こんにちは!総合商社マンです!伊藤忠商事がファミリーマートを完全子会社化する旨のプレスリリースを発表したよ!!
- 伊藤忠商事がファミリーマートを完全子会社化へ!
- プレスリリース①:完全子会社化の目的は?
- プレスリリース②:プレミアムはいくら?
- プレスリリース③:買付期間は?
- プレスリリース④:買付実施に至った背景は?
- プレスリリース④:伊藤忠の今期業績への影響は?
- 最後に:三菱商事・ローソンの行方が気になる
伊藤忠商事がファミリーマートを完全子会社化へ!
伊藤忠商事が7/8付けのプレスリリースでファミリーマートを完全子会社化することを発表しました。伊藤忠商事は現時点で既にファミリーマートの株式の50.1%を保有し子会社となっていますが、今回発表したのは残りの49.9%すべてを買い付けして完全子会社化、そして非上場化を目指す内容となっています。金額にして5,809億円のTOBです。
今回買い付けを行うのは「伊藤忠商事」と「東京センチュリー」の合同会社である「リテールインベストメントカンパニー合同会社」というところが行うとのこと。この会社は伊藤忠が99%、東京センチュリーが1%保有する会社ということなので、ほぼ伊藤忠ですね。東京センチュリーも伊藤忠グループに所属しています。
もう少しプレスリリースを詳しく見てみましょう。
プレスリリース①:完全子会社化の目的は?
まず、完全子会社の目的についてです。上記プレスリリースの抜粋が以下です。
本公開買付けは、昨今、対象者の属する小売業界を取り巻く環境が激化する中、対象者が変化に機動的に対応し厳しい競争に勝ち残っていくためには、伊藤忠商事と対象者の経営資源等の相互活用をより一層促進し、且つ伊藤忠商事と対象者グループ一体となって迅速に意思決定を進めていくことが不可欠であるとの認識を伊藤忠商事と対象者の間で共有するに至ったため、対象者の非公開化を目的として行うものです。
端的に言うと「小売業界の激化を生き残っていくために、経営資源相互活用を促進し、意思決定の迅速化のため」ということですね。
以前、伊藤忠商事はデサントで敵対的買収に動いたことで話題に上がりましたが、今回は既に子会社となっているファミリーマートを完全子会社化するための買付ということで、当然かもですが両者合意の上での完全子会社化になりますね。
プレスリリース②:プレミアムはいくら?
伊藤忠商事がファミリーマートを完全子会社化するにあたり、どれほどのプレミアムをのせるのでしょうか?ファミリーマートは上場していますので、要は現在の株価にいくらのせて伊藤忠がファミリーマートを完全子会社化するのか?ということです。
まず本日のファミリーマートの終値はこちらです。
御覧の通り1,754円という株価です。これに対してプレミアムはどれほどか?こちらのリリースの赤字部分をご覧ください。
買付金額は2,300円です。本日終値の1,754円という株価に対し、金額では546円、率でいうと31.1%のプレミアムです。単純に今日の終値でファミマ株を買った人は計算上上記の利益を得られる可能性がありますね。ただ、中長期で保有している株主にとっては最近の下落を見ると微妙かもしれません。
本記事では割愛しますが、なぜ2,300円を設定したのかについてはプレスリリースを見に行くと細かく記載されています。※直近3カ月、6カ月の株価平均等を加味しているとのこと。
プレスリリース③:買付期間は?
買付の期間を見てみます。こちらのスライドをご覧ください。
2020年7月9日~2020年8月24日の30営業日を設定していますね。明日から買付スタートのようです。
また上記には記載されていませんが、リリース内で、今回の買付の最低条件を、保有割合60%以上と設定しています。あくまで全てのファミマ株の買付を目指すこととしていますが(一部は農林が所有する模様)、仮に全てを買付出来なくても保有割合が60%を超えれば本買付は達成とし、ファミリーマートを非上場化(非公開化)する模様です。
プレスリリース④:買付実施に至った背景は?
ファミリーマートを買付実施を決議するに至った背景についてもリリースの中で触れられています。ページ数が膨大なので、項目だけ出しておきます。
- コンビニエンスストア事業のビジネスモデルの見直しが迫られていること
- Eコマースの急拡大により事業領域が侵食されつつあること
この2点を挙げてきています。
1点目に関しては、コンビニは以前は勝ち組とされていたが、サービス拡大により添付オペレーションが一層複雑化・多様化し、競争は激化し加盟店の負担が増加。その他フードロス、24時間営業問題、人手不足等々あり、ビジネスモデルの見直しが迫られていると記載されています。また、コロナによる消費者の生活様式の行動変容も今回の決議に影響を与えたようです。
2点目に関しては、PayPayやLINE Pay等の決済サービス競争の激化や、アマゾン等のEコマース事業者との競争激化を挙げていますね。
プレスリリース④:伊藤忠の今期業績への影響は?
今回の完全子会社化による伊藤忠への業績の影響について気になるところですが、今回のプレスリリースの最後に記載がありました。こちらです。
御覧の通り今期業績予想の4,000億円の変更は無いとのこと。当然完全子会社化したら連結される利益は増加しますが、今期業績は不変ということは当初から今回の買付を織り込んでいたのか、はたまた、想定よりも業績が悪いということなのか、、次回8月頭の第一四半期決算発表で少し見えてくるかもしれません。
最後に:三菱商事・ローソンの行方が気になる
今回伊藤忠商事が発表したファミリーマートの完全子会社化について見てきましたが、私の中で行き着くところは、総合商社王者の三菱商事のローソン事業の行方です。ローソンは三菱商事が50%の株式を所有し子会社となっていますが、伊藤忠商事のように完全子会社とする発表は出ていません。今回の伊藤忠商事の発表で、三菱商事もローソンを子会社化をする可能性はありえますし(伊藤忠の発表が無くても既に検討しているか?)、その思惑によりローソン株も今後買われる可能性もあるかもしれませんね!
なお、総合商社各社の第一四半期決算発表スケジュールは以下の通りです。
🔥総合商社🔥
— 総合商社マン (@sogoshoshaman) July 7, 2020
第1四半期決算発表日程
7/31 13:30 三井物産
7/31 16:00 豊田通商
8/4 11:00 丸紅
8/5 13:00 伊藤忠商事
8/7 13:30 住友商事
双日: 8月上旬
三菱商事:8月上旬?
三菱だけまだ予定出さず。
8/7あたりかなー。
総合商社株ホルダーとしては各社の動きから目が離せません!!
ということで今回は以上です!
今回も最後までお読み頂き有難うございました!
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