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【JT】20年度第3四半期決算発表速報!まさかの業績上方修正発表!

こんにちは!総合商社マンです!JTが2020年第3四半期の決算を発表したよ!まさかまさかの上方修正発表です!!

 

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JTが20年度第3四半期の決算を発表 

JTが10/30の引け後に20年度第3四半期の決算を発表しました。JTは12月決算会社なので、このタイミングで第3四半期の決算発表になります。

JTは超高配当利回りに加えて株主優待も取り揃えているという、個人投資家には超魅力に映る一方、株価が右肩下がりで下落していることもあり、話題に事欠かない銘柄です。笑

 さて、JTは前回の第2四半期決算で業績の下方修正を行っていました。

  • 売上を▲7.6%下方修正。
  • 営業利益を▲16%下方修正し4,220億円。
  • 当期純利益を▲17.9%、▲190億円下方修正し2,860億円。
  • フリーキャッシュフローを▲200億円下方修正し3,500億円。 

ただ、これについては、JTは12月決算会社であり、今期の業績予想を出したのはコロナが深刻化する前の2月だったことを考えると必然だったとも言えますね(3月決算会社は業績予想を出すのは5月頃)。そして、今回、まさかの上方修正を発表しています(詳細は後述)!

さて、これからJTの決算内容を見ていきますが、その前に簡単にJTのビジネス構成についてお話しておきます。そのほうが決算資料読みやすくなりますので。

こちらがJTのばくっとした概要です!(※2019年度決算内容から考察したもの)

  • JTのビジネス構成は①タバコ事業、②医薬品事業、③加工食品
  • タバコ事業だけで全体の100%以上の営業利益を稼いでいる(100%以上というのは他の事業はマイナスという意味)。
  • そしてたばこ事業の営業利益の内、7割が海外、3割が国内で稼いでいる。

こんな感じです。要はタバコ以外にもビジネスやっているけど、結局はタバコで稼いでいる会社ということです。つまりタバコビジネスの動向を見ればJTが好調なのか不調なのか分かりますよ。詳細は以下記事にまとめていますので興味あればそちらをご覧ください!

 

www.sogoshoshaman.com

  

はい、ということでJTの3Q決算の内容を見ていきましょう!

※当記事内のスライドは全てJTの決算公表資料からの抜粋です。

 

20年度第3四半期決算概要

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JTの20年度第3四半期決算概要をJTが発表した決算資料からひも解いていきたいと思います。まず定量面からいきます。こちらのスライドをご覧ください。

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  1. 売上は前年同期比▲2.5%と減収(2Q時点は▲2.7%)。
  2. 営業利益は▲11.4%の減益(2Q時点は▲19.1%)。海外タバコ事業がけん引。
  3. 四半期利益は▲18.4%減益の2,579億円。(2Q時点は▲23.8%)。

減収減益は継続しているものの、2Q時点の減収減益幅よりも改善しているのが分かります。この要因を国内タバコ事業と海外タバコ事業に分けて見ていきましょう。

まず国内タバコ事業です。こちらのスライドをご覧ください。

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  1. 売上は▲9.4%の減収(2Q時点は▲11.9%)。
  2. 営業利益は▲16%の減益(2Q時点は▲25.1%)。

国内事業も減収減益が続いていますが、2Q時点よりも減益幅がかなり縮小してきているのが分かります。2Qというと4-6月にあたり、国内は緊急事態宣言の真っただ中にあったことを考えると、2Qが底だったと考えてよいかもしれません。

 

続いて海外タバコ事業です。これがJTの最大の稼ぎ柱です。こちらのスライドをご覧ください。

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  1. 売上は前年同期比+1.6%増収(2Q時点は+3.1%)。
  2. 営業利益は前年同期比+6.2%増益(2Q時点は15.6%)。

主力事業である海外タバコ事業は2Qの伸びほどはないにしろ、コロナ禍の中でも引き続き前年比を上回る業績を叩き出しています。これはほんとにすごいというか、嗜好品の強さを物語っている気がしますね。

 

20年度年間業績予想&配当見通し

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JTの20年度年間業績予想と配当見通しを見てみましょう。

今回JTは驚異の上方修正を発表していますよ!これが今回の目玉ですね!詳しく見てみましょう。こちらのスライドをご覧ください!

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  • 売上高は+600億円上方修正!
  • 営業利益は+420億円上方修!
  • 当期利益は+240億円上方修正!
  • FCFは+650億円上方修正!

強い、強すぎるぞJT!!!と叫びたくなる上方修正のオンパレードです。笑

2Q決算時には下方修正していたのに、このタイミングで上方修正するとは思ってもいませんでした。この上方修正の要因には以下点が挙げられていますね。

  1. 海外タバコ事業はコロナ禍が長期化しているものの、想定よりも底堅く推移。
  2. 国内タバコ事業もコロナ禍長期化しているものの、経費削減で想定よりも利益伸長。
  3. 一部、JTビルの売却を予定や、医薬事業も増収を見込む。

 

そして、業績上方修正をしたことで、気になるのが配当の行方ですね。こちらをご覧ください。

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※決算短信から抜粋

配当については今回は特に変更はありません。年間配当154円(上期77円、下期77円)を堅持しています。これだけ上方修正をして、且つ、フリーキャッシュフローまで増加を見込むとなると、期末配当の増配をちょっと期待しちゃうレベルですね。

 

 

最後に:寺畠社長はこの業績に自信あり

今回JTの決算発表を見てきましたが、寺畠社長がかなり力強いメッセージを出しています。以下はその社長メッセージの抜粋です。

“新型コロナウイルス感染拡大の影響は長期化し、不確実性が高い状況が継続しています。厳しい事業環境下においても、海外たばこ事業におけるシェア拡大・単価上昇効果に牽引され、為替一定ベースの全社調整後営業利益が増加するなど、JT グループの第3四半期累計実績は、底堅いファンダメンタルに支えられ力強いものとなりました。通期業績予想についても、力強い実績に加え、優先順位に基づいた効率的な費用執行等により上方修正しており、この達成に自信を持っています。
不確実性の高い事業環境が継続する中、働き方を進化させるとともに、お客様の行動様式の変化に、製品、サービス両面でアジャイルに対応することができるよう、投資を継続してまいります。”

これぞ嗜好品の強さということなのか、、、と改めて認識をさせられる決算内容になったと思います。足元は世界的なコロナ拡大が継続しているので、気を緩めることなく業績達成に向けて、そしてチャンスがあれば増配を目指してほしいものですね!

 

ホルダーの皆さん、おめでとうございました!!

 

ということで以上です!  

当ブログでは個別の銘柄について言及することがありますが、投資を推奨しているものではありません。投資は自己判断でお願いします。

今回も最後までお読み頂き有難うございました!

 

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