「すかいらーく」が2020年第1四半期決算を発表
「すかいらーく」が5/21に2020年第1四半期決算を行いました。「すかいらーく」は12月期決算会社なので、このタイミングで1Qの決算発表となっています。「すかいらーく」は常に株主優待ランキング上位に顔を出す優待銘柄ですので、「すかいらーく」の株を保有する個人株主の方は多く、業績がどうなるか気になりますよね。早速決算の内容を見ていきましょう!※ちなみに私はノンホルです。
2020年第1四半期決算
「すかいらーく」の2020年第1四半期決算の業績を見ていきましょう。
損益計算書
損益計算書のハイライトはこちらのスライドです。
先ほども言ったようにすかいらーくは12月決算会社ですので、この1Qは2020年1月~3月実績です。そのため1Qの前半はまだコロナの影響が出ておらず、2月以降から徐々にコロナの影響が出たということになります。そのため売上高は前年比▲7.6%とそこまで大きく落ち込んでいないのが分かりますね。
一方の営業利益の減少は凄まじく、前年比▲55億円(▲99.3%)と急減しており、ぎりぎり赤字を免れたという状況になっています。この営業利益の減少要因はこちらのスライドに纏まっていますので御覧ください。
理由は超シンプルで営業利益全体の▲55億円減の内、左から2番目の部分、客数減による利益減少だけで▲45億円を占めています。先ほど売り上げは▲7.6%減となっていましたが、それだけで営業利益がほぼ全て吹き飛んでいるわけです。如何に固定費が高いビジネスとなっているのかがこれで分かります。
実は「すかいらーく」は今回のコロナショックが発生する前から業績の雲行きが既に怪しくなりつつありました。こちらはヤフーファインスに掲載されていた2012年以降の売上高、営業利益の推移になります。
御覧の通り、売上高は新規出店等で右肩で伸びている一方、営業利益は2016年をピークに右肩下がりで下がっています。ここには記載されていませんが経常利益、当期利益も営業利益とほぼ同じ動きです。
そうなのです。「すかいらーく」は飲食業界の競争激化や人手不足による人件費の上昇、消費増税、禁煙化等もあり、赤字にはなっていなかったものの、既に利益が出しにくい体質となっていたのです。そこに今回のコロナショックが発生したという「泣きっ面に蜂」という状況なのですね。
財務状況
「すかいらーく」の財務状況はどうでしょうか。こちらのスライドに纏まっています。
流動資産が344億円あり、ここには記載ありませんが内、190億円が手元現金です。このコロナの状況を鑑みて、手元現金を厚くし運転資金を確保するために銀行とコミットメントラインを締結しています。コミットメントラインというのは簡単に言うと銀行から借入枠を設定してもらって、必要になったらその枠の範囲内でお金を銀行からいつでも融資してもらえるというものです。今回みずほ、三菱UFJ、三井住友の3行からシンジケートで400億円設定してもらっています。これでしばらくの運転資金は確保出来ているようです。
自己資本比率もまだ28.7%あるので、現時点ではそれほど財務状況は傷んでいないようですね。ただし、今後コロナショックの影響次第では一気に財務状況が悪化していく可能性は高そうです。
2020年12月期年間見通しは?
「すかいらーく」の2020年12月期年間見通しはどうなっているでしょうか。今回の1Q決算発表に合わせて、業績及び配当の修正を行いました。
赤枠部分が通期見通しの説明になりますが、
- 通期の業績予想は未定
- 配当は中間は無配に変更、期末は未定に変更
の2点です。もう少し具体的に見てみましょう。
まず通期の業績予想の変更内容はこちらです。
御覧の通り、期初の2020年12月業績予想は税後利益100億円の黒字でしたが、それを未定としました。※売上、営業利益等も全て未定に変更。
そしてこちらが配当予想の変更内容です。
期初に発表した際は中間配当9円、期末配当10円の合計19円を予定していましたが、今回中間配当を無配、期末配当を未定と変更しています。うーん、厳しいですね。。。
株主優待はどうなる?
株主優待はどうなるのか、大丈夫なのか?これが個人株主の一番の懸案事項でしょう。これについては配当予想修正のプレスリリースにさくっと触れられています。
赤枠部分ですが「現時点で今期の株主優待制度を変更する予定はございません」とあり、少なくとも今期は継続をしてくれるようです。良かったですね!
これは個人的な意見ですが、こういうB to Cのビジネスで株主優待を改悪してしまうと顧客離れを引き起こしかねないので可能な限り継続することになるのではと思っています。
そして何より企業側にとっては株主優待というのはコスパがいいですからね。というのは、例えば優待券3,000円分といっても、店側は原価やその他コストしか実際はかからないので、例えば2,000円のコストで3,000円の優待券を発行出来るわけです。顧客のリピートにも繋げられる広告宣伝的な役割もあるので、ぜひ「すかいらーく」には優待を今後も継続して欲しいですね。
ちなみに「すかいらーく」の株主優待内容はこちらです。
100株から年間6,000円分(3,000円×年2回)の食事券を獲得できます。しかも株数が増えても優待内容が充実するのが良いですね!
「すかいらーく」の株価動向
「すかいらーく」の株価動向を見てみましょう。
こちらは2019年1月からの週足チャートです。
株価は消費増税等の悪影響とは裏腹に以外と堅調に2019年12月頃までは上昇をしていましたが、そこをピークにコロナの影響で大暴落。4月には年初来安値となる1,350円を付け、その後ひとまず反発し現在1,700円台での推移となっています。
緊急事態宣言解除と少しずつコロナからの回復期待で株価は反発していますが、今後の動向は注目ですね。
これは私の個人的な意見ですが、飲食店はコロナが収まってもしばらくは厳しいのかなと思っています。というのは、店内でのソーシャルディスタンスを確保するために、店内の座席をフル稼働させられない可能性があるからです。
例えば繁忙期の昼食時間や夕食時間帯に本来なら満席稼働出来るところを、数十%未稼働とせざるを得なくなったらその分売上減りますよね。特に「すかいらーく」は固定費が高いということが分かったので、その売り上げ減は非常に手痛いことは想像に難くありません。
代わりにデリバリーサービスを成長させる必要があると思いますが、現時点でデリバリーの売上高は全体の7%程度なので、これの迅速な成長が必要でしょうね。
最後に:株主優待は魅力だけど業績は不安
如何でしたでしょうか?やっぱり「すかいらーく」の株主優待は非常に魅力的ですが、利益が出にくい体質になってしまっているのは非常に気になります。ただ相応に株価は下がっているので株主優待をもらって好きな「すかいらーくグループ」のレストランで優待を楽しみながら株価回復を待つというのもありかもしれませんね!ちなみに次回株主優待の権利確定は6月末ですよ!
ちなみに、この記事書いて株主優待の内容見てたら株価次第では買いたくなってきました。笑 海外駐在終わって日本帰ったら買おうかな、、いつ帰れるかしらんけど。。。笑
最後にどうでもいいことをぼやいてしまいましたが、今回は株主優待人気銘柄の「すかいらーく」の業績を紹介させて頂きました!
今回は以上になります。投資は自己責任でお願いします!
最後までお読み頂き有難うございました!!
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