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伊藤忠・決算発表速報(20年3月期)!累進配当堅持!!

 

 

 

伊藤忠商事2020年3月期決算発表

伊藤忠商事が本日13:00に2020年3月期の決算発表を行いました。先週の双日、豊田通商、三井物産、昨日の丸紅に次いで5番目の決算発表です。伊藤忠はこれまで特段減損発表等のプレスリリースをしていなかったのと、私は伊藤忠株ホルダーなので、今回の決算は超注目しておりました。また、伊藤忠の中国国営企業CITICへの投資の動向に関しても先日以下記事で考察していたので、それが杞憂だったのかどうか、今回答え合わせをしたいと思います!

 

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 それでは早速決算の内容を見てみましょう! 

 

伊藤忠商事2020年3月期実績

 伊藤忠商事の2020年3月期実績は以下の通りです。

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御覧の通り、まさかまさかの期初予算5,000億円に対し、2020年3月期の税後利益5,013億円と、このコロナの状況下で予算を達成してきました!ここには記載されていませんが、売上にあたる収益は前年比5.3%減ですので、減収増益という決算となっています。いや、すごいな伊藤忠。。。

 

 

伊藤忠商事の資源:非資源の割合

伊藤忠商事の資源:非資源の利益の割合はどうなっているのでしょうか。こちらのスライドに記載がありますので御覧ください。

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赤枠は私が付け足したものですが、そこに記載がありますね。2019年実績の5,013億円の内、非資源で稼ぎ出した利益は75%とのこと。資源価格が下がっても打たれ強い利益構造になっていることが分かります。

 

伊藤忠商事は減損はなかったのか??

伊藤忠商事は今回5,013億円という利益を叩き出しましたが、他商社のような減損は発生していないのでしょうか?このスライドに説明がありました。

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細々としていますが、左側が前年である2018年度の減損内訳、右側が当期の2019年度の減損内訳となっています。これを見ると▲50億円規模の減損の集積で4Qだけで▲480億円の減損が発生していますが、100億円、1000億円単位の減損はなく、固定資産の売却等で利益を出すことにより、通期では損失どころかむしろ160億円の一過性利益を計上しています。いやはや、これまたすごいですね。

つまり、懸念だった中国への巨額投資のCITICの簿価は、前回2018年度に減損をした時に下がっており、今回減損判定した結果、減損の必要は無しと判断したということでしょう。私の懸念は外れました。笑

 

 

2020年3月期期末配当

2020年3月期の期末配当に関してはどうでしょうか。こちらのスライドをご覧ください。

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赤枠は私が加えたものですが、2019年度の期末配当は42.5円と変わらず、年間配当は85円と予定通りの支払いの予定となっています。※2020年度の配当については後ほど触れます。

 

  

伊藤忠商事の2021年3月期業績予想はいかに??

伊藤忠商事の2021年3月期の業績予想はどうなっているでしょうか?今回伊藤忠は現在推進中の中期経営計画Brand New Deal2020を前倒しで達成ということで終了し、2020年度は今回作成した単年度の経営計画とすること発表しています。そして改めて2021年4月からの2021年度で新規中期経営計画を開始するとのことです。

それでは具体的に見ていきましょう。

定量目標

定量目標はこちらのスライドに纏まっていました。

itochu-forecast-2020

税後利益は4,000億円と前年比20%減の予算となっています。さすがに伊藤忠もこの状況では減益は避けられないようです。がしかし!!このスライド、良く見てみてください。私はとても衝撃だったのですが、2020年の計画、なんと▲500億円のバッファを見ているとのこと。言い換えるなら想定していない減損等発生しなければ、4,500億円の利益だしまっせ、ということです。そうすると前年比の減益率は10%まで縮むことになりますね。

 

前提条件 

2021年3月期の前提条件はどうでしょうか?こちらのシートに纏まっています。

 

itochu-budget2020-assumption

  • 原油価格(ブレント):30ドル
  • ドル円:105円

この通りです。ブレント原油は足元30ドル程度で推移しており、2021年3月限月の先物では35ドル程度となっているので、結構堅めの前提だと思われます。為替も105円と今より円高で前提を置いているので、安心感のある前提ですね。

 

株主還元方針

株主還元方針を見ていきましょう。ここがかなり気になるところです。

itochu-dividend-policy-2020

出た!累進配当!!5,000億円⇒4,000億円に利益が減少する中でも年間配当額を85円⇒88円に増額をしてきました!!これは株主さん嬉しいですね(私含む。笑)。

そして自社株買いについても「機動的・継続的に実行」と含みを持たせているもの頼もしい。ま、一方で昨年6月に発表して今年6月に期限のくる自社株買い枠、いまだに発動していないのでその行方も気になりますが。それについては以下記事に纏めているので御覧ください。

 

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伊藤忠商事の株価推移

伊藤忠商事の株価推移を見てみましょう。以下日足チャートです。

 

itochu-stock-price

伊藤忠は好業績を背景に2/7に上場来最高値の2,696円を付けていましたが、その後のコロナショックの暴落で一時1,900円まで下落していました。足元は2,100円台で推移しています。この下落局面でも自社株買い枠700億円は全くもって未発動。期限は2020年6月11日と、残り一カ月となっています。この枠をどうするのか超注目です!

 

最後に

いかがでしたでしょうか?いやー、このコロナショックの最中に5,000億円の利益を確保したのは本当にすごいです。この記事を書いている最中に総合商社王者の三菱商事も決算発表を行っており、残念ながら首位返り咲きにはならなかったですが、三菱は2020年度の今期の予算数字を未定としましたので、引き続き三菱商事VS伊藤忠商事の動向に目が離せません!!個人的な注目は税後利益の競争もあるのですが、それに加えて時価総額の争いにも注目です。これについても結構僅差で争っており、純利益のみならず、史上初の時価総額逆転のジャイアントキリングがあるのかも注目しています。

それに関する記事はこちら。 

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次のイベントは6月の株主総会ですね!総合商社各社の株主総会日程は以下記事をご参照ください。

 

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他商社の決算情報は以下記事からご覧いただけます(決算発表順)。

 

双日

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豊田通商 

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三井物産 

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丸紅 

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住友商事 

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 三菱商事 

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ということで今回は以上です!

最後までお読み頂き有難うございました!

  

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