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【総合商社】20年度第1四半期決算発表直前!業績予想おさらい

こんにちは!総合商社マンです!もうすぐ総合商社各社の20年度第1四半期決算です!今期の業績予想をおさらいしておきましょう!

 

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総合商社各社の決算発表スケジュール

総合商社の2020年度第1四半期決算発表が近づいてきました。総合商社各社の決算発表スケジュールは以下の通りです。

 

 

御覧の通り、トップバッターは三井物産の7/31(金)13:30の場中の決算発表で、それを皮切りに8/13(木)の三菱商事の決算発表と、2週間に渡り怒涛の決算発表ウイークとなります。

この記事では決算発表直前ということで、総合商社各社が公表している今期の業績予想及び配当予想をおさらいしていきたいと思います! 

 

総合商社の2020年度業績予想

 総合商社各社の2020年度業績予想をおさらいしておきましょう。こちらのテーブルに纏めました。

 

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今期の業績予想順に並べています。この記事を書いている時点で三菱商事及び住友商事が業績予想を出していない状況ですね。以下で個別に触れていきます。

 

伊藤忠商事

今期業績予想を出している中でトップは伊藤忠商事の4,000億円です。前年比▲20.2%減益という規模感で、コロナの状況の中とあっては比較的持ち応えているという印象でしょうか。7/20付けの日刊工業新聞の記事で鈴木社長は「おおむね計画通りに推移している」と発言をしていることから、酷い決算は出てこないような印象を受けます。ただし、米中摩擦の激化によるCITICへの投資は引き続き懸念事項です。

伊藤忠商事は先日ファミマTOBを発表したばかりですので(詳細は以下記事)、今回の決算発表で何が語られるのかは注目ですね!

  

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三井物産

伊藤忠の次に位置するのが三井物産の1,800億円になります。前年が3,915億円でしたので前年比では▲54%と減益率が一番大きいのが三井物産です。ただし、三井物産の決算で注目したいのは今期業績予想でのエネルギーセグメントの利益をゼロに置いているところです。まだコロナ収束は見えない状況ながらも、5月の原油価格マイナス転落の頃に比べればだいぶ落ち着きを取り戻し始めていますので、それがどう決算に影響を与えてくるのかは注目に値します。この第1四半期決算の内容如何では第2四半期以降での上方修正の期待も高まるのではと個人的に思っているので、注目しています。

 

丸紅

続いて丸紅が1,000億円の業績予想を出しています。丸紅は昨年の2019年度決算で総合商社の中で唯一赤字転落、しかも巨額の赤字計上ということで世間を賑わせたのは記憶に新しいですね。今期は黒字転換なのでV字回復のように見えますが、丸紅は2016年:1,554億円、2017年:2,113億円、2018年:2,306億円と業績推移してきた中での今期1,000億円ですので、回復と呼ぶには少し物足りないかなという印象です。

ただし、丸紅は今期の業績予想の前提とするWTI原油価格を20ドルと、総合商社の中では最も低く見積もっています。三菱商事、三井物産ほど資源ビジネスは大きくないものの、この保守的な前提が今期業績にどう影響してくるのかは注目したいところです。

 

豊田通商

続いて豊田通商が800億円という業績予想を出しています。前年は1,356億円とコロナ禍の中で過去最高益を叩き出した豊田通商でしたが、今期は前年比▲41%と三井物産に次ぐ大幅減益予想です。豊田通商は総合商社の中では唯一持ち分連結を「されている」商社ですが、持ち分連結をしているのは言わずもがなトヨタ自動車ですので、トヨタ関連の自動車ビジネス復活に掛かっているところが大きいですね。自動車業界もコロナ禍でかなりやられているようなので、第1四半期の業績予想がどの程度なのか注目です。

 

双日

業績予想を出している中では最後に位置するのが双日の400億円です。双日は前年が608億円という実績でしたが、それに対して▲34.2%減益という規模感です。この今期の400億円という業績予想ですが、これは「世界的な経済活動停止が6月まで続く前提」と公表しています。足元の状況を見ると判断が難しいところですが、7月時点で経済活動停止とまではいっていない状況にも見えるので、この400億円の達成がどうなるのか、この前提に対する改めての説明が期待されます。

  

上記5社が今期業績予想発表済の商社になります。そして業績予想を出していないのが三菱商事、住友商事の2社です。

 

三菱商事

総合商社王者の三菱商事は今期業績予想をいまだに公表していません。2019年度は期初予算の6,000億円は未達だったものの、前評判を覆し5,354億円を叩き出し総合商社王者の貫禄を見せつけましたね。垣内社長は株主総会で今期業績予想については「第1四半期の結果を良く見させて頂いて今年度の状況を見通したい」と言っていますので、恐らく今回の第1四半期決算発表のタイミングで業績予想を出してくるのではと個人的に思っています。

また、垣内社長は2015年度に三菱商事が▲1,494億円の赤字転落となった時に、「今度首位に返り咲いたら二度と譲らない」とまで公言しています。果たして伊藤忠の4,000億円を超える業績予想を出すことが出来るのか(そもそもこのタイミングで出すのか)、注目ですね。

もう一点、先日三菱商事は伊藤忠商事に株価も時価総額も追い抜かれてしまいました。総合商社の雄と言われている三菱商事がこのまま後塵を拝していていいわけがありません。そのため株価対策としての自社株買いの発動を個人的に期待しています。

 

住友商事

住友商事も今期業績予想を出していません。というか今期の業績予想を出す前に▲550億円の巨額減損を7/20に発表してしまいました(詳しくは以下記事)。

 

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業績予想を出していなかったので下振れも何もないのですが、下手すると業界4位からの転落もあり得るのか?という懸念があります。住友商事はよく「石橋を叩いても渡らない」と言われるくらい保守的なカラーの企業でしたが、ここ最近はむしろ「石橋を叩きすぎて石橋を自分で壊してから渡り始める」というような印象を受ける巨額損失を定期的に出しているイメージです。今回の決算発表でどんな業績予想を出してくるのか(出せるのか?)、そして総合商社4位の座を守ることが出来るのか、注目です。

 

総合商社各社の配当予想

総合商社各社の今期配当予想も見ておきましょう。この記事を書いている時点では以下の通りとなっています。

 

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先ほどと打って変わって今期業績予想を出していない三菱商事、住友商事も配当予想だけは先に出しています。業績予想は出していないので配当性向は未定となっていますが。そして今期業績予想を既に出している双日だけが、今期の配当予想を現時点で未定としている状況です。

注目すべきはこのコロナ禍にあっても三菱商事、伊藤忠商事は累進配当を継続、三井物産は5月に発表した新中期経営計画で2023年3月期までは毎年80円の配当を下限保証しているところです。

配当は体力のあるところは増配・維持出来ますが、体力がないところはすぐに減配となりますので、総合商社の中でも体力ある側と無い側の二極化が進んでいるように感じますね。尚、先日巨額減損を発表した住友商事は今期の配当予想を据え置きました。

 

終わりに:1Qの進捗率に注目したい

間もなく第1四半期決算発表となる総合商社各社の今期業績予想をおさらいしましたが、今回の1Q決算で個人的に注目したいのは年間業績予想に対する進捗率です。

今後のことは分かりませんが、恐らくコロナショックの影響を最も受けたのがこの1Q決算の可能性が高いでしょう。ですので、この1Qでそこそこの数字を出してきたところは結構安心感あるかなと思うからです。※ただし資源関連は少し時間を置いて決算に影響出たりもするので注意は必要ですが。

そこで単純計算ですが、この1Q決算で一つのターゲットとなるのが進捗率25%ですね。これを1Qで超えてたら結構すごいですが、さすがに難しいかな。各社の業績予想に対する進捗率25%は以下になります。

 

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もちろん三菱商事、住友商事の今期業績予想発表も大注目です!

今回の決算発表は結構各社日程にばらつきがあるので、決算速報記事を書いている私にとっては睡眠時間確保出来て有難い限りです。笑

改めて、総合商社の決算発表スケジュールは以下の通りですよ。

 

総合商社株に全力投資をして(反省中)、且つ決算記事を書くことを趣味としている私は今から決算発表ウイークが楽しみで仕方がありません。笑 

尚、決算書の読み方を勉強したいと思われている方にはこちらの本がおススメです。

 

 

堅苦しくなく、決算書の読み方全然分かりません!という方から、かじったことはあるけど改めて理解したいという初心者~中級者の方向けの本です。私自身も今更ながら改めて読むと頭の整理に繋がって非常に良書でした!

中級者以上だとこちらの本が個人的におすすめかな。 

 

 

先に紹介した本よりはもう少し踏み込んでいて、尚且つ読みやすい良書です!

  

ということで今回は以上です!当ブログでは個別の銘柄について言及することがありますが、投資を推奨しているものではありません。投資は自己判断でお願いします。

今回も最後までお読み頂き有難うございました!

 

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