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【総合商社】20年度(21年3月期)通期決算概要まとめ!波乱あり!21年度は全社増益へ!!

こんにちは!総合商社マンです!総合商社各社の20年度(21年3月期)通期決算が出揃ったよ!!7社全て今期増益へ!!

 

総合商社ロゴ

 

 

総合商社の20年度(21年3月期)通期の決算まとめ

総合商社の20年度(21年3月期)通期の決算まとめをしたいと思います。

総合商社各社の20年度通期決算発表は4/28の豊田通商に始まり、5/10の伊藤忠商事の発表で幕を閉じました。今回は結構発表スケジュールがばらついてくれていたので、決算速報記事を書く身としてはかなり有難かったです。笑

 

さて、コロナ禍に見舞われた20年度でしたが、かなり波乱となった決算年だったと言えると思います。特に注目されていた総合商社業界の雄、三菱商事が鳴かず飛ばずの決算となり業界首位から転落したり、住友商事が巨額の赤字決算となるなど、見所盛沢山の決算年でした。

 

具体的にどのような業績となっているのか、この記事で見ていきたいと思います。

 

今回の記事で見る項目は主に以下です。 

  • 20年度通期純利益ランキング
  • 四半期別利益推移
  • 21年度業績予想
  • 配当予想

個別企業の決算詳細を見たい方はこの記事の最後に個別記事掲載していますので、そちらからご覧くださいね。それでは参りましょう!

 

総合商社20年度(21年3月期)通期純利益ランキング

総合商社各社の20年度(21年3月期)の純利益ランキングです。前年同期で比較しています。

 

総合商社決算サマリー202103-1

注目ポイントはこちら。

  • 1位には 伊藤忠商事が2位以下を大きく引き離す圧倒的な決算で4,014億円。
  • 2位には三井物産が3,355億円でランクイン。前年比▲14%減益と健闘。
  • 3位には丸紅が2,253億円でランクイン。前年の巨額赤字からV字回復で3位。
  • 4位には三菱商事が1,726億円。業界の王者が▲68%減益と大苦戦。
  • 5位には豊田通商が1,346億円で減益幅▲1%と最も小さくランクイン。
  • 6位には双日の270億円。減益幅▲56%と大きく苦戦。
  • 最下位には住友商事が▲1,531億円と唯一の赤字決算。

今回の通期決算で目を見張ったのは、伊藤忠商事が業界トップを奪取した点、そして対照的に王者三菱商事が大苦戦し4位に転落したあたりですね。そして三井物産の減益幅の小ささと丸紅V字回復も際立ちました。

 

四半期別純利益推移

総合商社各社の四半期別純利益推移も見ておきましょう。先ほどのランキング順で並べていますよ。こちらです。

総合商社四半期利益推移202103


この数字の羅列だけだと分かりにくいので棒グラフで表示してみましょう。

青色1Q、オレンジ2Q、灰色3Q、黄色4Qの当期利益推移です。

総合商社四半期利益推移②202103


 

 あくまで当期純利益の推移ですので、減損が発生すると大きく利益が動く点には注意必要ですが、イメージを掴む情報として見てもらえればと思います。

 

  • 伊藤忠は3Qまで好調に推移も、4Qで1,000億円近い減損計上で4Q利益減少。
  • 三井物産はほぼ毎期増益基調で資源高を追い風とした駆け上がりが凄まじい。
  • 丸紅は比較的安定して利益を出し続け業界3位を奪取。
  • 三菱商事は3Qまで右肩上がりで上昇したものの、そもそも利益額が小さかったことと、4Qでローソン等の減損計上で予算を未達。
  • 豊田通商はコロナ禍からの回復基調で4Qに掛けて回復が顕著。
  • 双日は右肩基調も利益額小さく予算未達。
  • 住友商事は全てにおいて減損あり黒字浮上一度もなく赤字決算(基礎収益は回復傾向である点には留意)

結構各社ばらつきがありますね。三井物産の回復に目を見張るものがある状況なのと、伊藤忠、三菱商事、住商は4Qで大きな減損処理をして利益急減したという構図です。 

 

そして期初予算の達成具合は以下の状況となりました。100%以上で予算達成、100%未満が予算未達です。

 

総合商社期初予算達成度202103

  • 予算を達成したのが伊藤忠三井物産丸紅豊田通商の4社。
  • 予算未達となったのが三菱商事双日住友商事
  • 中でも丸紅の予算超過具合がダントツの225%。
  • 一番達成度合いが低かったのが三菱商事の86%。

期初予算を低く見積もれば達成出来てしまうので、単純に丸紅は保守的過ぎたということかもしれませんが、それにしても凄まじい達成率ですね。笑

ちなみに今回20年度の期中に上方修正をしたのは丸紅(2回)、豊田通商、三井物産、住友商事でした。住商は上方修正したにも関わらず、結局期初の予算を未達というなんともイマイチな決算となっている点にも注目です。

 

21年度(22年3月期)通期業績予想

21年度(22年3月期)通期業績予想を見てみましょう。

業績予想が高い順に並べて、前年実績と比較しています。

総合商社業績予想202203

 

気になるポイントを箇条書きします。

  • まず総じて7社全社が前年比で増益予算。
  • 伊藤忠が二期連続のトップを目指す。予想5,500億円は過去最高益。
  • 2位は三井物産の4,600億円。伊藤忠とほぼ同じ前年比37%増益。
  • 3位は三菱商事の3,800億円。前年比では120%の増益。
  • 4位は住友商事丸紅が同列でランクイン。住商はV字回復、丸紅は横ばい。
  • 6位は豊田通商が+11%増益の1,500億円。
  • 7位は双日で前年比+96%増益の530億円。

 

2021年度も引き続き波乱含みの業績予想になっています。個人的な注目ポイントは以下ですね。

  • トップ3の戦い:伊藤忠が2期連続トップを狙うも、三井物産三菱商事がそこにどこまで追いつけるかが注目。伊藤忠は5,500億円の中に▲300億円のバッファーを見ていて実力値としては5,800億円。一方、三菱商事は今期資源価格をかなり保守的に見積もっている可能性があり、期中の上方修正でどこまで伸ばせるか注目。
  • 住友商事VS丸紅の戦い:今期予算を同額の2,300億円に設定。両者共に最近の決算で巨額赤字処理をしてからの21年度戦いということで、尚更業界4位をどちらが取るのかの戦いに注目集まる。
  • 丸紅VS豊田通商の戦い:利益面では丸紅が豊田通商を凌駕する一方で、時価総額では豊田通商が丸紅よりも高く肉薄の戦い。5大商社の一角として豊田通商の時価総額を丸紅が超えられるか注目。

このあたりがわたし個人的な21年度の総合商社業界の注目点ですね。各社切磋琢磨して成長をお願いしたいところです! 

 

20年度配当実績&21年度配当予想

総合商社各社の配当予想と配当性向も纏めておきましょう。

まず20年度です。こちらをご覧ください。 

対前年比での増配、維持、減配で色分けしています。

総合商社配当実績202103


ポイントだけまた書き出します。

  • 20年度で増配をしたのは三菱商事伊藤忠三井物産豊田通商の4社。
  • 配当を維持したのは住友商事(19年度は記念配10円含む)。
  • 減配となったのは丸紅双日

累進配当を掲げている三菱商事と伊藤忠商事は増配を継続。そして三井物産は配当下限保証をしていますが増配で回答。豊田通商は当初は配当維持を公表していたものの、3Q決算時に増配を発表しています。

一方、住友商事は赤字決算ながらも、前年の記念配10円を考慮すると配当を維持で株主に報いました。

そして丸紅は期中に2回も増配を発表しましたが、前年比では減配に沈み、決算絶不調だった双日は大幅減配という結果となりました。

累進配当を掲げている三菱商事は増配となりましたが、配当性向は114.7%と当期の利益以上に配当を出す構図となってしまった結果、21年度側で悲劇が発生しています。笑

 

ということで続いて21年度各社の配当予想を纏めたものを見てみましょう。こちらです。

 

総合商社配当予想202203

  • 7社中、伊藤忠、三井物産、豊田通商、丸紅、双日の5社が増配。
  • 累進配当を掲げている三菱商事は配当を維持。
  • 住友商事も70円を維持するも、決算次第で増配を示唆。

結構明暗分かれた形となっています。

累進配当を掲げている伊藤忠と三菱商事は伊藤忠は増配を継続、三菱商事は減配をしないという累進配当を継続を宣言しました。三菱商事の業績急回復もあり、配当性向は52.1%とだいぶ落ち着きを取り戻しましたね。個人的には期中の上方修正で増配も発表して増配の累進配当を結局取り戻してくれることを期待しています。笑

 

尚、今回の決算発表の際に自社株買いを発表したのは三井物産、双日の2社でした。伊藤忠は既に発表済なので、これで総合商社の自社株買いは合計3社となっています。詳しくは以下記事に纏めているので、興味あれば御覧ください。

 

www.sogoshoshaman.com

 

最後に:コロナ禍からの回復鮮明で競争激化

今回の総合商社各社の20年通期決算及び21年度業績予想を纏めて見てきましたが、20年度はコロナ禍による波乱で大赤字に転落する商社が出たり、赤字には転落しないものの前年比大幅減益となる商社が出た結果、業界順位に大きく変動が生じる、波乱の1年間となりました。

 

そしてコロナ禍がどこまで終息するか不明なるも21年度は軒並み各社前年比大幅に増益となる業績予想を発表している一方、史上最高益を出す予定の商社がいたり、回復がそこまで大きくない商社がいたりとで、引き続き波乱含みの年度になりそうです。

 

個人的には業界の雄、三菱商事がどこまで上方修正をかけられるに非常に注目しており、ワイの保有株トップ3(三菱商事、伊藤忠、三井物産)の熾烈な争いを通しての全社の株価上昇が今から楽しみです!!

 

ということで総合商社の決算発表ウイーク終了です!

尚、総合商社各社の個別決算記事は以下から御覧ください!

 

三菱商事    www.sogoshoshaman.com

 

伊藤忠商事    

www.sogoshoshaman.com

 

三井物産  

www.sogoshoshaman.com

  

住友商事  

www.sogoshoshaman.com

  

丸紅   

www.sogoshoshaman.com

 

豊田通商   

www.sogoshoshaman.com

 

双日  

www.sogoshoshaman.com

 

最後に、総合商社トップ3の三菱商事、伊藤忠商事、三井物産の総合商社株を含んだ私の最新投資ポートフォリオを以下記事で公開しているので興味あれば御覧ください。なかなか偏重しております。笑

 

www.sogoshoshaman.com

 

 

ということで、以上になります!

当ブログでは個別の銘柄について言及することがありますが、投資を推奨しているものではありません。投資は自己判断でお願いします。

今回も最後までお読み頂き有難うございました!