みなさんこんにちは!総合商社マンです。今日は私の働いている総合商社業界について分析してきたいと思います。どうぞお付き合いください!
総合商社分析シリーズ!
総合商社と聞くと皆さんどういった企業を思い浮かべるでしょうか?皆さんそれぞれ思い浮かべる会社が異なるかもしれませんね。実は総合商社といっても結構千差万別で(7社だけですが。笑)、企業の規模間に結構ばらつきがあります。
企業の規模間を図る尺度は色々あるかとは思いますが、今回は総合商社の時価総額についてウオッチしてみたいと思います。
今回のブログを読んで頂くとどのような勢力図なのか、ということが断片的ですがご理解頂けるかと思います。社会人の方だけでなく、現在就職活動をしている学生さんにも有益な情報だと思うので是非お読みくださいませ!
総合商社って?
まず総合商社という業界を構成する企業がどこなのかを見てみましょう。結構昔から学生人気の高い総合商社ですが、現在は以下の7社がいわゆる総合商社ですね。順不同
- 三菱商事
- 三井物産
- 住友商事
- 伊藤忠商事
- 丸紅
- 双日
- 豊田通商
昔はトーメン、日商岩井、ニチメンや兼松とかが総合商社におりましたが、ご存じのようにトーメンは豊田通商に、日商岩井とニチメンは合併して双日となっており、兼松はバブル後にリストラを断行した結果、7大からは外れています。その結果、現在上記の7社で構成されております。
ちなみに総合商社の定義は無いという理解なので、就職活動の本とかでは兼松も総合商社に分類されているものもたまに見かけますが、今回はあくまで7大に絞ってこの7大総合商社の時価総額を見てみましょう。
時価総額ランキング(2020/2/24時点)
上記の図の通り、業界一位は三菱商事、次いで伊藤忠商事、三井物産と続きます。見て頂いて分かる通り、一括りに総合商社といっても一番大きな三菱商事と一番小さな双日では約10倍の差があるのが分かります。
また競争という観点から見ると、1位の三菱商事と2位の伊藤忠商事の差は本日時点で約4,000億円の差で競っており(別の回で詳細書きますが確か1年前は1兆円近く差があったように記憶しています)、また丸紅と豊田通商はもっと熾烈でその差800億円となっています。
どこからか怒られそうですが誤解を恐れずに書くと、以下の様な数式も出来ますね。
三菱商事≒三井物産+丸紅(or豊田通商)
三井物産≒住友商事+丸紅(or豊田通商)
各業界で合従連衡が頻繁に起きている世の中ですし、総合商社でも上述したように過去に合併を繰り返した結果が現在の7大商社です。今後総合商社業界でも合従連衡が起こることもあり得るかもしれません。有力は伊藤忠と丸紅(同根企業)、三井と住友(三井住友銀行の例アリ)あたりでしょうか。
時価総額を上げるには?
これは総合商社に限った話では無いですが、まず時価総額は以下の計算式で算出されます。
発行済株式数×株価
では、時価総額を挙げるためには何をすればいいのか?そう、単純に株価が上昇すればいいわけです。(発行済株式総数を増やすと既存発行株が希薄化してしまい株価が下がるので理論上は時価総額は変わりません)
では株価を上げるためにはどうすればいいのでしょうか。以下のファクターがあると言えます。
- 利益を出す
これが一番分かり易いですね。利益が出ているに越したことはありません。正し、後述するしっかりとしたビジョンがあれば赤字会社でも株価は上昇します。
- 配当を出す
株主が期待をしているのは株価の上昇及び配当を受け取ることです。しっかりと配当が出ていれば株を買いたいという人も多くなり株価上昇に繋がりますよね。
- ビジョンを出す
もちろんどれも重要なのですが、これが一番重要だと私は思っています。というのも投資家は成長が期待できる会社の株を買います。将来お先まっくらの会社の株なんて誰も手を出したくないでしょう。今は赤字でも将来の成長に向けて投資をしている真っただ中で将来有望という会社には投資家は投資をするのです。
最近の総合商社の株の状況は如何でしょうか?これは個人的な印象ですが、正直最近の商社は利益と配当はある程度しっかり出せている一方、最後のビジョンを出すというところが商社は不得意なように感じます。
その中で時価総額成長著しいのが伊藤忠商事です。前回のブログでも書きましたが名物会長の岡藤氏がこの点に非常に長けていると感じます。私は一番三菱商事に投資をしているので、是非とも三菱商事の垣内社長には明確な成長戦略を投資家に対して示してほしいですね。笑
まとめ
ということで、時価総額という観点からは
- 業界のトップは三菱商事、それを伊藤忠が猛烈に追い上げている!
- 下位商社では丸紅VS豊田通商が熾烈な5位争いを繰り広げている!!
という状況なのが分かりますね。業界の雄を自負する三菱商事は時価総額では絶対に1位の座を譲るわけにはいかないと考えているでしょう。5大商社の一角である丸紅も豊田通商に5位の座はなんとしても譲りたくないと考えていると思います。
もちろん時価総額が全てでは無いですが、経団連の役員に総合商社の社長経験者が顔を連ねたりしている中で、時価総額で何番に位置しているのかというのはマネージメントは少なからず気にしていると思います。
個人的には上記でも書かせてもらったように業界の雄、三菱商事に大期待です!笑
今回のブログを通して総合商社業界の勢力図が少しでもご理解頂ければ幸いです。また近々違う観点から総合商社業界の勢力図を見てみたいと思います。
最後までお読み頂き有難うございました!!