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【三井物産】20年度上半期(第2四半期)決算発表速報!業績予想修正あり!

こんにちは!総合商社マンです!三井物産が20年度第2四半期の決算発表したよ!業績修正あり!

 

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三井物産が20年3月度第2四半期決算を発表

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三井物産が10/30の場中13:30に2020年度第2四半期の上半期決算発表を行いました。

三井物産は今期の業績予想を1,800億円としており、伊藤忠(4,000億円)、三菱商事(2,000億円)に次ぐ3番手に位置しています。

第1四半期時点での進捗率は35%と好調な滑り出しをしていましたが、果たして第2四半期の決算はどういった内容なのかを三井物産が発表した決算発表資料を抜粋しながら見ていきたいと思います!

※当記事に出てくるスライドは全て三井物産の決算発表資料です。

 

20年度第2四半期(上半期)決算概要

三井物産の20年度第2四半期決算の概要を、三井物産が公表した決算資料を抜粋しながら見て行きたいと思います。まず定量面からです。こちらのスライドをご覧ください。

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ポイントを箇条書きしてみます。

  • 基礎営業キャッシュフローは期初予算4,000億円に対し2,741億円。進捗率69%。
  • 当期純利益は期初予算1,800億円に対し1,100億円。進捗率は61%。

基礎営業CF及び上半期純利益共に、進捗率に関しては50%を軽く超えてきており、対予算という意味では非常に順調だったと言えますね。

そして今回通期業績予想に修正が入っています。これは後ほど詳しく見てみます。

まずはこの基礎営業キャッシュフローと当期利益の内訳を見てみます。こちらのスライドをご覧ください。これは三井物産の基盤事業である「金属資源・エネルギー」、「機械・インフラ」、「化学品」を抜き出して、その内訳が記載されています。

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ポイントを箇条書きします。

  • 基礎営業キャッシュフローは金属資源の進捗率63%、機械インフラが44%、化学品が50%という結果。機械インフラは44%と足を引っ張るも、金属資源エネルギーがけん引役となっている。
  • 一方、当期純利益は金属資源エネルギーの進捗率56%、機械インフラ67%、化学品54%と、進捗率だけでは機械インフラが好調。金属資源エネルギーで減損が発生したことで、金属資源エネルギーの進捗率が低い状況。

三井物産の屋台骨である金属資源エネルギーはしっかりキャッシュを産み出している一方で、減損が発生したことで利益面では進捗率がイマイチの結果になっています。どんな減損が発生したのかについてはこちらのスライドです。

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細々とした数字が並んでいますが、赤枠部分が2Qの減損内訳です。

  • モザンビークの炭鉱事業Moatizeで▲156億円の減損等で合計▲183億円。
  • 機械インフラ関連で▲100億円(ここにもMoatize関連で▲39億円あり)。

炭鉱事業のMoatize関連だけで約▲200億円の減損損失が発生している状況ですね。

そしてこちらのスライドが前年同期(2,342億円)との当期利益(1,100億円)を要素別に分析したスライドです。

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  • 最大の減益要因は市況為替で▲470億円(内、石炭▲160億円、鉄鉱石+30億円)。
  • 次に大きな要因は減損損失の影響で▲420億円(Moatizeだけで今期▲250億円)。

資源の中でも石炭は減益、鉄鉱石はプラスと濃淡があることが分かりますね。

 

 

 

20年度年間業績予想&配当予想

三井物産の20年度年間業績予想です。今回、1点、業績予想の修正が入りましたよ。

  1. 基礎営業キャッシュフローを4,000億円から+800億円上方修正
  2. 当期利益は期初予想の1,800億円を据え置き。

この基礎営業キャッシュフロー+800億円の内訳は以下のスライドをご覧ください。

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  • 金属資源で+700億円。
  • エネルギーで+100億円。
  • 生活産業で▲100億円。
  • 次世代で+200億円。
  • その他で▲100億円。

金属資源エネルギーだけで+800億円ですね。主に鉄鉱石が絶好調に推移したことが要因のようです。一方の当期利益を据え置いた理由はこちらのスライドに記載があります。

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再度の減損をする可能性が高いことを匂わせています。

これの影響なのか、決算発表後に三井物産の株価は大きく売られていますね。

そして気になる株主還元についてのスライドがこちらになります。

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配当予想は80円/年で据え置きですね。三井物産は現在の中期経営計画期間である2023年3月期までは80円/年の配当を下限保証しています。そして余力出れば自社株買い発動することも言っていますので、この点は安心感ありますね。

尚、このあたりの株主還元の詳細については9月に行われた個人投資家向けセミナーで語られており、以下記事に纏めているので興味あれば御覧ください。

 

www.sogoshoshaman.com

 

  

最後に:進捗率は良好も更なる減損発生可能性大 

今回三井物産の20年度上半期の決算を見てきましたが、底は脱したのかなという印象を受ける一方で、更なる減損を匂わせている点には注意が必要ですね。

個人的にはキャッシュフローを上方修正させてきている点はかなりポジティブに捉えましたが、株式市場では不合格だったようで前日比▲6.32%と激しく叩き売られています。仮に減損が発生したとしても、来期以降の業績にはポジティブに働くことになるので、長期投資家はガチホで配当貰いながら気長に待つのが吉かもしれませんね。

 

 

ということで以上です!

 当ブログでは個別の銘柄について言及することがありますが、投資を推奨しているものではありません。投資は自己判断でお願いします。

今回も最後までお読み頂き有難うございました!

 

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