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【WTI原油】コンタンゴからバックワーデーションへ!?

こんにちは!総合商社マンです!WTI原油に異変が起き始めているぞ!

 

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WTI原油のスプレッドが急激に縮小

WTI原油(以下、原油)のスプレッドが急激に縮小してきています。Twitter上でも呟きましたが、4月の原油価格マイナス転落となった異常事態の時と比べて、足元の限月間のスプレッドが劇的に下がってきているのです。

まだ原油の基礎知識が無い方は以下記事に「ロールオーバー」、「コンタンゴ」等を纏めているのでそちらを先に読んでから本記事をごらんください。

 

www.sogoshoshaman.com

 

さて、どの程度の下がっているのでしょうか?具体的な数字を見ていきましょう。

 

4月27日時点の原油価格

4月27日時点の原油価格はこちらです。

wti-oil-price-in-april

この赤枠で囲ったところが6月限月~12月限月のそれぞれの原油価格です。

この各限月間のスプレッドを計算するとこんな感じです。

wti-spread-in-april

えげつないコンタンゴが発生していましたね。笑 特に期近の6月と7月のコンタンゴはスプレッドが驚異の「44.3%」という数字でした。笑笑 なんじゃこらです。

まず、この数字を頭の片隅に置いておいてください。

 

5月14日時点の原油価格

続いて、足元の5月14日時点の原油価格はどうなっているでしょうか。こちらをご覧ください。

wti-oil-price-in-may

同様に赤枠で囲った部分が各限月の原油価格になっています。

この各限月間のスプレッドを計算するとこんな感じです。

wti-spread-in-may

ね?コンタンゴの状態に変わりはありませんが、4月のえげつないスプレッドのコンタンゴは鳴りを潜め、大分落ち着いた状況になっているのが分かります。直近限月の6月と7月のスプレッドですら、先月は44.3%だったものが2.1%ととても心地の良い数字になっていますね。

しかも注目すべきはその6月-7月限月間のスプレッドよりも7月-8月限月、8月-9月限月間のほうがスプレッドが大きいというところです。通常は期近の方がスプレッドが大きい傾向にあるので不思議ですねー。6月限に短期資金が流入しているのかもしれません。

 

スプレッドが縮小した要因は?

スプレッドが縮小した要因はなんなのでしょうか?私が思いつく要因としては以下の点が挙げられます。

  1. 5月1日から正式にスタートしたOPECプラスの減産開始による需給改善
  2. 世界的なコロナ拡大の終息期待の高まりと、それによる原油需要回復期待

まず一つ目のOPECプラスの減産開始ですが、5/1より総額10mbdの減産を開始しており、OPECプラス以外の国の減産と合わせると15mbdという歴史的減産が実現しています。通常時の世界の原油需要は100mbdと言われている一方、今回のコロナによる原油需要の減少は30mbdと世界需要の30%減少とも言われているので、実際は15mbdの減産では足りないのですが、一定の原油市場の下支えとして機能しているということでしょう。

そして二つ目の理由ですが、石油の最大消費国である米国はいまだにダントツのコロナ感染者数を誇っていますが、一方で秋から冬にかけて経済活動が戻ってくるという見方が広がり始めています。一部地域ではロックダウン延長という話も出ているようですが、欧州でも経済活動が戻り始め、原油市場においてはその高まり期待のほうが大きいということでしょうね。この2点が主な理由だと考えられます。

 

今後スプレッドが再び広がるリスクは?

今後スプレッドが再び広がり、4月のようなえげつないコンタンゴが来るリスクはあるでしょうか?私は十分あると考えています。その要因として考えられるのは、以下3点です。

  1. 次回ロールオーバーとなる5月20日前後の投機筋による操作
  2. 市場の期待よりもコロナの終息が長引く
  3. 米中摩擦の悪化

次回ロールオーバーとなる5月20日前後の投機筋による操作

4月の5月限決済期日が到来した時同様に、原油保管場所の懸念から投機筋が原油先物を再び売りまくるという現象が起きると、市場不安から再びスプレッドが広がる危険があります。

市場の期待よりもコロナの終息が長引く

現在のスプレッド縮小はコロナ収束期待によるものが大きいと思われるので、それが失望に変わると再びスプレッドが広がる危険があります。

米中摩擦の悪化

トランプ大統領が米国のコロナ拡大の責任を中国のせいであると声高らかに主張し始めており、一部米国の州も中国に訴訟を起こすなど、世界経済にマイナスとなりうる争いが生じると、再びスプレッドが広がる危険があります。

こんなところでしょうかね。

 

原油さん、コンタンゴからバックワーデーションになるか!?

原油さん、コンタンゴからバックワーデーションになることはあるでしょうか?スプレッドが縮小してきているので、そんな淡い期待を持ちたくなりますよね。

最近はすっかり原油先物相場=コンタンゴというのが常識になっていますが、実は過去に原油先物がコンタンゴからバックワーデーションになっていたことはあるのです。2005年以降はコンタンゴが常態化してきていますが、その前まではバックワーデーションが長く続いていた時期もありました。

最近の事例だと2007年7月にコンタンゴからバックワーデーションになっており、理由は定かではないものの、一般的に言われているのは「短期筋の期近先物への資金流入」であったり、「季節要因で年末に原油価格が下落する傾向があったことによるもの」であったり、理由は様々なようです。

では、近々コンタンゴからバックワーデーションとなることが起きうるのか?という点に関してですが、先ほどちょっと触れましたが、6月-7月限のスプレッドよりも期先の7-8月限、8-9月限月のスプレッドが大きくなっていました。これはあくまで私の推測でしかないですが、「投機筋による短期資金が直近限月にさらに集中したら」、、、もしかするとバックワーデーションが発生する可能性はあるかもしれませんね。さてさて、どうなることやら。

まずは5月20日頃の6月限の決済期日がどうなっていくのか今から楽しみで仕方がありません!

 

最後に

「コンタンゴ」、「バックワーデーション」、「ロールオーバー」。つい2カ月前くらいまではほとんどの人が聞いたこともなかったであろうこの専門用語、今回のコロナショックでだいぶ一般的になってきた気がします。このブログでもロールオーバー、コンタンゴ等の原油先物の説明をしたところ大変大きな反響を頂き、Twitter上でたまに「コンタンゴマン」「原油マン」という謎のあだ名を付けられています。笑 近い将来、バックワーデーションが発生したら、その時は「バックワーデーションマン」って呼ばれるのかなー。笑笑

ということでまだまだ原油市場から目が離せませんね!

今回は以上です!

最後までお読み頂き有難うございました!!

 

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