こんにちは!総合商社マンです!伊藤忠商事が自社株買い終了及び新規決議を同時に発表したよ!
- 伊藤忠商事が自社株買いのプレスリリースを発表
- プレスリリース①:自社株買い終了のお知らせ
- プレスリリース②:自社株買い取得の決定に関するお知らせ
- 自社株買い条件は悪化している!?
- 最後に:再度の史上最高値更新はあるか?
伊藤忠商事が自社株買いのプレスリリースを発表
伊藤忠商事が本日自社株買いに関するプレスリリースを発表しました。
伊藤忠商事は2019年6月12日に総額700億円の自社株買いを発表して以降、1円も自社株買いを実行せずに温存してきており、その期限が 2020年6月11日だったので、その700億円の今後の動向に注目が集まっていましたね。
こちらが6/11に期限を迎えた2019年に発表されていた自社株買いの内容です。
【取得に係る事項の内容(2019年6月12日公表分)】
- 取得対象株式の種類 :当社普通株式
- 取得し得る株式の総数 :40,000,000株を上限とする(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合約2.7%)
- 取得し得る株式の総額 :700 億円を上限とする
- 取得期間 :2019年 6 月12 日~2020 年6月11日
本日この自社株買いに関して、二つのプレスリリースが発表されましたので内容を見てみましょう!
プレスリリース①:自社株買い終了のお知らせ
こちらが伊藤忠商事の一つ目のプレスリリースになります。
御覧の通り、2019年6月12日~2020年6月11日の期間で設定された総額700億円(発行済株式総数に対する割合:2.7%)は最終的に1円も発動されることなく終了した旨のプレスリリースです。
発動されなかった理由は以下2点が記載されています。
- 期間中に上場来最高値を連続更新していたため
- インサイダー取引規制への抵触を回避するため
この点が理由だったようです。確かに伊藤忠商事の株価は2019年1月頃は2,000円割れの水準だったものが、好調な業績を追い風にぐんぐんと株価を上げて、2020年2月には年初来高値&史上最高値となる2,696円を付けました。
確かに史上最高値を更新しており、この影響で自社株買いを発動出来なかったということのようです。
ただ、コロナショックの影響で3月には年初来安値の1,911円を付けているので、そのタイミングで自社株買いは出来たのでは?と思ってしまいますね。
インサイダー取引って決算情報のことなのかもしれませんが、もしそうだとしたら決算期はずっと自社株買いしないってことですか?と問うてみたいです。笑
プレスリリース②:自社株買い取得の決定に関するお知らせ
自社株買い終了のプレスリリースと同時に、今回改めて自社株買いを決議した旨のプレスリリースも発表されましたので見てみましょう。こちらです。
【取得に係る事項の内容(2020年6月12日公表分)】
- 取得対象株式の種類 :当社普通株式
- 取得し得る株式の総数 :35,000,000株を上限とする(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合約2.3%)
- 取得し得る株式の総額 :700 億円を上限とする
- 取得期間 :2020年 6 月12 日~2021 年6月11日
終了した自社株買いを新たに1年延長したということですか!って思いますよね。でも何かに気付きませんか?確かに700億円という総額は変わっていませんが。。両社には決定的な違いがあります。詳しく見てみましょう。
自社株買い条件は悪化している!?
伊藤忠商事が今回発表したプレスリリースの内容をこんな感じで並べて比較してみましょう。
上段が今回終了したもので、下段が今回開始した自社株買いの条件です。
御覧の通り、700億円という条件は変わりませんが、取得し得る株式総数と割合が変わりましたね。前回の条件よりも取得し得る株式総数が減ってしまっています。
それもそのはず、理由は株価が上昇してるからです。伊藤忠商事が今回この枠を設定するに当たり想定している株価は”株式総額÷株式総数”で計算出来ますが、前回の1,750円という想定から、2,000円となっているのが分かります。発行済株式に対する割合も前回の2.7%から2.3%に減少してしまっていますね。
株価が上昇したのに買付する総額は700億円のままですので、仮に前回と同じ株式総数を保とうとすると800億円の自社株買いが必要でした。
これだけ見ると一瞬条件悪化?と思うかもしれませんね。賛否は分かれるかもしれませんが、これは株価をしっかり上昇させてくれたことによるものなので、条件悪化とは言えないのかなと個人的には思います。
最後に:再度の史上最高値更新はあるか?
今回伊藤忠商事は想定株価を1,750円から2,000円に引き上げましたが、足元の株価は2,300円台で推移しています。本日の自社株買いプレスリリースで朝方2,255円まで売り込まれましたが、一応市場はポジティブに捉えたのか2,334.5円とプラテンして引けていますね。
さすがに今期はこの自社株買い枠を未使用で終わるという事態は避けて欲しいところです。コロナの環境下での史上最高値更新はなかなかのハードルだと思いますが、名物会長の岡藤CEOがどんな技を繰り出してくるのか、今から楽しみですね。
この記事を書いている時点で、まだ王者三菱商事は2020年度の予算を発表していません。こちらは前回記事でも書きましたが、鼻息の荒い伊藤忠はこのアナリスト向け説明会資料でこんなことを言っています。
これは鈴木社長のプレゼンパートの抜粋ですが、「業績見通しの開示については未定とする対応が多くみられるが、コミットメント経営を是とする当社においては、4,000億円をやりきる覚悟で開示することとした」と言っています。
これ完全に業績予想を出していない王者三菱商事への挑戦的発言ですね。笑
私は三菱商事が自分のポートフォリオの主力株ですが、伊藤忠商事株も持っています。是非この業界1位、2位が切磋琢磨して共に成長し株価上昇に繋げていって欲しいものです!
総合商社各社の最新決算状況はこちらに纏めてありますので御覧ください。
王者三菱商事と時価総額でも競っている記事はこちらをご覧ください。
ということで今回は以上です!
今回も最後までお読み頂き有難うございました!
面白い・有益だと思った方は、Twitterや『はてブ』↓↓↓ぽちっと拡散頂けるととても喜びます!!