こんにちは!総合商社マンです!国内で上場している原油ETF3銘柄の特徴を見てみましょう!
日本国内の上場原油ETFは3銘柄
日本国内で上場している原油ETFは3銘柄あります。
- 1671: WTI原油価格連動型上場投信
- 1699: NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投資投信
- 1690: Wisdom Tree WTI原油上場投資信託
名前が長く、小難しい単語が含まれていて、一見この銘柄名だけ見ると難しそうな商品に見えますし、それぞれのETFの違いは名前だけ見ても正直分からないですよね。
ということで、今回はこの3つの銘柄の特徴や違いを見ていきたいと思います。
それぞれの違いを知っておかないといざ「原油に投資するぞ!」と思っても、どれを選べばいいのか困ってしまいますからね。
この日本国内で上場している原油ETF3銘柄の違いや特徴を知ることで、自分にはこの原油ETFがあっているなという選び方が出来ると思います。
原油ETF3銘柄の違い・特徴
国内で上場している原油ETF3銘柄の違いや特徴を簡単に下の表に纏めてみました。
色々違いはありますが、共通して言えるのはどれもWTI原油をベンチマークに置いています。各社表現が異なりますが、結局はWTIが指標となっています。
分かり易いのは1671と1699です。この二つは運営元のシンプレクスアセットマネージメント社、及び野村アセットマネージメント社が日々の開示情報で、現在どの限月の先物を組み込んでいるかを毎営業日に開示をしているので非常に透明性が高いです。
一方の1690のベンチマークは「Bloomberg Crude oil Subindex」というこれだけみても良く分からない指標を使っていますが、「円換算した米ドル建てWTI原油商品指数が対象のETF」と四季報には記載があるので、基本的にはWTI連動と理解すれば大きくずれないと思います。ただ、日々の開示情報が見当たらないので、何月限月で運用されているのかが不明となっています。
個別にもう少し詳しく特徴を見てみましょう。
1671: WTI原油価格連動型上場投信
特徴
- 日本で組成された原油ETFでは運用額最大
- いくつかの限月に分けてポートフォリオを組成
- 信託報酬手数料は0.85%と最も高い
1671WTI原油価格連動型上場投信はシンプレクス社が運用し、日本で組成されている原油ETFです。名前の通りWTI原油先物をベンチマークにした商品で、日本国内で組成されて運用されている原油ETFの中で運用額が最も大きいのがこの1671WTI原油ETFです。
先ほども触れましたが、シンプレクス社は現在何月限月の先物で運用しているのかを以下日経のサイトで営業日毎に開示しており、非常に透明性が高い商品ですね。
https://www.nikkei.com/nkd/company/?scode=1671
当ブログでも1671のポートフォリオの変化を随時追っているので興味あれば御覧頂ければと思いますが、1671は直近限月の先物だけではなく、いくつかの限月に分けてポートフォリオを組んでいます(例:8月30%、9月:40%、12月:30%)。
信託報酬費用は3つのETFの中で一番高く設定されていますが、運用額が一番大きく流動性が高い商品なので、安心感はあります。
1699: NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投資投信
特徴
- 野村が運用会社なので知名度は高い
- 信託報酬手数料は0.5%と3銘柄の中でも低水準
- 1671同様いくつかの限月に分けてポートフォリオを組成
1699:NEXT FUNDS NOMURA原油(通称:野村原油)はほぼ先ほど紹介した1699と似た商品です。ベンチマークを「NOMURA原油ロングインデックス」とあり、四季報とかにも「世界の原油先物を対象指数とする」と記載されていますが、少なくとも2020年6月現在、WTI原油先物で運用されています。
これまた1671同様に毎日の運用限月のポートフォリオが公表されており、透明性は高いですね。
https://nextfunds.jp/lineup/1699/
信託報酬が0.5%と1671よりも低く設定されているので、個人投資家には結構人気の銘柄ですし、運用会社が野村という点も知名度が高い理由だと思います。
1690: Wisdom Tree WTI原油上場投資信託
特徴
- 3銘柄の内、唯一海外で組成されたETF
- 信託手数料は0.49%と最も安い
- ただし、流動性が低く注意が必要
1690:Wisdom Tree WTI原油上場投資信託(通称:WTWTI原油)は3銘柄の中で唯一組成国が海外となっています。海外で組成したものを日本でも上場しているという意味ですね。
先ほども触れた通り、ベンチマークにBloomberg Crude oil Subindexという小難しい名前が明記されていますが、以下の商品説明ページを見に行くと分かる通り、100%WTI原油で運用さているのが分かります。
https://www.jpx.co.jp/equities/products/etfs/issues/files/1690-j.pdf
私が調べた限り、他の2銘柄とは異なり、何月限月の先物で運用されているのかの開示情報はありませんでしたので、他の二つより透明性が低いように感じます。
信託報酬手数料は3銘柄の中で最安値の0.49%で設定されいますが、他の二つと比べて出来高が小さいので流動性が低く注意が必要です。
その他原油関連商品
上記3銘柄以外にも実は原油関連商品はありますのでさらっと紹介します。
- 2028:NEXT NOTES日経TOCOM原油ダブル・ブルETN
- 2039:NEXT NOTES日経TOCOM原油ベアETN
これはETFではなく、あくまでETNです。
基本的にETFは裏付けとなる資産があるので組成会社が倒産しても投資した資産は守られますが、ETNは特定の金融機関の信用で発行されたNote(債券)なので、その金融機関が倒産すると下落もしくは紙屑となる危険性があるので注意が必要です。
2038:NEXT NOTES日経TOCOM原油ダブル・ブルETN
名前の通り原油先物が1%上がると2%上昇、1%下がると2%下落というように実際の原油先物価格の2倍の値動きとなる商品です。
2039:NEXT NOTES日経TOCOM原油ベアETN
名前の通り、実際の原油価格先物とは逆の動きをするインバース型商品です。レバレッジはかかっていませんので原油先物が1%上昇すると、このETNは1%下落、1%下落するとこのETNは1%上昇するといった値動きになります。
最後に:原油ETFの運用方法は過渡期にあると思われる
今回、日本国内上場の原油ETFを紹介しましたが、この原油ETFは昨今の原油価格マイナス転落という事象に見舞われたこともあり、運用会社が運用方針を改めて構築する過渡期にあるのではと私は考えています。
というのも、従来は日々のポートポートフォリオ開示はしておらず、その理由はおそらく過去は直近限月の先物でのみ運用が行われていたため必要なかったということだと思われます。
しかしながら、原油先物価格が2020年4月にマイナスとなったこともあり、直近限月の先物だけで運用をしていると純資産額がマイナスとなり得るリスクが露呈したため、急遽いくつかの限月に分けて運用するスタイルが2020年4月から開始されたのでしょう。その結果、透明性が求められ毎日のポートフォリオを公開することになったのだと思います。
さて、そうなってくると、この原油ETFのロールオーバーが今後どのように行われていくのかという点が、この商品を運用するにあたって重要になってきますね。
私は毎日1671と1699の日々のポートフォリオを追いかけていますので、数カ月観測し続けると、各社のロールオーバーのタイミングというのが見えてくるのかなと考えています。
ちなみに今回紹介したのは国内ETFです。これ以外にも日本では上場していない海外ETFもあったりしますよ。有名なやつでいうとUSOとかね。実はこれが世界最大規模の原油ETFです。証券会社によっては取り扱っているところもあるようですが、あくまでこれは海外で上場しているETFですので取り違えないようにご注意ください。
ということで、今回は以上になります!
今回紹介した情報は筆者が各社のホームページから取ってきた情報ですが、あくまで投資をするに当たってはご自身で最新の情報を確認するようにしてください。また、本記事は今回紹介した商品への投資をすすめるものではありません。投資は自己責任でお願いします。
今回も最後までお読み頂き有難うございました!!
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