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JT驚異の配当利回り7.2%!1Q決算発表後に株価はどう動いた?

 

 

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JTが2020年第1四半期の決算を発表(4/30)

JTは4/30に2020年第1四半期の決算発表をしました。JTは12月決算の会社なので、このタイミングで第1四半期の決算発表だったのですね。今回は簡単に1Q決算の内容を振り返りながら、決算発表後の1か月間、JT株がどう推移してきたのかを見てみたいと思います。1Qの決算詳細を見たい方は以下記事に纏めてますので御覧ください。

 

www.sogoshoshaman.com

 

また、JTの利益構造(2019年12月期ベース)については以下記事で以前書いています。 

www.sogoshoshaman.com

利益構造の詳細はこの記事を見て頂ければと思いますが、今回の本題に入る前にポイントだけ見ておくと以下の通りです。

  • JTのビジネス構成は①タバコ事業、②医薬品事業、③加工食品
  • タバコ事業だけで全体の100%以上の営業利益を稼いでいる(100%以上というのは他の事業はマイナスという意味)。
  • そしてたばこ事業の営業利益の内、7割が海外、3割が国内で稼いでいる。

つまり色々ビジネス展開はしているけど、なんだかんだタバコで稼いでいる会社ってことですね。この点を踏まえておくとJTの概要を掴みやすくなると思いますよー。

 

2020年12月期の第1四半期決算おさらい

では株価動向を見る前に簡単にJTの1Q決算のおさらいをしておきましょう。

 

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参照元:JTホームページCFOプレゼンテーション

御覧の通り増収減益ですね。営業利益及び当期純利益は前期比で大幅減益となっていますが、2020年12月期の年間利益予想は3,050億円(2019年実績は3,482億円)ですので、第1四半期を終えた時点での対予算進捗率は28%とまずまずの出だしでした。

対予算比で好調だったのは、やはり稼ぎ頭の海外たばこ事業がこのコロナの状況でも比較的堅調だったことが理由のようですね。

業績予想及び、配当見通しについてはどうでしょうか。

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まず業績見通しについてですが、下方修正はありませんでした。ただし、このスライドの上の赤枠にもある通り、4月以降のコロナの影響を勘案して精査とあります。2Q以降に下方修正することには含みを持たせた格好です。

そして配当予想についてですが、上のスライドの下の赤枠に記載のある通り、配当予想には変更はありませんでした。つまり上期77円、下期77円、年間合計154円の配当を据え置いています。

一言でいうと、この状況下では比較的堅調な決算だったといえる内容でしたね。

これを踏まえて株価の動向を見てみましょう!

 

JTの株価動向:驚異の配当利回り7.2%

それでは上記の決算発表を行ってから1カ月が経過しましたが、株価がどのように動いたのかを見てみましょう。

まず日足チャートがこちらです。 

jt-stock-chart-daily

縦に線がありますが、そこが決算発表が行われた4/30です。その日の終値は2,000.5円でした。決算発表翌営業日は決算内容が比較的好感されて2,050円まで買われたものの、JTの個別の理由というよりはGW明けに日経全体が売られたこともあり、5/7に決算発表後安値となる1,932.5円を付けました。その後は2,000円前後で一進後退を続け、相場全体の上昇もあり5月末は綺麗に右肩で上昇して5月は2,137.5円で引けています。決算前の4月にJT株を買った人は含み益になっている状況ですね。

ちなみにJTの配当利回りは驚異の7.2%となっています。笑 この数字だけ見ると非常に魅力的ですよね。ただし、この配当利回りだけJT株購入の判断をするのはリスクがあります。

次に月足チャートを見てみましょう。 

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これは2014年以降のJTの株価推移になります。2015年、2016年あたりの4,000円台の株価をピークに綺麗な右肩下がりのチャートになっていますよね。

冒頭にも書きましたがJTの利益の源泉は「たばこ」です。他にも食料品・医療品やってるというけど利益規模で見たら無視できるレベルで源泉は「たばこ」なのです。

喫煙者の私が言うのもなんですが、「たばこ」は世界的な健康志向の高まりから逆風が吹いているのは想像に難く無いですよね。

そういうわけで市場はJTを今後成長しない銘柄と判断しており、その結果ここまで配当利回りが高い状態(=リスクが高いと見做されている)に放置されているわけです。

JTはこれまで16年連続で増配を続けてきましたが、ついに2019年度の配当で前年維持となり増配連続記録にも終止符を打ったばかりです。成長に限界を迎え始めている兆ともいえますので、投資をするなら注意が必要ですよ。

 

JTの株主優待は魅力だけど注意!

高配当で且つ株主優待付ということで、非常に個人投資家に魅力なJT株です。

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御覧の通り、持ち株数に応じてA~Dコースまであり、JTの取り扱う食品セットが貰えます。

  • 100株以上 200株未満保有の株主様 : 2,500円相当
  • 200株以上 1,000株未満保有の株主様 : 4,500円相当
  • 1,000株以上 2,000株未満保有の株主様 : 7,000円相当
  • 2,000株以上保有の株主様 : 13,500円相当

ただし、以前の記事にも書きましたが、一点注意が必要です!

JTのホームページを見ると以下の記載があります。

  • 12月31日基準日の株主様の中から、当社株式100株(1単元)以上を、 1年以上継続保有されている株主様に対し、12月31日現在の株式保有数に応じ、以下相当額の当社グループ会社等の商品を贈呈いたします。

つまり今買っても次回権利月の12月に株主優待の権利はまだ付与されないことになります。1年以上保有が条件なので、今年JT株を買った人が株主優待を貰える権利を持てるようになるのは、2021年12月31日時点です。JTの株主優待目当ての人はご注意を!

 

最後に:「高配当+株主優待」VS「株価下落リスク」

いかがでしたでしょうか?JT株は「高配当+株主優待」という魅力的に見える銘柄であることから個人株主には非常に人気です。

配当が驚異の7%超えですので、仮に現在の2137円で購入したとして年明けの株価が1987円以上だったら勝ちという訳ですね!(あくまで短期的な勝ち負けの話しですが)

JTの課題はもちろんかなめのタバコビジネスを今後どう成長させるかは重要ですが、一方でまだ脇役にすらなれていない「食品・医療品ビジネス」をどう育てていくかがポイントだと思っています。日本でも喫煙場所がどんどん無くなっていっておりJTには逆風(喫煙者の私にも逆風。笑)ですが、どうJTの経営陣がJTを成長させていくのか、5 年後10年後が楽しみですね!

 

ということで今回は以上です!

今回も最後までお読み頂き有難うございました!

 

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