こんにちは!総合商社マンです!総合商社各社の2020年度1Q決算が出揃ったよ!!コロナの影響や如何に!?
総合商社の2020年度1Qの決算まとめ
7大総合商社の2020年度1Qの決算まとめです。総合商社各社の決算発表が8/13の三菱商事の決算発表をもって終了し、7大総合商社の決算が出揃いました。コロナ禍の中にあって赤字転落する企業がいたり、今まで今期業績予想を出していなかった企業が予想を公表したり、はたまた進捗率が絶好調なところもあれば低迷しているところもありと、多種多様な決算模様となっています。
各社個別の決算記事はこの記事の一番最後に掲載していますので御覧ください。
さて、今回この記事では1Q実績に加えて、各社が発表している今期業績予想及び配当予想を中心に纏めていきたいと思いますよ!
- 1Q純利益実績
- 年間業績予想&進捗率
- 配当予想
それでは参りましょう!
2020年度1Q純利益ランキング
2020年度1Q決算を前年同期比で比べました。今期の純利益額が高い順に並べています。
注目ポイントはこちら。
- 伊藤忠が圧倒的で1,000億円超え。
- 三菱商事は1Qだけで見ると三井、丸紅にも抜かれて4位。
- 住商が一人負けで赤字転落中。
- 三菱、豊通、双日も前年比▲80%程度とやられまくり。
- 丸紅が前年比では一番堅調で▲11%減に留まる。
こんな感じ。一人だけ赤字の住商に目が行きがちですが、まー、みんなやられています。その中で丸紅の健闘と、伊藤忠の堅調さが際立ちます。
年間業績予想ランキング
続いて年間業績予想を高い順から並べました。19年度実績とも比較しています。
気になるポイントは以下。
- 伊藤忠2位以下を猛烈に引き離す4,000億円。
- 王者陥落の三菱商事は伊藤忠の半分の2,000億円。
- 2位の座を虎視眈々と狙う三井物産が1,800億円と三菱と肉薄。
- 丸紅は前年の赤字から回復し、時価総額で抜かれている豊通に業績予想では競り勝つ。
- 住商、何やってるの。
こんな感じ。伊藤忠の4,000億円はここにバッファーで▲500億円織り込んでいると公表しているので(ほんとかよ、って思ってしまいますが)、もはや一人勝ちの様相を呈しています。住商の赤字はもうちょっと置いておいて、伊藤忠の好調さが逆に三菱商事の2,000億円の負けっぷりを際立たせている、そんな感じの業績予想ですね。
ただ、あくまで業績予想ですので、実際通期でどんな数字に落ち着くのかはこれからですよ!
1Q進捗率
続いて年間業績予想に対する1Qの進捗率を見てみましょう。
気になるポイントを箇条書きします。
- 進捗率が一番高いのは丸紅の58%でダントツ。但し上方修正無し。
- 次いで三井物産の35%、伊藤忠の26%と続く。
- 三菱18%と低調なものの業績予想を1Qと同じタイミングで出しているので経営側としては想定内。
- 双日の進捗率が低すぎて心配になる。
- 住商の進捗率27%というのは赤字額に向けての進捗率で順調?推移。笑
丸紅の進捗率が凄まじいですが、まだ1Qということで今後何が起きるか分からずということもあるのでしょう、上方修正無しです。ただ期待は高まります。尚、伊藤忠の26%は普通に見えますが、経営側は想定よりも良かったということを決算説明会で言っていたので、これまた上方修正期待が高まりますが、過去の実績見てると適当な減損引き当てして4,000億円ちょうどに着地させる気がします。笑
配当予想&配当性向
総合商社各社の配当予想と配当性向も纏めておきましょう。こちらをご覧ください。
増配、維持、減配で色分けしています。
- 増配グループは三菱商事、伊藤忠商事。さすが両者共に累進配当銘柄だけあってコロナ禍にあっても増配維持です。ただし、三菱商事の配当性向が98.9%に達している点は要注目。
- 維持グループには三井物産、住友商事、豊田通商。住商は※印で説明していますが前年より10円減配ですが、これは記念配が含まれていたので実質配当維持です。物産は配当性向74.9%と高いものの、物産は配当性向はあまり気にしておらず、キャッシュフローベースの考え方なのと、今期からの中期経営計画の間は配当80円下限保証しているので安心感ありです。
- 減配グループは丸紅、双日。双日は配当性向30%程度を公表しているので減配ですが、謎に配当性向40%の10円配当にしている点がなんだかな、という印象を受けます。
こんな感じ。財務体質の強さによって配当は明暗が分かれていますね。累進配当、配当下限保証、これがあると安心感が違います。
最後に:勝者・敗者の明暗がくっきりした決算
今回の総合商社各社の1Q決算を通して個人的に感じたのは総合商社の中でも勝者と敗者がくっきり分かれてきたのかな、という点です。アフターコロナの時代がどんな状況になるのか分かりませんが、少なくとも非資源ビジネスに注力をしてきた伊藤忠商事が一人勝ちしているような状況です。ただ、ファミマTOBの成功可否や、中国CITICの懸念も引き続きあるので、今後はどうなるか分かりませんね。
一方で、三菱商事もNTTと組んでデジタルトランスフォーメーションに注力したり、比較的安定していると言われる欧州電力事業に5,000億円ぶち込んだりと市況系から事業系に注力をしている姿勢を見せているので、是非とも挽回を図って王者に返り咲いて欲しい。ただ、現在の中期経営戦略は絵に描いた餅になっているので、見直し必要でしょうし、対外的にもなんらかのコメントは欲しいところ。笑
ま、まだ1Q始まったばかりなので、今後の各社の頑張りに期待しましょう!(←他人事。笑)
各社コンプライアンスを守りながら切磋琢磨して利益&株価を上げていって欲しいところです!
尚、総合商社各社の個別決算記事は以下から御覧ください!
三菱商事
伊藤忠商事
三井物産
住友商事
丸紅
豊田通商
双日
ということで総合商社決算ウイーク終了です!
尚、決算書の読み方を勉強したいと思われている方にはこちらの本がおススメです。
堅苦しくなく、決算書の読み方全然分かりません!という方から、かじったことはあるけど改めて理解したいという初心者~中級者の方向けの本です。私自身も今更ながら改めて読むと頭の整理に繋がって非常に良書でした!
中級者以上だとこちらの本が個人的におすすめかな。
先に紹介した本よりはもう少し踏み込んでいて、尚且つ読みやすい良書です!
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