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原油価格急上昇!総合商社の業績への影響は?

こんにちは!総合商社マンです!原油価格マイナス転落が嘘だったかのような原油爆上げ!総合商社の業績への影響を見てみよう!

 

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総合商社の20年3月期決算

総合商社各社の2020年3月期決算発表は5/1の双日から始まり5/8の三菱商事でフィナーレを迎え、各社の好不調がはっきりと分かれる結果となったことは記憶に新しいかと思います。この20年3月期の総合商社の決算は個人的には結構面白く、いくつも注目ポイントがありました。

  • 三菱商事VS伊藤忠で事前の噂を覆し、三菱商事が王者の貫禄を見せつける
  • 三井物産・住商が資源関連で大きな減損を引き当て
  • 丸紅が赤字に転落、しかも巨額
  • 丸紅と豊田通商の時価総額が逆転

こちらが2020年3月期の各社の税後利益です。

 

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そんな総合商社各社ですが、足元の原油価格上昇の恩恵を受けることは間違いなく、各社の今期への影響具合を探ってみたいと思います!

総合商社各社の最新決算は以下記事に纏めているので御覧ください。

 

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総合商社の21年3月期決算予想

総合商社の21年3月期決算予想は、上記の20年3月期決算に合わせて発表したところもあれば未定としたところもあり、まちまちの対応となりましたね。こちらをご覧ください。 

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こちらも純利益予想順に並べています。御覧の通り、7社中3社が今期の予想を未定としています。既に発表している各社も軒並み前年比減益となる中、前期赤字だった丸紅だけはV字回復で黒字浮上となっています(V字と言っても利益は低水準ですが)。

個人的に注目なのは以下です。

  • 一つ目は、三菱商事と伊藤忠のトップ争いがどうなるか。王者三菱商事は今回未定としているので、伊藤忠を上回ることが出来るのか注目です。ちなみに伊藤忠はこの予算に500億円の損失バッファがあるということなので、想定していない損失が出なければ4,500億円の期待値があります。それにどう三菱商事が立ち向かうのか、注目です。
  • 二つ目は、三井物産の上方修正可能性です。三井物産は今期の利益予想でエネルギーセクターの利益予想をゼロとしての1,800億円という予算数字です。今後さらなる資源価格の回復があれば、三井物産の上方修正期待が高まります。

  

原油価格の総合商社業績への影響

総合商社各社の原油価格前提条件と、1ドルあたりの業績への影響を見てみましょう!

まず原油価格ですが、各社取り扱い原油に違いがあり、WTI・Brent・Dubai原油等と公表前提はバラバラです。そしてこれらの原油の足元の価格は以下の通りです。 

  • WTI:39ドル
  • Brent:42ドル
  • Dubai:39ドル

上記金額を踏まえて、各社の原油価格の前提条件と上振れ期待値はこちらです。

 

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この現在の資源価格と各社の資源価格前提を照らし合わせると、各社共に既に前提価格から数ドル上振れ始めています。丸紅に関してはWTI20ドルで前提を置いていますので、原油だけで120億円相当は上振れる可能性ありますね。

また、さすが資源に強い三菱商事・三井物産の1ドルあたりのインパクトのでかさが際立ちます。

例えば三菱商事は1ドルで25億円、三井物産については32億円のインパクトです。一方の伊藤忠は6.1億円しかインパクトがありません。

資源価格上昇は完全に三菱商事・三井物産に追い風です。ただ、三菱商事は今期の利益予想をそもそもまだ出していないので、利益がいくらからいくらになるのかという予想は立てられません。

また三井物産に関しては今期エネルギーセクターの利益をゼロ前提としているので上振れ期待は高まるものの、前提の連結油価の価格が39ドルとやや高めの設定になっているので、ここから更なる上昇があれば、大幅な上方修正を期待させます。

 尚、双日・住商・豊通は1ドルあたりインパクトの情報が無いようなので計算で来ませんでした。

  

為替の総合商社業績への影響

為替の総合商社各社為替への影響も見ておきましょう。

前提条件及び1円あたりのインパクトは以下の通りです。 

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為替ですが、各社105円~110円のレンジで設定してきています。

伊藤忠商事がもっとも保守的に見ており105円、三井物産・双日が足元の為替より少し円高の108円、そして三菱商事・丸紅が110円と足元よりも円安な為替設定を行っているのが分かります。

足元の為替は109円程度なので、伊藤忠・三井・双日には追い風、三菱・丸紅にはまだ逆風という感じですね。ま、とはいえ、三菱はまだ業績予想を出していないので前提となる数字が無いのですが。笑

尚、住商・豊通は非公表のようです。

 

最後に:上方修正期待出来るかも?

原油価格と為替の各社の前提条件を見てきましたが、少なくとも現在の原油価格上昇と円安基調が継続すれば、かなりの確度で情報修正が期待出来るのではと思っています。もちろん原油以外にも各社鉄鉱石や石炭、銅や資源以外のビジネスもありますので、原油と為替だけが全てではないですが、少なくとも現在の状況は総合商社にとって追い風なのは間違いありません。

個人的に一番上方修正が期待出来るのは今期の業績予想を1,600億円とかなり保守的に置いた三井物産と、原油価格(WTI)を20ドルとかなり保守的に置いた丸紅かなと思っています。

また三菱商事はまだ年間の業績予想を出していませんが、この原油価格上昇により前年比との減益幅を小さく抑えた数字で今期の予想を今後出してくるのではと期待させてくれますね。

さて、今後の総合商社のイベントは6月後半の株主総会になります。スケジュールは以下記事に纏めていますので、興味のある方は御覧ください。

  

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今のところ伊藤忠だけWEB開催とする模様です。

この株主総会前後のタイミングで、現在業績予想を未発表としている三菱商事・住友商事・豊田通商が見通しを出すのか注目ですね。(さすがにまだ出さないかな。笑)

あと、例年この時期に自社株買いを発表する企業も多いので、さすがにこのコロナの状況ではないかもしれませんが、一つ注目しておきたいポイントです!

気が付いたらもう第1四半期も終盤に差し掛かってきましたね~。 健康には気を付けながら日々の生活を送りましょう!

ということで今回は以上です!

最後までお読み頂き有難うございました!

 

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