こんにちは!総合商社マンです!三井物産が個人投資家向け説明会を開催!業績見通しと株主還元方針について説明がありました!
三井物産が個人投資家向け説明会を開催(21/3/23)
三井物産が2021年3月23日に個人投資家向け会社説明会をオンライン上で開催しました。三井物産は個人投資家を比較的重視している傾向にあり、定期的に今回の様なオンラインでの個人投資家向け会社説明会を開催しています。今回の説明会でも冒頭で触れられていましたが、三井物産の株主に占める個人投資家比率は21%に昇るそうです。
ちなみに前回は2020年9月8日に開催していましたね(以下記事)。
今回の説明会については前回同様にIR部長の稲室氏(写真右下)がスピーカーとなっています。今回この記事ではその個人投資家向け会社説明会の説明内容で気になる「業績や株主還元方針」等の定量面ついてフォーカスして纏めてみたいと思いますよ!
また三井物産の最新の決算状況についても以下記事で過去に纏めていますので、興味がある方は以下記事から御覧ください!
それでは気になる定量的な部分を見ていきましょう!
※箇条書き部分が主に説明会でIR室長が発言したものです。
※生の声で説明を聞きたい場合は三井物産のIRページに後日掲載されると思います。
三井物産の強み:キャッシュフロー
今回のセミナーの中で三井物産の強みとして挙げられていたことで、キャッシュフローの創出力というものがありました。こちらのスライドをご覧ください。
ポイントを箇条書きします。
- 浮き沈みはあるものの、至って高水準のキャッシュフロー力がある。
- コロナ禍であっても基礎営業CFは20年3月期を上回る6,000億円。
- 6,000億円の内、金属・エネルギーだけで66%のキャッシュ創出がある。
金属・エネルギーの資源分野に相変わらず偏重している状況ではあるものの、このキャッシュフロー創出力は三井物産の魅力ですね。キャッシュフローが出ていないと配当も苦しくなりますからね。
業績見通し・株主還元
今期の業績見通しと株主還元について触れられていたので見てみます。
こちらのスライドをご覧ください。
ピンクが税後利益、青色の棒グラフが基礎営業キャッシュフローです。オレンジの折れ線グラフはROEですね。御覧の通り税後利益の浮き沈みがありますが、一方の基礎営業キャッシュフローは安定的に高水準で稼ぎ出しているのが分かります。
ポイントを箇条書きします。
- 今期は税後利益を期初予想の1,800億円から2,700億円に上方修正した。
- 鉄鉱石は需要側は減らなかったが供給側が問題があった。但し堅調に推移。
- 原油は昨年半ばから回復はじめ、足元はコロナ前に戻った。ただし、需要は航空向けは回復していない。供給側は産油国が生産抑えている点は懸念。
特段新しい情報はここでは無しですね。
続いて気になる株主還元に関してです。こちらのスライドをご覧ください。
- 基礎営業CFに応じて配当・自社株買いを決めている。
- 税後利益に対する配当性向は公式に出していないが、基礎営業CFに対する比率を出している(スライド上段灰色部分)。
- 自社株買いを2月下旬に発表。規模は500億円。今期と来期にまたがって行う。
- 引き続き総還元性向を高めていくことが目標。
ここについても特段新しい情報はありませんでしたが、後ほどの質疑応答で配当の「下限方針」について少し踏み込んだ説明があります。
質疑応答
今回の三井物産の説明会最後に質疑応答がありましたので、個人的に気になる部分のみ抜粋します。
①自社株買い及び増配について
質問:2月に自社株買い500億円を発表したが、来期以降の自社株買い及び増配について
- 3Q決算に4,800億円から6,000億円に引き上げ。コロナ禍は継続しているがそのため自社株買いを発表した。
全然質問の回答になっていなかったので笑いました。笑
②配当政策について
質問:累進配当ではなく下限保証としているのはなぜ?
- 配当は現在80円下限保証としている。
- 一方、競合他社が累進配当としていることは認識している。
- 累進配当については今後の導入検討も考えたいとは思っているが、足元の3年間の中期経営計画は昨年5月のコロナ禍の中での発表だったこともあり、まずは道筋を出すことに注力した。保守性をとったと言える。
- 現在の中期経営計画における3年後(2023年3月期)の目標は税後利益4,000億円、基礎営業5,500億円としている。
- 今期は基礎営業CF6,000億円の見込みで既に上回っていることから、保守性を重視。配当について下限を設定することで下回ることは無い姿勢をまずは見せたかった。
今後の状況次第では、三菱商事や伊藤忠商事のように累進配当方針を打ち出す可能性はありえそうな印象を受けました!
③バフェットの購入について
質問:バークシャーが株式購入したが、社内の反応は?
- 昨年8月末にバークシャーが5%以上の株式を保有発表。
- バークシャーと交信を続ける中で、非常に我々の活動をよく見ていることが分かってきた。
- 我々の経営には緊張が生まれているという効果がある。
特に真新しいコメントは無しですが、バフェットの購入が三井物産をはじめ、5大総合商社の株価にさらに良いインパクトを与えることを期待したいですね!
④来期の見通しについて
質問:資源価格が高止まり、コロナからの回復もあるが、来期の見通しは?
- 22年3月期の数字は現在まさに作りこんでいる。
- 2023年3月期基礎営業CF5,500億円、税後利益4,000億円に向けて着実に歩みを進める。
- 感覚的には歩みを進めている。中期経営計画の2年目にあたる来期については次回決算発表時に発表する。
「感覚的に」という言葉でしたが、増益基調であることを仄めかしている発言と受け取りましたので、来年の業績予想が今から楽しみですね!
最後に:個人投資家重視の姿勢は素晴らしい
今回三井物産が昨年の9月に続いてまた個人投資家向けの決算説明会を開催してくれましたが、三井物産の株主の実に21%が個人投資家になっていることから、それだけ個人投資家の重要性が高まっているということですね。
特に総合商社の事業内容は複雑多岐に渡るので、もちろんこうした決算説明会だけで内容を理解するのは不可能である一方、事業内容を理解してもらえるきっかけにはなると思うので、個人投資家を重視したこうした姿勢というのは素直に素晴らしいことだなと思います。
こちらは三井物産の週足の株価チャートです。
三井物産は最近自社株買いを発表したばかりで、株価も上場来高値を更新してきており波に乗っているので、今後の成長が楽しみですね!
尚、三井物産を含んだ私の最新のポートフォリオは月末月初に当ブログ内で公開しています。最新ポートフォリオは以下記事ですので、興味あれば御覧ください!
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ということで、以上になります!
当ブログでは個別の銘柄について言及することがありますが、投資を推奨しているものではありません。投資は自己判断でお願いします。
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