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【住友商事】唯一バフェット砲前の株価よりも下落中!個人投資家説明会開催

こんにちは!総合商社マンです!住友商事の株価はバフェット砲前よりも下落中!個人投資家向け会社説明会を開催しました!

 

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住友商事の個人投資家説明会

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住友商事が9/30に個人投資家向け会社説明会を開催しました。その際の映像とプレゼン資料が住友商事の投資家情報ページに掲載されています。全てを見たい方は住友商事のホームページから御覧頂ければと思いますが、ここでは個人的に気になった部分をいくつか取り上げてみたいと思いますよ。

 

2020年度通期予想

今期である2020年度の通期業績予想のサマリーです。

 

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これは最新の業績予想から特に変更なく、通期では▲1,500億円の赤字ですね。今期総合商社の中で赤字決算となるのは今のところ住友商事だけです。このスライドでは通期予想は赤字であるものの、一過性損失が▲2,500億円あることが原因で、それを除いた実力ベースの基礎収益では1,000億円の黒字であることをアピールしたいのですね。

ただ、1,000億円というと、丸紅の今期の業績予想も1,000億円なので、仮に一過性がなくても業界5位に転落する可能性がある業績水準ということは留意が必要です。

尚、総合商社各社の最新決算、及び業績予想は以下に纏めていますので興味あれば御覧ください!

 

www.sogoshoshaman.com

 

業績推移及び配当方針

住友商事の業績推移及び配当方針に関するスライドがこちらです。

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まず緑色の棒グラフが業績ですね。2010年以降では14年度に赤字転落、そして今期である20年度に赤字転落が予想されているので、過去11年間で2回の赤字転落となりますね。

一方の配当が青色の折れ線グラフです。基本方針として書かれているように、「長期にわたり安定した配当を行うことを基本方針」としていることだけあり、大きな減配はしていませんね。

今期は減配のように見えますが、19年度には創立100周年の記念配当10円が含まれているので、それを除くと赤字であっても前年と同じ配当を今期は見込んでいる事になります。

 

質疑応答

今回のオンラインでの個人投資家説明会での質疑応答についても掲載されていたので気になったものを抜粋してみます。

 

バフェットの総合商社株投資について

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やはり出ましたね、この質問。笑 この回答によると、既に住友商事とバークシャーハサウェイ社のマネージメントは面談を実施済のようです。そして、今後投資されるだけでなく、ビジネスパートナーとしての関係も模索していく、という回答です。

 

大手商社で唯一の赤字について

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いい質問ですね。笑 今期唯一赤字だが、コロナの影響、そして対策をどうしているのか、という質問です。

回答は「消費者ビジネス関連は底堅いものの、主力事業の一つである自動車関連事業は相当厳しい環境」であることから「対策として短期的に不採算事業の整理、中期的にポートフォリオの再構築、長期的にサステナビリティ経営の高度化」を進めることで「キャッシュフローマネジメントに取り組む」という方針とのこと。

短期中期はなんとなく分かりますが、長期のサステナビリティ経営ってのがよく分からないと思いますが、以下のスライドのことです。

 

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要は気候変動緩和、人権尊重といった課題や、地域社会経済の発展、良質な教育という社会の発展を目指すというものを目指すというものです。ま、結局定性的で良く分からないですが(笑)、今話題のESG銘柄を目指すということなのかなと個人的には理解しました(違ってたらすみません笑)。

 

配当について 

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これまた良い質問ですね。業績悪化したら減配はあり得るのか?という質問です。これは当たり障りのない回答です。「減配可能性はあるが、長期安定配当を目指すべくキャッシュフローマネジメントに取り組む」とのこと。 ま、確かにこれ以上のことは言えないですね会社として。笑

尚、最近は総合商社は個人投資家比率の高まりもあって各社個人投資家向け説明会をよく開催しています。最近では三菱商事と三井物産も個人投資家向け説明会を開催していました。この2社については以下記事に纏めていますので興味あれば御覧ください。

 

三菱商事 

www.sogoshoshaman.com

 

三井物産

www.sogoshoshaman.com

  

最後に:バフェット砲前より株価が下落しているのは住商のみ

今回住友商事の個人投資家向け説明会で気になる部分を見てみましたが、正直住友商事の株価は全くもって冴えません。というか総合商社株全体がバフェット砲を浴びた後に大きく上昇したものの、期待先行で買われただけで、株価はその後下落の一途を辿っています。笑 その中でも住友商事だけがバフェット砲前の株価よりも下落しているのです。

こちらのチャートをご覧ください。

 

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このチャートはバフェット砲を浴びる前の8月28日を0として、10月19日までの5大商社の上昇率を折れ線グラフで示したものです。

これを見ると10月19日終値時点でマイナスになっているのは住友商事だけであることが分かりますね。以下でもツイートした通りです。

  

 

住商が唯一のマイナス、伊藤忠もそろそろマイナス圏突入しそうな感じです。三菱商事が結構踏ん張ってますね。ま、もともと伊藤忠の株価は高値圏にあったところにバフェット砲を受けた一方、三菱商事は売られまくってたところにバフェット砲を浴びたという違いはあるんですが。

とはいえ、住友商事の株価のパフォーマンスがかなり酷いことはこのチャートを見ると一目瞭然です。今期唯一の赤字というのが、株価に重くのしかかっているということなのかもしれません。

さてさて、そんな総合商社株ですが、上半期決算が刻々と迫ってきています。

 

10月29日の豊田通商を皮切りに、11月6日の住友商事が大トリとなっています。

各社業績が底入れをしているのか、はたまた更にコケる商社が出てくるのか、上半期決算から目が離せませんね!!

 

尚、決算書の読み方を勉強したいと思われている方には以下の本がおススメですよ。

 

 

堅苦しくなく、決算書の読み方全然分かりません!という方から、かじったことはあるけど改めて理解したいという初心者~中級者の方向けの本です。私自身も今更ながら改めて読むと頭の整理に繋がって非常に良書でした!

中級者以上だとこちらの本が個人的におすすめかな。 

 

 

先に紹介した本よりはもう少し踏み込んでいて、尚且つ読みやすい良書です!

また、三菱商事を例に挙げて企業分析方法を学べる現役銀行員のたりたり社長という方が書いた良書もありおススメですよ!

 

 

ということで今回は以上です!当ブログでは個別の銘柄について言及することがありますが、投資を推奨しているものではありません。投資は自己判断でお願いします。

今回も最後までお読み頂き有難うございました!

 

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