「出光興産」が2020年3月期の決算を発表
「出光興産」が5/26の引け後に2020年3月期の決算発表を行いました。出光興産はコロナショックによる油価の低迷により4/21付けでプレスリリースを発表、赤字転落となる旨を事前に発表していましたが、今回改めて最終的な実績がどうなったのか、今期となる2021年3月期の業績予想の中身を見ていきましょう。ちなみに以下記事が前回下方修正をした際のものです。
それでは早速見て行きましょう!
2020年度3月期決算内容
「出光興産」の2020年3月期決算内容です。第1四半期決算の業績を見ていきましょう。
まずこちらのスライドが概要になります。
赤枠は私が付け足したものですが、これが2020年3月期の実績になります。御覧の通り、売上高は対前年比▲12%減益の60,459億円、営業利益+持分法投資損益は▲262億円(在庫影響を除くと631億円の黒字)、そして当期純利益は▲229億円の赤字という結果でした。その結果、減収減益と厳しい決算内容です。
先ほど言った通り出光興産は4/21付けで下方修正済で、赤字額は▲250億円と発表していましたが、実際は▲229億円と事前の発表内容よりは改善しての着地です。
続いて営業利益+持分法投資の対前年比増減の内訳です。
2018年度は2,183億円あったものが、2019年度は在庫影響を除いた結果631億円で着地した要因をセグメント別に示した表です。ほぼほぼ全てのセグメントで減益要因となっていますが、その中でも特に燃料油(ガソリン等)や基礎化学品セグメントの影響が大きいようですね。
尚、2020年3月期の配当は以下の通り発表されています。
特にこちらは変更なく期末配当80円とし、年間配当は160円となりました。今回の赤字転落は在庫評価損とベトナムでの製油所において株式評価損を計上したというキャッシュアウトのしない要因がメインだったことから配当は維持したということでしょうね。
2021年3月期業績見通し、配当予想は?
2021年3月期業績はどうでしょうか?
こちらのスライドをご覧ください。
赤枠は私が付け足したものですが、業績未定とすることなくしっかりと予想を出してきました。売上高は前年比▲35.5%減収の39,000億円、当期利益は50億円の黒字という予想です。
そしてこの業績予想の前提として
- ドバイ原油:25ドル
- ブレント原油:30ドル
- ドル円為替:105円
で置いています。
この記事執筆時点でドバイ原油は30ドル、ブレント原油は35ドル程度で推移していますので、保守的な予算前提となっている印象です。
ちなみにこちらが原油価格と為替の感応度です。
御覧の通り原油価格1ドル下落すると燃料油セグメントで▲40億円、石油開発で▲10億円の「収支」への影響があるとしています。収支ということなので営業利益あたりを指しているのかな?いずれにせよ、足元では原油価格は前提よりも5ドル程度上振れて推移していますので、燃料油セグメントで200億円(≒40億円×5)、石油開発で50億円(10億円×5)の収支上振れ要因となっています。しかも為替も前提の105円よりも円安となっていますので、実際はもっと収支が改善する見込みですね。
そして気になる配当予想はどうでしょうか。こちらをご覧ください。
御覧の通り、今期2021年3月期の配当予想は未定としました。業績予想は出したものの、配当を減配とするのか維持する方針なのか、そのあたりが現時点で決められなかったのでしょうね。うーん、株主さんはこの点心配ですね。。。
出光興産の株価は?
出光興産の株価の状況はどうでしょうか。こちら日足チャートになります。
コロナが本格化する前の2月に2,900円台まで上昇していたものの、その後いっきに暴落し3月に年初来安値となる2,115円を付け、その後反発して足元2,500円台で推移しているという状況です。
最後に:配当予想が待たれる
いかがでしたでしょうか。総合商社同様にコロナショックで資源価格暴落の憂き目にあい、厳しい決算となりました。ただ個人的な印象ですが、今期の予算前提の原油価格・為替を保守的に見ているので、上振れ余地はあるのかなと思っています。
一番気になる点は「配当を未定」としているところですね。いくら上振れ余地といっても2019年度決算ほどまで回復しないでしょうから、今後減配となる可能性も高く、この点がリスクですね。
配当予想をいつ出すのか、ここに今後注目していきたいと思います!
ということで今回は以上になります。投資は自己責任でお願いします!
最後までお読み頂き有難うございました!!
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