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【三菱商事VS伊藤忠商事】遂に時価総額逆転!!世紀のジャイアントキリングか!?

 

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三菱商事・伊藤忠商事決算発表終了

三菱商事と伊藤忠商事は5/8に同日に決算発表を行いました。事前の前評判では遂に伊藤忠が王者三菱商事を抜いて税後利益で1位になるのではと各所で言われていましたが、蓋を開けてみたら王者三菱商事が5,354億円、伊藤忠商事が5,013億円となり、三菱商事が王者の座を守りきった形となりましたね。

総合商社各社の決算状況は以下に纏めていますので御覧ください。

 

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さて、そんな熾烈な税後利益のトップ争いを繰り広げている三菱商事と伊藤忠商事ですが、タイトルの通り時価総額でも熾烈なトップ争いを繰り広げています。以下記事は決算発表後の5月13日に書いた記事ですが、個人的にずっとこの時価総額に注目していました。

 

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今回この記事を改めて書いているのは三菱商事が行っていた自社株買いで買い付けた自社株を5/29に償却を行った結果、時価総額に異変が発生したためです。どういうことか見ていきましょう!

 

三菱商事と伊藤忠の時価総額

三菱商事と伊藤忠商事の時価総額を見るにあたり、発行株式数が重要になります。というのも時価総額は「発行株式数×株価」で計算されますからね。

ということで2社の発行株式数を見てみたいと思います。

三菱商事と伊藤忠商事は2019年度に自社株買いを発表し、三菱商事は買い付けが完了して終了、伊藤忠は枠設定したものの、未だに買い付けをしていないという状況が続いています。詳しくは以下記事をご覧ください。

 

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三菱商事は自社株買いを終了した際の5/1時点で以下のリリースを出しています。

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赤枠部分が注目ポイントですが、「(3)消却後の発行済株式総数」というのがありますよね。2020年5月29日予定とあるので、既にこの株数は消却していると思われます。

その結果、3/31時点と6/1時点の各社の発行株式数は以下の通りとなりました。

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3/31時点では三菱商のほうが発行株式数が多い状態でしたが、今回三菱商事が消却したことにより株式数が減少し、伊藤忠のほうが株式数が多くなっているのがお分かりになりますか?

その結果3/31と6/1それぞれの終値時点で時価総額を比較すると以下のようになります。

3/31時点の時価総額

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6/1時点の時価総額

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いかがでしょうか!!ついに僅差ながら伊藤忠商事が三菱商事の時価総額を上回っています!グラフで見てみましょう。

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3月末時点では三菱3.64兆円、伊藤忠3.55兆円だったのが、6/1では逆転し伊藤忠3.692兆円、三菱3.689兆円と僅かではありますが伊藤忠がトップに躍り出ています!

ついにジャイアントキリング発生です!!

って、本当にそうなのでしょうか??ヤフーファイナンスの時価総額の数字でも逆転現象が発生しているので、単純に「発行株式数×株価」で計算すると確かに時価総額は逆転していますが、実は裏があります。

 

伊藤忠は自社株を消却していない!

伊藤忠は自社株を消却していない!って言われても「なんのこと?」と思うかもしれませんが、伊藤忠商事の決算短信を見てみましょう。こちらです。

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ちょっと見づらいのですが、先ほど時価総額を計算するにあたり使用した発行済株式数「1,584,889,504株」という数字の中に、実は伊藤忠が過去に行った自社株買いで取得した株式数「94,612,062株」が含まれています。

つまりこの自社で既に取得した株式数も時価総額の計算に含まれてしまっているわけです。三菱商事は取得したものはしっかり消却していますが、伊藤忠は今後の状況を見て判断するという方針のようです。

ということで、この伊藤忠の保有したままの自社株を除いて計算するとどうなるでしょうか。

発行済株式数(自社株除く)

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時価総額(自社株除く)

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いかがでしょう。自社株数を除いて計算すると三菱商事3.68兆円、伊藤忠商事3.47兆円と引き続き三菱商事の時価総額が上回っている状況ですね。

 

最後に:王者三菱商事の貫禄を見せて欲しい

今回の株数変動による時価総額逆転劇、これをどう見るかですが、基本的にまだ実力値での時価総額は三菱商事が上回っているというのが正しい見え方なのかなと個人的には思っています(あくまで個人的な意見です)。

一方で、発行済株式総数の影響だけではなく、伊藤忠の株価が三菱商事より明らかに高パフォーマンスであることから今回の逆転現象が発生しているのも事実です。

王者三菱商事を個人的に一番応援している私としては(笑)、是非とも王者の貫禄を見せて頂き、株数の変動なんかで時価総額が逆転するような現状を改善して頂きたいと思っています!

先日の総合商社各社の決算発表で5大商社の時価総額ランキングにも変動が発生していたばかりでしたが(丸紅VS豊田通商)、上位商社もいつまでも安泰でいられるとは思わずに、各社切磋琢磨して株価と共に成長していってほしいですね!

  

ということで今回は以上です!

今回も最後までお読み頂き有難うございました!

 

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