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【総合商社】中期経営計画(中計)/定量面まとめ【2023年最新】

こんにちは!総合商社マンです!総合商社各社の中期経営計画(戦略)をまとめてみましょう!

 

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中期経営計画(戦略)とは?

中期経営計画(戦略)とは?なんだそれ?と思う方もいるかもしれませんので簡単に説明しますね。中期経営計画(戦略)というのは、文字通り中期という少し長い期間で見た経営計画です。総合商社の場合は3カ年でこの中期経営計画(戦略)というものを策定して発表しています。(戦略)と付けているのは会社によって中期経営計画と呼んだり、中期経営戦略と呼んだりするのでこのように記載しましたが、一般的に中期経営計画という呼称が使われるので、以降は当記事では中期経営計画(中計)と呼ぶことにします。

基本的に総合商社各社は1年毎の業績予想を短期経営計画として期初に発表し、それに加えて3年ごとに中期経営計画を策定して発表しています。

中期経営計画のほうが期間が長いですので、中期経営計画が要は大方針、そしてその中期経営計画をベースに毎年の予算を作成していくという流れ、と言えば分かり易いでしょうか。年初に当期の業績予想を出すのが短期経営計画と呼ばれたりするものです。

各社中期経営計画の発表年はばらばらですので、総合商社各社の中計がいつ発表されたもので、今その何年目にいるのかというのを一覧出来たら便利かなと思い、この記事を書くことにしました。かくいう私もいちいち各社の中計が何年目なのかよく分からなくなり混乱するので自分の頭の整理のためでもあります。笑

ということで各社の中期経営計画を以下の定量面にフォーカスして見て行き、最後に一覧で表で纏めていきたいと思います!

  • 中計発表日
  • 対象期間
  • 税後定量目標(最終年度)
  • 株主還元目標(最終年度)

  ※本記事に掲載されているスライドは総合商社各社のIRページ資料からの抜粋です。

三菱商事の中期経営戦略

三菱商事中期経営戦略1



三菱商事の中期経営戦略を見てみましょう。冒頭中期経営計画に統一するといっておきながら早速中期経営戦略と記載していてなんともですが、この三菱商事のみが中期経営計画という言葉を使わずに中期経営戦略と呼んでいます。三菱商事は2022年5月に現在の中期経営戦略を発表しています。

こちらが現在の三菱商事の中期経営戦略の定量スライドです。

三菱商事中期経営戦略2

 

  • 中計発表日:2022年5月10日
  • 対象期間:2022年度~2024年度
  • 税後定量目標:8,000億円
  • 株主還元目標:総還元性向30~40%、累進配当、自社株買い

三菱商事の2021年度の連結利益は9,375億円だったので、今回の中計の利益目標はそれを下回る水準になっていることが分かります。ただし、スライドを見てもらうと分かるように8,000億円から上の部分が薄い網掛けになっており、そこのアップサイドを狙いにいくという目標です。

また配当性向は出さずに、総還元性向として30~40%という目標を掲げています。従来は配当性向で提示していましたが、業績悪化も見込まれる中で、配当のみならず自社株買いで一部還元対応することで、減配をしない累進配当を目指すということと私は理解しました。

尚、2022年度の会社公表の利益予想は8,500億円ですが、既にコンセンサスは1.1兆円程度が見込まれており、2022年度に限ってみれば過去最高益更新が期待されていますよ。

 

伊藤忠商事の中期経営計画

伊藤忠商事中計2023

 

伊藤忠商事の中期経営計画を見てみます。伊藤忠は2021年5月10日23年度を最終年度とする中期経営計画Brand-new Deal 2023を発表しました。

伊藤忠は前の中期経営計画は2018年度~2020年度を対象とした3カ年の中期経営計画を進めていましたが、19年度で既に本中期経営計画達成したということで前倒しで終了、20年度はコロナ禍ということで1年のみの単年計画となっていました。そして今回21年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画を発表したという流れです。

その新中計の定量面に関するスライドがこちらです。

伊藤忠商事中計2023-1

伊藤忠商事中計2023-2



  • 発表日:2021年5月10日
  • 対象期間:2021年度~2023年度
  • 税後定量目標:6,000億円
  • 株主還元目標:21年度94円下限、以降増配し100円を目指し、自社株買いも。

このの中計で税後利益6,000億円を目指すことを発表しましたが、2021年度決算では8,202億円という利益を叩き出し、前倒しで大幅に目標を達成しています。尚、2022年度の業績予想は7,000億円と減益見込みです。

 

三井物産の中期経営計画

三井物産中期経営計画2026-1

三井物産の中期経営計画を見てみましょう。三井物産は2023年5月に2026年3月期を最後とする中期経営計画を発表しています。まず定量目標。

三井物産中期経営計画2026-2


そしてこちらが株主還元に関するスライド。

三井物産中期経営計画2026-3
  • 発表日:2023年5月2日
  • 対象期間:2023年度~2025年度
  • 税後定量目標:9,200億円
  • 株主還元目標:配当150円下限(累進配当)、自社株買い、ROE12%超

三菱商事、伊藤忠商事、丸紅に続いて「累進配当」宣言をしましたね。今までは配当下限保証という言い方でしたが、今回から「配当維持または増配」する累進配当政策に舵を切りました。

また、利益面は最終年度に9,200億円を目指すことを発表しています。2022年度の利益が11,306億円と総合商社初の1兆円超えを達成したことを鑑みると減益の目標ですが、22年度は円安・資源価格高騰の追い風ビュンビュンだったことを考えると止む無しですね。

 

住友商事の中期経営計画


住友商事の中期経営計画を見てみましょう。住友商事の中期経営計画は2021年5月7日に公表されたもので、23年度が最終年度となっています。こちらが中計における定量目標のスライドです。

住友商事中期経営計画2023

 

  • 発表日:2021年5月7日
  • 対象期間:2021年度~2023年度
  • 税後定量目標:最終年度3,000億円以上
  • 株主還元目標:配当性向30%程度(基本配当70円/年)

住友商事は特に累進配当や配当下限保証は掲げていませんが、一応70円を基本として更なる増配を目指すという方針です。

中計目標は3,000億円ですが、2021年度の住友商事の連結純利益は4,637億円と大幅に下達する形で前倒しで達成しています。尚、2022年度の会社業績予想は3,700億円と減益見込みです。

 

丸紅の中期経営戦略

丸紅中期経営戦略GC2024-1

丸紅の中期経営戦略を見てみましょう。丸紅は2021年度第3四半期決算を発表した2022年2月3日2022年度から始まる中期経営戦略GC2024を発表しました。

こちらが定量目標スライドです。

丸紅中期経営戦略GC2024定量目標

最終年度の2024年度に4,000億円という目標ですね。2021年度の丸紅の連結純利益は4,243億円だったので、そこから減益する見込みの中計になっています。裏を返せば、2021年度決算は出来過ぎで、その影響がなくなっても4,000億円の利益を出せるような体制にしていくとも言えますね。

そしてこちらが株主還元方針に関するスライドです。

丸紅中期経営戦略GC2024株主還元

配当性向25%以上、配当金を3ヵ年下限設定(具体的な配当金額は次回2021年度期末決算時に公表予定)、そして、機動的な自社株買いをするというものですね。

従来、丸紅の配当は、期初に公表する配当金を下限保証するというものでしたが、今回は3年間分を先に公表し、それを下限にするということなので、一歩踏み込んだ株主還元になったということです。

以上を纏めると以下になります。

  • 発表日:2022年2月3日
  • 対象期間:2022年度~2024年度
  • 税後定量目標:4,000億円
  • 株主還元目標:配当性向25%以上(3ヵ年下限保証)
  • 自社株買い:機動的に対応

 

豊田通商の中期経営計画

 

豊田通商中期経営計画2024



豊田通商の中期経営計画を見てみましょう。豊田通商は本来2020年4月に2023年3月期までの中期経営計画を公表予定としていましたが、コロナ禍の影響で算出不可として見送りをし、2021年5月に2024年3月期の中期経営計画を発表しました。

利益に関する定量面に関するスライドがこちらです。

豊田通商中期経営計画2024-1

 

税後利益を最終年度となる2024年3月期に1,800億円にまで成長する絵を書いています。

2021年度の豊田通商の連結純利益は2,222億円でしたので、減益見込みの中計になります。丸紅と同じですね。

そして株主還元に関するスライドがこちらです。

豊田通商中期経営計画2024-2

 

24年3月期の具体的な配当額については触れられていませんが、安定的な増配と配当性向25%以上を掲げていますね。

ということで纏めると以下になります。

 

  • 発表日:2021年5月6日
  • 対象期間:2021年度~2023年度
  • 税後定量目標:1,800億円
  • 株主還元目標:配当性向25%以上

 

双日の中期経営計画

双日の中経営計画2023-1

双日の中期経営計画を見てみましょう。双日の現中計は2021年4月30日に公表されたもので期間は2021年度~2023年度です。その定量目標スライドがこちらです。

双日の中経営計画2023-2定量面


 

  • ROE10%超え
  • 当期利益650億円程度
  • 基礎的営業CF800億円程度
  • 配当性向30%程度(下限配当設定)

前回の中計では税後利益750億円以上としていましたが、今回は3ヵ年平均で650億円程度という目標に変更されています。つまり3年間で1,950億円の利益を目標にしているということですね。既に発表済の21年度連結純利益は823億円でしたので、それを下回る中計目標となっています。

 

そして株主還元についても見ておきます。こちらのスライドです。

双日の中経営計画2023-2株主還元

 

  • 配当性向30%程度を基本
  • 下限配当を設定(PBR1倍までは時価DOE4%、PBR1倍到達後は簿価DOE4%)

 

ま、分かりにくい配当下限ルールに見えますが、要は前者については年間平均株価に対し配当利回り4%を下限保証するというものです。ちなみに双日のPBRはこの記事を書いている2021年4月30日終値時点で0.68倍なので、株価があと30%以上上昇してくれれば1倍超えが見えてくる状況であり、それを目指すというのが今回の中期経営計画ですね。

 

総合商社の中期経営計画まとめ

総合商社各社の中期経営計画を見て来ましたが、最後に以下の表で纏めました。

総合商社中期経営計画まとめ

※筆者作成資料

  • 23年度が中計最終年度:伊藤忠商事、住友商事、豊田通商、双日
  • 24年度が中計最終年度:三菱商事、丸紅
  • 25年度が中計最終年度:三井物産

 

今回見たのは中期経営計画の定量面だけです。中計資料には各社がどういった方向に進もうとしているのか具体的な戦略が色々と散りばめられていますので、一度目を通してみてみると面白いですよ!総合商社各社のIRページに掲載されています。

 

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ということで、以上になります!

当ブログでは個別の銘柄について言及することがありますが、投資を推奨しているものではありません。投資は自己判断でお願いします。

今回も最後までお読み頂き有難うございました!