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【丸紅】20年度第1四半期決算発表速報!1Qの進捗率は58%に到達!!

こんにちは!総合商社マンです!丸紅が20年度第1四半期の決算発表したよ!サプライズ決算です!

 

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丸紅が20年3月度第1四半期決算を発表

丸紅が本日8/4に2020年度第1四半期の決算発表を行いました。総合商社各社の決算発表は先週金曜日の三井物産、豊田通商に続き3社目になります。

丸紅は昨年度決算において資源・食糧ビジネス等での巨額減損を計上した結果、総合商社で唯一の赤字転落(▲1,975億円)となり、見事な一人負けを演じてしまったのは記憶に新しいかと思います。

今期の業績予想も1,000億円とV字回復とは言い難い数字を出してきていますが、この第1四半期の決算がどう進捗したのかを見ていきましょう!

 

20年度第1四半期決算概要

 

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丸紅の20年度第1四半期決算の概要を、丸紅が公表した決算資料を眺めながら見て行きたいと思います。

まず定量面からです。結構サプライズな内容となっています。こちらのスライドをご覧ください。

 

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 ポイントを箇条書きします。

  1. 当期純利益は前年比▲11%減益の581億円。年間予想に対する進捗率は58%。
  2. 実態純利益は前年比▲16%減益の590億円。年間予想に対する進捗率は49%。
  3. 基礎営業キャッシュフローはほぼ前年比横ばい(▲1%)の+945億円。年間予想に対する進捗率は39%。
  4. 株主還元後フリーキャッシュフローは前年比+41億円の+493億円(前年は赤字)
  5. DEレシオ3月末から0.03ポイント改善の1.13倍。

こんな感じ。シンプルに当期純利益の進捗率が58%とすごいことになっています。ただし、今回の決算での上方修正はありませんでした。コロナ第二波と言えるような事態が今後発生し得るかもしれず、現時点で上方修正するには時期尚早ということでしょうね。ただ、期待は高まったせいか、株式市場は好反応となっています。

業績についてもう少し詳しく見てみましょう。こちらのスライドをご覧ください。実態純利益を前年と比較したものですね。

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実態純利益というのは一過性要因を除いた利益です。ポイントを箇条書きします。

  1. 実態純利益は前年700億円から▲110億円減益の590億円。
  2. (A)インフラ等の安定事業収益は前年と同じ320億円。
  3. (B)トレード事業は前年比+30億円の170億円。
  4. (C)新型コロナの影響を受けた事業が前年比▲160億円の+90億円。

丸紅の強みである電力やインフラ事業はやはりコロナ禍であっても安定していて、前年と同じ水準の利益を稼ぎだしていますね。鉄鋼や化学品のトレードも堅調だったようです。一方、輸送機、リース、石油ガス石炭等の資源事業はコロナの影響で減益となった、そういう決算模様だったようです。

 

20年度年間業績予想&配当予想

丸紅の20年度年間業績予想も見ておきましょう。こちらのスライドをご覧ください。

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ポイントを箇条書きします。

  1. 今期業績予想1,000億円は不変。進捗率は58%に到達。
  2. 配当も期初予想の15円から不変。減配を維持。

2016年以降の数字も並んでいますが、1Qで進捗率がここまで高い年はないですね。期初予算を相当保守的に作っている気がしますので、2Q以降での上方修正期待が高まります。仮に上方修正せずに年間当期純利益1,000億円、配当15円となると、配当性向は27%となります。

丸紅は現在のGC2021という中期経営計画を推進中です。この中期経営計画は当初2019年5月19日に発表したものですが、昨年の巨額赤字転落により2020年5月7日にこの中期経営計画の修正を行いました。その結果、この中経期間中である2022年3月期までは自社株買いは行わないことを宣言していますので、今期仮に上方修正しても自社株買いは期待出来ません。

ちなみにこちらは今期のキャッシュフローに関するスライドです。

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上段がCF創出力で、下段が資本配分を説明したものですね。

  1. まず上段の折れ線グラフの株主還元後CFですが前年573億円から今期は1,400億円に大幅に改善します。この改善分をどう資本配分するのかが下段です。
  2. 下段左側に赤の点線部分に「債務返済等」という記載がありますね。昨年度の巨額赤字で悪化してしまった財務状況(特にネットDERレシオ)を改善させるために使うことを明示しています。

ほとんどの商社がネットDER1倍を切る中で丸紅は1倍を超えている(=自己資本より有利子負債が多い)状況なので、その改善に注力するということでしょう。こちらがDERの推移です。

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御覧の通り2019年3月末にようやく1倍を切ったところで再度悪化してしまっている状況です。このスライドによると2021年3月末でもまだ1.1倍なので、中経最終年度にあたる2022年3月末までに1倍を切る水準を目指していくということだと思います。ですので、このGC2021の期間中は積極的な株主還元は期待出来ないと個人的に思っています。

  

最後に:進捗率58%はサプライズ決算

今回丸紅が総合商社3番手として決算発表を行いました。決算の内容は素直にサプライズだったと思います。株式市場も決算の内容を好感して、この記事を書いている時点では前日比+8%と爆上げの状況です。株主さんおめでとうございます!

当期純利益の進捗率が50%超える水準ですからねー。ただし、足元円高で推移していたり等、懸念事項もあります(丸紅の為替前提は110円)。加えてコロナ第二波懸念もあり油断は出来ませんが、いずれにせよ2Q以降どんな数字を丸紅が出してくるのか、今から楽しみですね!

 

ということで以上です!

 

尚、決算書の読み方を勉強したいと思われている方にはこちらの本がおススメです。

 

 

堅苦しくなく、決算書の読み方全然分かりません!という方から、かじったことはあるけど改めて理解したいという初心者~中級者の方向けの本です。私自身も今更ながら改めて読むと頭の整理に繋がって非常に良書でした!

中級者以上だとこちらの本が個人的におすすめかな。 

 

 

先に紹介した本よりはもう少し踏み込んでいて、尚且つ読みやすい良書です!

  

当ブログでは個別の銘柄について言及することがありますが、投資を推奨しているものではありません。投資は自己判断でお願いします。

今回も最後までお読み頂き有難うございました!

 

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