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【電通】20年度第2四半期決算速報!配当方針に異変アリ!!

こんにちは!総合商社マンです!電通の20年度2Q決算発表内容を見てみましょう!配当方針に妙な動きありです。

  

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「電通」が20年度の第2四半期決算を発表

電通が8/13の引け後に2020年12月期の第2四半期決算発表を行いました。電通は12月決算会社なので、このタイミングで2Qの決算発表ということですね。

電通は2019年度決算で初の赤字転落となっていた状況の時にコロナショックの逆風が吹くという泣きっ面に蜂の厳しい状況でしたが、1Q決算は比較的堅調でした。その後、コロナの影響がどうなったのか、決算内容に注目です!

ということで、電通が公表した決算発表資料を眺めながら、内容を見て行きましょう!

 

20年度第2四半期決算内容

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電通の2020年度12月期の第2四半期決算です。まずはこちらの概況スライドをご覧ください。

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ポイントを箇条書きします。

  • 売上高は前年同期比▲14.2%減収の2.48兆円。
  • 調整後営業利益は前年比+14.6%増益の527億円。
  • 調整当期純利益は前年比+20.5%増益の283億円。

ここでいう「調整後」という単語は買収等から発生する無形資産の償却費、M&A費用だったり、減損等の一時的要因を除いた実力値という意味だそうです。

一般的な営業利益と当期純利益は以下です。

  • 営業利益は前年比+50.6%増益の287億円。
  • 当期純利益は前年▲641億円の赤字から一転黒字の158億円。

いずれにせよ、利益面は絶好調に見える決算内容です。この好調さはどこからくるのでしょうか。もう少し決算資料を読み進めてみます。

まず国内事業の状況に関するスライドがこちらです。

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  • 調整後営業利益は前年比▲5.1%減益の381億円。

国内はしんどいことが分かりますね。一方の海外事業に関するスライドがこちら。

 

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いやん、すごいです、海外事業。

  • 調整後営業営業利益は前年比+87.3%増益の937億円。

ほぼ倍増しているような好調ぶりです。すごいですね。海外事業を積極的に買収しに行っていたことがこの2Q時点では功を奏した形となったようです。ただ、上では触れていませんが国内も海外も売総は減少傾向にあるようなので油断は出来ません。売総減少をコスト削減で営業利益改善という構図のようですので。

 あと、詳細は割愛しますがキャッシュフローも結構な赤字となっているところは見逃せません。

 

20年度通期業績予想&配当

20年度通期の業績予想と配当を見ておきましょう。ここが結構注目ポイントです。こちらのスライドをご覧ください。

 

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  • 通期業績予想は未定を据え置き。
  • 配当は上期47.5円を決定するも、下期を未定に変更。

な、な、なんと。前回1Q決算の時は期初に発表した業績予想を全て未定に据え置いた一方で配当予想は上期47.5円、下期47.5円に据え置いたにも関わらず、このタイミングで下期の配当を未定に変更してきました。一見海外事業がけん引する形で業績好調に見える電通に一体何があったのでしょう。

この配当に関して今回こんなプレスリリースを公表しています。

 

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なんか長々と書いてありますが、要は

  • バランスシートの効率改善と株主価値の最大化を目的とした改革プランを加速
  • それにより従来「安定的な配当、段階的な増配」という方針は見直し対象
  • 期末配当及び長期的な配当方針は来年発表予定

  結構衝撃的です。なによりだいたいどこの企業も掲げる「安定的な配当」というこの王道の方針を見直しするという点です。バランスシートの効率が何を指すのかよくわかりませんが、恐らく配当に回すより成長投資に回して、その結果株価上昇も含めて株主還元最大化するということなのかなと感じました。

ま、このタイミングで期末配当を未定にしたということは減配する気満々でしょうね。。

 

最後に:どんなプランを出すのか楽しみ

  今回電通の決算内容と共に、新たな株主還元ポリシーを策定し、それを2020年度決算発表をする来年のタイミングで公表することをリリースしたわけですが、個人的にどんな内容を発表するのか今から楽しみで仕方がありません。

電通というと「過労死」だったり「持続化給付金問題」だったり、何かと世間を騒がせる企業の印象ですが、今度どんな動きをしていくのか注目していきたいと思います。

 

尚、決算書の読み方を勉強したいと思われている方にはこちらの本がおススメです。

 

 

堅苦しくなく、決算書の読み方全然分かりません!という方から、かじったことはあるけど改めて理解したいという初心者~中級者の方向けの本です。私自身も今更ながら改めて読むと頭の整理に繋がって非常に良書でした!

中級者以上だとこちらの本が個人的におすすめかな。 

 

 

先に紹介した本よりはもう少し踏み込んでいて、尚且つ読みやすい良書です!

  

ということで今回は以上です!当ブログでは個別の銘柄について言及することがありますが、投資を推奨しているものではありません。投資は自己判断でお願いします。

今回も最後までお読み頂き有難うございました!

 

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