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【総合商社】総資産&ROAランキングから見る7大商社の特徴

こんにちは!総合商社マンです!今回は総合商社各社の総資産から各社の特徴を見てみたいと思います!

 

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総資産とは

「総資産」と言われたら皆さんどのような説明をするでしょうか。今回総合商社各社の総資産に焦点を当てて、総合商社各社の特徴を見ていきたいと思いますが、「総資産って何?」と思う方もいるかもしれませんので簡単に説明しておきましょう。総資産とは超簡単に言うと以下の様なものです。

 

その会社が持っている資産(現金や在庫、売掛金といった流動資産や、建物や特許、子会社の株といった投資有価証券等の固定資産)を全て合計した金額のこと。バランスシートの左側(借方ってやつですね)の合計値がこれにあたります。 

ふーん、って感じかもしれませんが(笑)語弊を恐れずにいうと、この資産は利益の源泉です。こう言うと資産はデカければデカいほど良いように感じるかもしれませんが、そうではなくて「質の良い資産」を多く持つことが大事なわけですね。質が悪けりゃ利益も出ませんからね。減損も発生します。

ですので今回2020年3月末の総合商社各社の総資産をランキングしつつ、その資産の質がどうなのか、という点も交えながら考察していきたいと思いますよ。

勘が良い人はお気づきかもしれませんが、「総資産の質」についてはROA(Return On Asset)で見ていきます。要は「その総資産を使っていくら利益出せてるんですか?」という指標ですね。利益も2020年3月期ベースで計算していますよ。

ということで早速見ていきましょう!

 

総合商社総資産ランキング(2020年3月末)

総合商社の2020年3月末時点の総資産ランキングです。総資産が多い順に並べた上で、一番右側にROAも表示させてみました。まずは総資産にフォーカスします。

 

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まず総資産にフォーカスしてポイントを箇条書きしてみます。

  •  三菱商事が貫禄の18兆円と2位以下をダントツ引き離し1位に君臨。
  • 続いて三井物産が三菱には大きく離されるも11.8兆円と2位に君臨。
  • 業績2位の伊藤忠商事が10.9兆円で3番手にランクイン。ここまでが総資産10兆円超えクラブ。
  • 続いて住友商事が8.1兆円で4位、丸紅が6.3兆円で5番手。ここまで総資産5兆円超えクラブ。
  • 豊田通商が4.5兆円で6位、双日が2.2兆円で7番手という順番。

こんな感じ。三菱商事の総資産のデカさが際立ちますね。2位の物産の約1.5倍の規模でダントツです。一方7番手の双日は2.2兆円と三菱商事の1/8の規模と、総合商社といっても結構規模感に差があることが総資産を見ても分かりますね。

 

総合商社ROAランキング(2020年3月末)

総合商社のROAランキングです。つまり、この「総資産の質」にフォーカスしてみましょう。さっきの表の使いまわしですが、表の一番右側、赤枠で囲った部分に記載があります。上位3社に金・銀・銅の王冠を付しています。

 

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ポイントを箇条書きしてみましょう。

  • 総資産絶対額とは打って変わって1位は伊藤忠商事の4.59%。これまた2位を引き離してダントツ。4%を超えているのは伊藤忠だけ。
  • 2位は総資産額でも2番手だった三井物産で3.32%。3%台も三井物産だけ。
  • 3位は2.98%の豊田通商がランクイン。
  • そして4番手に総資産額トップだった三菱商事が2.97%でランクイン。0.1%の差で3位を逃す。
  • 続いて、双日が5番手の2.73%、6番手に住友商事が2.1%でランクイン。
  • 丸紅は赤字なのでROAはマイナスで最下位。

こんな感じ。

注目ポイントは赤字の部分で、総資産では3番手だった伊藤忠がROAでは1位に君臨する一方、総資産額1位だった三菱商事はROAでは4位となってしまっている点です。

 

これを見てどう思うかは人それぞれだと思いますが私がどう感じたかを最後に纏めてみたいと思います。

 

私見:伊藤忠の効率性凄いが、三菱商事のポテンシャルも凄い

最後に私見を述べたいと思います。完全に私見ですので、ご容赦ください。

今回総合商社の総資産とROAを見てみましたが、正直伊藤忠商事のROAには脱帽です。だって総資産が

三菱商事:18.0兆円 VS 伊藤忠:10.9兆円 

という差にも関わらず当期純利益は

三菱商事:5,354億円 VS 伊藤忠:5,013億円

と互角に戦っているわけですからね。しかも2020年度に限っては伊藤忠利益予想4,000億円に対し、三菱商事2,000億円と打ち負かしてしまっています。ほんとに凄いと思います。ま、さすがの伊藤忠も今期は利益予想4,000億円なのでROAは4%を下回る可能性が高いですが、それでも3%台を維持してくるのでしょう。凄いです。

一方で、私は三菱商事の総資産額も凄いと思っています。資産を増やすにはそれなりの会社の信用力と、長い時間が必要というのも事実です。信用の無い会社が一気に投資して資産増やすために銀行借入起こそうとしても、そんな簡単に銀行がお金を貸してくれるわけでは無いですし、そんなうまい投資案件がゴロゴロ転がっているわけでもないです。

そういう意味では、この三菱商事の総資産の圧倒的デカさには三菱商事の凄さを感じます。もちろん課題はあります。「言うは易し」は百も承知ですが、三菱商事もROAを高める必要あります。仮に効率性を上げてこの資産額で伊藤忠と同じROAを達成出来たとすると、当期純利益は8,286億円です。笑 (←安易)

ま、ビジネスモデルが異なるのですぐには無理だと思いますが、私はこの三菱商事の総資産額の凄さに勝手に惹かれています(異論反論あると思いますが、あくまで私の私見です)。是非とも三菱商事にはこの資産をより有効運用して頂き、業界首位を奪取してもらいたいものです。

しかし7大商社とか言っておきながら最後のまとめが 三菱と伊藤忠にフォーカスしていてすみません。笑 各社切磋琢磨しながら成長していくことを期待しています!(←案の定他人事)

ということで今回は以上です!

 

尚、従業員数から見た総合商社各社の特徴まとめ記事は以下です。

 

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総合商社の最新決算記事は以下です。

 

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また、決算書の読み方を勉強したいと思われている方にはこちらの本がおススメです。

 

 

堅苦しくなく、決算書の読み方全然分かりません!という方から、かじったことはあるけど改めて理解したいという初心者~中級者の方向けの本です。私自身も今更ながら改めて読むと頭の整理に繋がって非常に良書でした!

また、三菱商事を例に挙げて企業分析方法を学べる現役銀行員のたりたり社長という方が書いた良書もありおススメです。 

 

 

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