報
イオンの株主優待は結構魅力的ですよ!大きく二つあります。
- 株主優待カード(権利確定:2月、8月)
御覧の通り保有株数に応じて半年ごとにキャッシュバックを受けられるという内容です。普段買い物する人には有難いですね!
- 長期保有株主優待制度(権利確定:2月、8月)
3年以上(2月末、8月末の株主名簿に同一株主番号で7回以上連続記載必要)保有することで保有株式数に応じてギフトカードがもらえるという内容ですね!
日本に在住している人であれば何かしらのイオングループ店舗が身近にあるでしょうから、日々の買い物に使うという人であればお得に株主優待を楽しめるかもしれませんね!
尚、イオン傘下のイオンモールの上半期決算は以下記事に纏めてありますので興味あれば御覧ください!
また、決算書の読み方を勉強したいと思われている方にはこちらの本がおススメですよ。
堅苦しくなく、決算書の読み方全然分かりません!という方から、かじったことはあるけど改めて理解したいという初心者~中級者の方向けの本です。私自身も今更ながら改めて読むと頭の整理に繋がって非常に良書でした!
中級者以上だとこちらの本が個人的におすすめかな。
先に紹介した本よりはもう少し踏み込んでいて、尚且つ読みやすい良書です!
また、三菱商事を例に挙げて企業分析方法を学べる現役銀行員のたりたり社長という方が書いた良書もありおススメですよ!
ということで今回は以上です!
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