こんにちは!総合商社マンです!丸紅が大幅減損だってよ!!
本日大引け後に総合商社の一社である丸紅が大幅な下方修正を発表しました。
今回のコロナショックで各社減損を出すとは思っていましたが、なかなかの巨額な減損額に驚いております。
さっそく内容を見ていきましょう!
丸紅が大幅下方修正発表!一転赤字転落に!!
本日引け後に丸紅が発表した「通期連結業績予想の修正及び減損損失の発生に関するお知らせ」を見てみましょう。
参照元:丸紅ホームページ
https://www.marubeni.com/jp/news/2020/release/data/202003251J-1.pdf
御覧の通り今回の下方修正額は3,900億円と巨額です。巨額という根拠は以下です。
- まず一つ目は、2016年のシェール革命で資源が大暴落をした際、業界NO1の三菱商事も赤字に転落しましたが、その際の減損額は4,300億円でした。両社の会社規模(時価総額、税後利益、資産等々)は2倍以上開きがありますので、この額が丸紅にとって如何に巨額な減損額なのかということがお分かりになるかと思います。
- 二つ目は、2016年に丸紅もシェール革命の資源暴落により減損を引き当てています。その当時の引当額は1,200億円です。今回その3倍の額となり、これまた如何に今回の引当額が巨額なのかということが分かるかと思います。
- 三つ目は二つ目に関連しますが、2016年に1,200億円の減損引き当てを計上し簿価を当時下げているにも関わらず、今回それを上回る減損額を計上しているということです。
理由一つ目で言及している丸紅と三菱商事の会社規模比較を見たい方は以下記事からどうぞ!
丸紅巨額減損の内訳は?
続いて、今回下方修正をした3,900億円の内訳を見ていきましょう。
本日発表されたプレスリリースにその内容の記載があり以下の通りです。
参照元:丸紅ホームページ
https://www.marubeni.com/jp/news/2020/release/data/202003251J-2.pdf
御覧の通り、一過性要因として以下が挙げられています。
- 石油ガス開発事業 ▲1,450億円
- 米国穀物事業 ▲1,000億円
- チリ銅事業 ▲600億円
- 海外電力インフラ ▲400億円
- その他 ▲250億円
- 合計減損額 ▲3,700億円
これ加えてコロナショックによるビジネス低迷による利益減少で▲200億円を織り込み、上記減損額と合わせて▲3,900億円の下方修正となっています。
その結果、2020年3月期の従来予想の純利益2,000億円の黒字から一転、▲1,900億円の赤字に転落となりました。
丸紅の配当はどうなる?
今回大幅な赤字転落となり、株主のみなさんは配当がどうなるか気がかりでしょう。それについても本日のプレスリリースで以下の通り言及されています。
参照元:丸紅ホームページ
https://www.marubeni.com/jp/news/2020/release/data/202003251J-2.pdf
3つ目がポイントで「期初に公表する予想配当金を下限」とする方針を継続、つまり現在配当予定としている期末配当17.5円(年間配当35円)は維持するとのこと。株主の皆さん、良かったですね!
またポチ二つ目に記載の通り、今回減損額は3,700億円だったものの、減損は一過性損失であり、丸紅の今期実力値の利益は1,800億円程度であり、営業キャッシュフローも3,000億円を確保出来るようです。この数字をベースに来期どの程度の予算を組むのかが注目されます。
丸紅の原油価格見通しは??
個人的には今回の丸紅のプレスリリースの中で注目をしたのが以下のページです。
なぜ注目したかというとこのページで丸紅が今話題の原油についての価格想定を出しているからです。
参照元:丸紅ホームページ
https://www.marubeni.com/jp/news/2020/release/data/202003251J-2.pdf
これは何かというと今回丸紅が減損額を算出するにあたり、今後の原油価格想定をどう置いたのかが開示されているので非常に興味深い内容です。
米国メキシコ湾という記載がありますが、これが要はWTI原油のことでしょう。数字を見ると20~23年度の想定原油価格を38ドル~39ドルとおいています。この際もっと踏み込んで減損しちゃえば将来楽なのになーって個人的な感想です。笑
この数字は今回減損テストをするにあたって前提とした価格となっています(丸紅の広報部に個人投資家として電話して確認したので間違いありません!!笑)。ただし広報部の方のコメントとして今後監査法人と詰めていくことになるのでまだ確定ではないとのこと。
つまり、ここから何が言えるかというと、足元の原油価格は20ドル~25ドル程度で推移していますので丸紅は短中期的には原油価格は38ドル~39ドルまで上昇すると見ていると言えます。先日以下ブログで記載した私の記事では40ドルくらいまでは戻すのではというコメントとほぼほぼ一致しますね。笑 まだ見ていない方は以下からどうぞ!
今後の丸紅の株価はどうなるか?
これは難しいですが一つ言えるのは配当を維持したという点は評価が高いと思います。まー、減損はキャッシュアウトしない帳簿上の数字いじるだけなので配当維持して当たり前だろ!という声も聞こえそうですが(笑)市場が悪材料出尽くしと判断すれば株価は逆に上昇する可能性はあります。
一方で丸紅は減損を除いた今期の実力値を2,000億円から今回1,800億円に200億円下方修正しています。丸紅は期初に発表した配当は下限保証するとは言っているものの三菱商事・伊藤忠商事とは違い累進配当は宣言していません。つまり会社の期初予想の利益が減ればそれをベースに配当性向25%以上で計算をするので、もしかするとコロナの影響が継続すれば来期減配となる可能性は否定できません。そういう点も考慮されて機関投資家が売りに走れば株価は下がっていくかもしれません。
丸紅の2020年3月期の決算発表は今のところ5月7日を予定しています。最終的にどう着地していくのか注目ですね!
他商社の減損は?
丸紅がこれだけの巨額の損失を出すと他商社は大丈夫かと心配する声が上がるのは必然ですよね。本日時点で他商社は丸紅以外減損損失・下方修正発表はしていませんが、個人的な予想として、ほぼ確実に他商社も減損を発表していく流れだと思っています。そうなった時に注目すべきは配当維持するか、減配するかです。2016年のシェール革命のときは三井物産が減配を発表して市場からの評価が下がったのを記憶しています。そのあたり各社今回どう対応していくのかを個人的には注目しています!
総合商社株からしばらく目が離せませんね!私は個人的に来年のボーナスに関わる話なので戦々恐々と注目しています(笑)
他商社の決算に動きがあればまた随時報告させて頂きます!
今回も最後までお読み頂き有難うございました!