こんにちは!総合商社マンです!今回は私が伊藤忠商事株を保有する理由をつらつらと書いてみましたよ!
- 総合商社株の中では低利回りな伊藤忠株
- 伊藤忠株の魅力①:コミットメント力
- 伊藤忠株の魅力②:累進配当方針
- 伊藤忠株の魅力③:他社を圧倒するROE
- 伊藤忠商事の課題
- 結論:伊藤忠株は元気で見ていて面白い
総合商社株の中では低利回りな伊藤忠株
先日「三菱商事株を保有する理由」についての記事を書きましたが、私は伊藤忠商事株も持っていますので、その理由についても書いてみたいと思います。
私の現在のポートフォリオの中で一番割合が大きいのは三菱商事ですが、それに次ぐのが伊藤忠商事です。三菱商事は総合商社の中で配当利回りが一番高いという特徴を持っていましたが、一方の伊藤忠商事は総合商社銘柄の中では比較的配当利回りが低くなっています。
総合商社配当利回り(6/12終値)
— 総合商社マン (@sogoshoshaman) June 13, 2020
✅三菱商事:5.56%
✅住友商事:5.47%
✅三井物産:4.77%
✅豊田通商:3.92%
✅伊藤忠商事:3.77%
✅丸紅:2.91%
✅双日:未定
三菱商事の株価上昇ポテンシャル🔥
早く業績予想出して欲しいなー。
この伊藤忠の配当利回りが低いのは、同じく配当利回りの低い丸紅とは根本的に性質が異なります。というのも低利回りとなっている要因が以下の通り異なるからです。
丸紅の場合:「業績悪化→配当減配→株価下落→低利回り」
伊藤忠商事の場合:「業績好調→増配→株価上昇→低利回り」
誤解を恐れずに言うと丸紅は質の悪い低利回り、伊藤忠は質の良い低利回り、と言えるかと思います。
伊藤忠株の魅力①:コミットメント力
伊藤忠株の魅力一つ目。私が三菱商事株の次に伊藤忠株をポートフォリオに置いている理由は、伊藤忠商事のコミットメント力に惹かれているからです。何かというと毎年の期初発表の業績予想をことごとく達成してきます。この達成率は総合商社の中ではダントツで、非資源比率が高く安定していることと、名物会長の岡藤氏の手腕が大きいと言われています。
実際、岡藤氏の市場との対話が非常に上手く、また王者三菱商事への挑発的な発言をよく雑誌インタビューとかで見かけますよね。シンプルに投資家として見ていて面白い会社だなと感じます。笑
事実、株価の元気さ具合は他社を遥かに凌駕します。先日以下記事で総合商社各社の上場来高値を纏めました。
詳しくはこの記事を見て貰えればと思いますが、ほとんどの商社が資源バブルの2007年~2008年に史上最高値を付けて以降高値記録更新を出来ていない一方、伊藤忠商事はつい数カ月前の2020年2月に上場来高値を更新しています。この伊藤忠商事の非資源比率の高いポートフォリオと岡藤氏の手腕を背景としたコミットメント力が株式市場で評価されているのは間違いありません。
伊藤忠株の魅力②:累進配当方針
伊藤忠株の魅力二つ目は、三菱商事同様に累進配当方針を取っているところです。
これは2020年度単年の経営計画から抜粋した伊藤忠商事の株主還元方針ですが、累進配当となっていますね。
伊藤忠商事が累進配当を始めたのは2015年度から始まった中期経営計画「Brand New Deal2017」からでした。それ以降、毎期連続増配を行っている状況です。以下スライドをご覧ください。
これは伊藤忠商事のHPから抜粋してきたものです。2012年度までは減配したりと不安定な動きでしたが、2010年に岡藤氏が登場して少し経過してから、株主還元にかなり力を入れているのが分かりますね。配当に加えて自社株買いにも積極的ですよ。
ただし2019年度に発表した自社株買いは発表したけど実施しなかったというあまり聞いたことがない事が起こったりもしていますが。笑
※伊藤忠の自社株買いについては以下記事をどうぞ。
ま、自社株買い未発動なのに上場来最高値を更新してしまうあたりが伊藤忠の市場との対話の上手さという見方もあるかと思います。
伊藤忠株の魅力③:他社を圧倒するROE
伊藤忠株の魅力の3つ目は他社を圧倒するROEです。ROEとはReturn On Equityの略で日本語で言うと自己資本利益率のことですね。株主から預かったお金をどれだけ有効活用しているか?という指標です。税後利益÷自己資本で計算されます。
先日の三菱商事の記事を見て頂いた方はその記事でも触れたのでご記憶にあるかもしれませんが、伊藤忠商事のROEがなかなかすごいのです。こちらが2019年度のROEです。
- 伊藤忠商事:17%
- 三菱商事:9.8%
- 三井物産:9.7%
ね?これは色々な意見があるとは思いますが、シンプルに自己資本に対して稼ぐ利益が大きいということです。言い方を変えると無駄に多くの自己資本を持たず配当や自社株買いに回すなどして自己資本の肥大化を防いでいるとも言えるでしょう。
ただしこの2019年度の17%はさすがに出来過ぎで、一応伊藤忠商事は中長期的に13%のROEを目指すとしています。それでも他社よりROEが高いのは間違いないですね。
伊藤忠商事の課題
伊藤忠商事の課題はなんでしょうか。もちろん他社同様色々な課題があると思いますが、伊藤忠オリジナルの課題でいうと以下あたりでしょうか。
- 中国国営企業CITICへの巨額投資の果実が見えない
- 岡藤会長の長期政権
一つ目はタイの大財閥チャロンポカパン(CP)と共に中国国営企業CITICに5,000億円という巨額投資をした果実が見えないという点ですかね。いくつか共同案件プレスリリースしているようですが、あまりパッとしない印象です。持分連結してるのに、それに見合う配当を受け取れていないので、その差額が毎年CITIC投資残高として積み上がるので、将来の減配リスクに繋がりかねないというリスクがあります。
二つ目は岡藤会長が伊藤忠政権のトップを取ったのが2010年4月で、それ以降トップに君臨し続けているあたり。
岡藤氏は市場との対話が非常に上手いのと結果を出しているので、岡藤氏への期待が強すぎて交代が発表された時の株価下落が気になります。あと、日産のゴーン事件のように長期政権はいつの時代も腐ってしまうことが事例として数多くあるので、コンプラも大丈夫か気になりますね。
こんなところでしょうか。
結論:伊藤忠株は元気で見ていて面白い
どんな結論やねん、と突っ込みがあるかと思いますが、近年の伊藤忠商事の躍進は目覚ましいのは事実で、ついに先日表面的な時価総額で三菱商事を抜くというジャイアントキリングを達成したりと非常に元気なのです。
※三菱・伊藤忠の時価総額に関する記事は以下。
そして総合商社王者の三菱商事へ挑戦的な発言も垣間見えたりして、見ていて非常に面白いです。笑 私は三菱商事株を主軸におきつつ伊藤忠商事株を2番目に置いています。そして商社株では3番目に三井物産も保有しています。
高配当の三菱商事と株価が元気な伊藤忠商事株をダブルで保有し、そして資源比率の大きい三井物産も保有することで資源価格の恩恵も取れるという、いいところ取りを狙う戦略です。笑
基本商社株は短期売買せず長期保有ですが、この戦略が吉と出るか凶と出るか、、、ドキドキワクワクです!
三菱商事株を保有する理由を書いた記事は以下です。
ということで今回は以上です!
当ブログでは個別の銘柄について言及することがありますが、投資を推奨しているものではありません。投資は自己判断でお願いします。
今回も最後までお読み頂き有難うございました!
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