総合商社各社の決算発表終了
総合商社の決算発表が本日終了しました。5/1の双日から始まり、フィナーレを飾る本日5/8の三菱商事の決算発表と、この1週間怒涛の決算発表だったので、各社の決算を記事にしている私は睡眠不足です。笑 個別企業の決算記事は最後にリンクを張り付けているので御覧ください。
ではまとめていきましょう!
7大総合商社・2020年3月期(2019年度)決算まとめ
7大総合商社各社の2020年3月期決算をまとめたいと思います。主に、以下点を順番に見ていきます。
- 2019年度純利益実績ランキング
- 2020年度の利益予想ランキング
- 2020年度の各社利益予想前提条件(為替・原油)
- 配当の状況
- 配当利回り
では順番に見ていきましょう!
2020年3月期(2019年度)純利益ランキング
2020年3月期(2019年度)決算での純利益順に並べています。
御覧の通り、
- 王者三菱商事が5,354億円、次いで伊藤忠が5,013億円とトップ争いは王者三菱商事が勝者となりました。
- そして3位に三井物産が3,915億円で続き、4位に住友商事1,714億円、5位に豊田通商1,355億円、6位に双日608億円という結果です。
- そして唯一今回赤字転落となった丸紅が▲1,975億円と巨額の損失となり、完全な一人負けの決算となりました。
- その中で対前年比で利益を伸ばしたのは伊藤忠商事と豊田通商の2社のみという状況で、それ以外の商社は皆前年比減益という内容です。
上記は単純に純利益を並べた時のランキングですが、少し違う観点から見てみましょう。上記表に敢えて私は2019年度の各社期初予算を記載しました。7大商社の内、期初予算を達成したのは唯一、伊藤忠商事のみというのが分かります。ここに近年の伊藤忠商事の株価の飛躍の要因があるのだと思われます。株主へのコミットメント力が半端ありません。
私個人的には三菱商事の株をこの中では一番保有しているので三菱商事を応援しています。笑
2021年3月期(2020年度)の利益予想ランキング
7大総合商社の2021年3月期見通しもまとめてみましょう。要は今期の各社発表の決算予想ですね。以下の通りです。
こちらも純利益予想順に並べています。御覧の通り、7社中3社が今期の予想を未定としています。既に発表している各社も軒並み前年比減益となる中、前期赤字だった丸紅だけは黒字浮上ということで前年比増という状況です。
※2020年9月追記
三菱商事、住友商事ともに2021年3月期業績予想を発表済です。詳しくは以下記事をご覧ください。
個人的に注目なのは以下です。
- 一つ目は、三菱商事と伊藤忠のトップ争いがどうなるか。王者三菱商事は今回未定としているので、伊藤忠を上回ることが出来るのか注目です。ちなみに伊藤忠の個別記事でも書きましたが、伊藤忠はこの予算に500億円の損失バッファがあるということなので、想定していない損失が出なければ4,500億円の期待値があります。それにどう三菱商事が立ち向かうのか、注目です。
- 二つ目は、三井物産の上方修正可能性です。三井物産は今期の利益予想でエネルギーセクターの利益予想をゼロとしての1,800億円という予算数字です。足元やや資源価格が落ち着いてきていますので、今後さらなる回復があれば、三井物産の上方修正期待が高まります。
2021年3月期(2020年度)の各社前提条件
2020年度の各社の為替と原油価格の前提条件は以下の通りです。
御覧の通り各社まちまちです。資源については各社取り扱い資源量や種類がまちまちで、本来は原油よりも鉄鉱石や原料炭、一般炭の価格のほうが重要だったりはする企業もいたりするのですが、とりあえず為替と原油価格の比較だけにしました。
まず為替ですが、
- 各社105円~110円のレンジで設定してきています。
- 伊藤忠商事がもっとも保守的に見ており105円。
- 三井物産・双日が足元の為替とほぼ同レベルの108円。
- そして三菱商事・丸紅が110円と楽観的な為替設定。
- 住商・豊通は非公表のよ
一方、原油についてですが、これも各社取り扱い原油がまちまちでWTI、Brent、Dubai原油と公表前提はバラバラなので、一概に比較できませんが、ご参考までに以下が足元の直近限月の各原油価格です。
- WTI:24ドル台
- Brent:29ドル台
- Dubai:27ドル台
三菱商事は業績発表はしていないものの、謎に為替と原油価格想定は発表しており、ちょっと他社と比べて楽観的な予想となっているのが気になります。一方、丸紅はWTI20ドルで置いている一方、足元24ドル程度で推移していますので、既に前提より上回って推移しているので、これは追い風ですね。
7大総合商社の配当状況は?
総合商社各社の配当状況を見てみましょう。こちらをご覧ください。
御覧の通り増配したり、減配したり各社まちまちで、大きく以下の4グループに分けられます。
- 増配をしたグループ:三菱商事、伊藤忠商事
- 配当を維持したグループ:三井物産、住友商事
- 減配をしたグループ:丸紅
- 配当未定のグループ:豊田通商、双日
増配をしたグループ
増配をしたグループには三菱商事、伊藤忠商事の2社が含まれます。そして、この2社のすごいところは累進配当(ここでは毎期増配の意味)を掲げているところです。さすがトップを争う2社だけありますね!株主にとっては頼もしい限りです。
配当を維持したグループ
配当を維持したグループには三井物産と住友商事の2社が含まれます。
まず三井物産ですが、今回大幅減益を発表しましたが、今回発表した中期経営計画では毎期80円を下限保証するという、圧巻の配当方針を掲げました。
もう一社の住友商事ですが、一見上記の表では減配しているように見えますが、前年は記念配10円が含まれていましたので、実質配当維持ということで、このグループに入れています。両社共に、株主を大切していることが伝わってくる内容です。
減配をしたグループ
減配発表をしたのは今回決算が散々となった丸紅です。そして丸紅は今回の中期経営計画中は自社株は実施しないことまで宣言しました。相当苦しい状況に追い込まれているのが分かります。
配当未定としたグループ
配当未定としたグループには豊田通商と双日の2社が含まれます。
まず豊田通商ですが、豊田通商は今期の業績予想を未発表としている一方、配当性向は25%を予定ということなので、業績予想を発表する時点で配当予想も発表してくると思われます。一つ豊田通商が残念だったのは、まじめにこの25%の配当性向を守っているところです。笑 今回の豊通の個別決算記事にも書きましたが、2020年3月期決算ではしれっと直近予想から10円減配してしまっていますので、この会社は利益が減れば配当性向を守って「しっかり」配当も減らすという方針ということです。この方針を貫く限りは増益しないと配当も増えませんので、今期は恐らく減配することになるでしょう。
双日に関しては今期の業績予想は発表したものの配当は未定としました。ただ、30%程度の配当性向を掲げているので、仮に今期業績見通しから逆算すると配当は10円程度となる見込みです。つまり豊田通商と共に減配グループになる可能性大です。ちなみに仮に配当10円とすると、足元の株価での配当利回りは4%程度になりますね。
以上の通り、結構配当に対する対応は各社ばらつきがあるのが分かります。企業の財務状況だったりも大きく影響しますが、このあたりの株主還元方針は、以前以下の記事に纏めているので、ご興味があれば御覧ください!
また自社株買いについての5/1時点の最新情報は下記記事にまとめているので御覧ください!現在自社株買いを進めているのは三井物産と伊藤忠の2社のみです。引き続き伊藤忠の自社株買い枠の行方が気になります。
総合商社各社の決算記事
総合商社各社の決算発表記事は以下にリンクがありますので、ご覧ください。
双日
豊田通商
三井物産
丸紅
伊藤忠商事
住友商事
三菱商事
最後に
いかがでしたでしょうか?私個人的な話ですが、現在三菱商事、伊藤忠商事の株を保有しており(丸紅昨日売りました。笑 100株だけだけだったけど)、その中でも三菱商事の保有が多いので、両社切磋琢磨してもらいながら、なんとか(株価上昇に向けて)首位奪還に向けて頑張って欲しいところです。笑
さて、今後の総合商社のイベントは6月後半の株主総会になります。スケジュールは以下記事に纏めていますので、興味のある方は御覧ください。
この株主総会のタイミングで、現在業績予想を未発表としている三菱商事・住友商事・豊田通商が見通しを出すのか注目ですね。そしてもう一つ、この株主総会の時期は自社株買いを発動する企業も過去いたので、それが今年もあるのかないのかも注目です!
ということで総合商社決算ウイーク、終了です!!
総合商社の時価総額ランキングにも動きが出ているので、それについてはまた別記事で。
最後に、私の投資ポートフォリオを以下記事で公開しているので興味あれば御覧ください。
上記記事でも公開している通り、私はポートフォリオの一部にビットコインも入れています。つい先日、JPモルガンがビットコインの長期的見通しを14万6,000ドル(1,500万円程度)と発表するなど、個人的には上昇相場にのれなかった時のリスクを意識してのことですね。
足元は大きな調整局面が来ているので、これから仮想通貨投資を始めるには面白いかもしれません。ただ、下落する時はなかなかの下落幅になり得るので、ポートフォリオのほんの数パーセント組み込む程度に抑えたほういいですよ。
もし仮想通貨を始めるなら業界大手のコインチェックが良いと思います。数百円程度から投資可能なので、ポートフォリオに数パーセントだけ入れることが可能です。口座開設は以下リンクから可能で、最短その日から取引出来るのでおススメです。株式と異なり、週末も取引出来るので暇つぶしにもなりますよ。笑笑
ということで今回は以上です!当ブログでは個別の銘柄について言及することがありますが、投資を推奨しているものではありません。投資は自己判断でお願いします。
今回も最後までお読み頂き有難うございました!
面白い・有益だと思った方は、Twitterや『はてブ』↓↓↓ぽちっと拡散頂けるととても喜びます!!