- 「電通」が2020年12月期の第1四半期決算を発表
- 2020年度12月期の第1四半期決算内容
- 2020年12月期の業績予想は?
- 2020年12月期の配当予想は?
- 電通の株価動向
- 最後に:業績をいつ発表するか注目
「電通」が2020年12月期の第1四半期決算を発表
電通が本日5/27(水)の引け後に2020年12月期の第1四半期決算発表を行いました。電通は12月決算会社なので、このタイミングで1Qの決算発表ということですね。
電通は2019年度決算で初の赤字転落となっていた状況の時にコロナショックの逆風が吹くという泣きっ面に蜂の厳しい状況ですので、今回の決算内容には個人的に注目をしていました。
それでは早速見て行きましょう!
2020年度12月期の第1四半期決算内容
電通の2020年度12月期の第一四半期決算です。まずはこちらの概況スライドをご覧ください。
まず売上高は前年同期比で▲1.7%減収の1.2兆円となっています。一方の営業利益は+34.9%増益の372億円、当期利益は+40.3%の203億円と、利益面だけ見ると絶好調の数字となっているように見えます。
この利益の絶好調に見える要因を見てみましょう。
営業利益の分析スライドがこちらです。
このスライドは前年の1Q実績からどういった要因で今期の1Qの数字となったかを分解して示しているものですが、一番大きいのは「海外事業ー営業費用」の項目で、ここだけで+121億円の上振れ要因となっているのが分かります。電通の資料によると「事業構造改革の成果やコストコントロールにより増(前年同期は▲1億円の損失)」とあり、海外での構造改革の成果が大きく出たようです。素晴らしい。
2020年12月期の業績予想は?
2020年12月期の業績予想はどうでしょうか。今回以下の通り変更がありました!
な、な、なんと。全ての業績予想を未定に変更しています。実は電通は3/25付けのプレスリリースでコロナによる業績への影響を考慮して、期初に発表した予想を修正する可能性を示唆していましたが、今回の発表で未定に変更しています。未定とした理由については以下の通り説明がありました。
当社は、2020年3月25日付ニュースリリース「新型コロナウイルス感染症の拡大による影響に関するお知らせ」において、コロナ禍により、2020年2月13日に公表した2020年度通期連結業績予想の前提となった事業環境が大きく異なることになった旨をお伝えしました。
コロナ禍の影響で、業界全体の需要が減衰し、当社グループもその影響を免れることは難しく、国内外の業績に影響が出始めています。そのため、現時点で、2020年度は大幅な収益減少をリスクシナリオとして想定しています。
第1四半期はその影響を少しでも緩和し、利益率を維持し、従業員の雇用を守るべく、迅速なコストコントロール施策を実施してきました。しかしながら、コロナ禍の影響による不確実性は高まる一方であるため、2020年度の連結業績予想を取り下げ、「未定」とすることにいたしました。
広告ビジネスは景気の影響を強く受けるので、現時点で算定出来ないということでしょうね。次回、いつ具体的な業績予想を出すのか、注目です。
2020年12月期の配当予想は?
電通の2020年12月期配当予想はどうでしょうか。これが一番気になります。笑
配当予想についてはこちらで発表しています。
赤枠部分ですが、年間配当予想は維持です!素晴らしい。配当に関して以下の説明もありました。
「継続性」と「安定性」を重視しており、中間・期末ともに現時点で変更することは考えていないとのことで、この配当に対する考え方は素直に素晴らしいですね。
電通の株価動向
電通の株価動向を見てみましょう。
まず週足チャートです。
2019年1月頃は5,000円程度で推移していた株価ですが、広告業界の逆風で史上初の赤字となる中でどんどん株価は右肩下がりとなり、4月には一時1,806円まで下落しました。
そして日足チャートがこちらです。
4月の年初来安値である1,806円から回復傾向にあり、本日終値で2,571円で引けています。先ほども言った通り広告業界は景気が悪くなると広告主が広告を控えることから景気敏感株と言えます。緊急事態宣言が終息し、景気回復への期待が高まっていることから徐々に株価が回復しているということでしょうね。
一方、電通は一つ爆弾を抱えています。それはずばり「東京2020」のオリンピック中止リスクです。電通は東京五輪の広告ビジネスを2020年度のメインイベントとしていましたが、来年に延期となり今期は五輪需要は期待できません。一応来年への延期というステータスになっていますが、先日IOC会長が以下の発言をしています。
国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は、延期された2020年東京五輪が来夏開催できない場合、中止せざるを得ないのは理解できると述べた。
※参照元:https://www.bbc.com/japanese/52765266
コロナの状況次第では五輪が「中止」となる可能性を含んでいるわけですね。なんとか開催まで漕ぎつけて欲しい限りですが、ワクチンの開発次第という情報もあったりします。ちなみに国産ワクチンを開発しようとしているアンジェスが早ければ9月頃から臨床実験開始という情報もあったりしますので、早期の製品化に期待したいですね!
アンジェスの記事はこちらから。
最後に:業績をいつ発表するか注目
いかがでしたでしょうか。今回コロナショックの影響で業績見通しを全て「未定」としたので、次回いつ頃再度の業績予想を発表するのか注目していきたいですね。
足元は株価は回復傾向にありますが、先ほどもいったように五輪リスクを抱えているので、しばらくはちょっとしたニュースで乱高下する可能性が高いです。
ただ、先ほど見せた週足チャートのように2019年1月から株価が半分以下になっているので、引き続き投資妙味はあるのかなと個人的には思っています。
引き続き電通から目が離せませんね!
ということで今回は以上になります。投資は自己責任でお願いします!
最後までお読み頂き有難うございました!!
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