こんにちは!総合商社マンです!ビックカメラが2020年8月期の決算発表をしたよ!コロナ禍の影響で減配発表です!
ビックカメラが20年8月期決算発表
ビックカメラが10/9に20年8月期の決算発表を行いました。ビックカメラは8月決算会社なので、このタイミングで年度の決算発表というわけですね。
ビックカメラは誰もが知っている家電量販大手ですね。傘下にソフマップやコジマがいたりします。
株主優待もあり、個人投資家人気ランキングでも上位によく出てくる銘柄ですが、今回ビックカメラは減配を発表しています。どのような決算だったのかを、ビックカメラが発表した決算資料から見ていきたいと思いますよ!
尚、ビックカメラは10/16に機関投資家・アナリスト向け決算説明会が予定されています。
ビックカメラの20年8月期決算概要
ビックカメラの2020年8月期決算概要をビックカメラが発表したIR資料(決算短信)を抜粋しながら見てみましょう。
連結経営成績
まず連結業績を見てみましょう。こちらの決算サマリースライドをご覧ください。
数字が小さいのでポイントを書き出します。
- 売上高は前年比▲5.2%減収の8,479億円。
- 営業利益は前年比▲47.4%減益の121億円。
- 当期純利益は前年比▲61.2%減益の55億円。
減収減益の厳しい決算内容となりました。この要因として決算短信の中で挙げられているのは以下点です。
- 2019年9月の消費増税前の駆け込み需要の反動減。
- 2月以降のコロナによる影響。
2のコロナの影響というのは具体的に言うと「時短営業や臨時休業」をしたことや「インバウンドの激減」があったようです。都心店舗の来客激減の一方、都市近郊店は客足が逆に伸びたものの、上記の減益要因を補うほどは至らなかったという点も記載ありました。9月~8月の決算なので、年の半分においてコロナの影響を受けたということですから、赤字転落とならなかったという点では健闘したと言えるかもしれません。
キャッシュフロー
ビックカメラのキャッシュフローも見てみましょう。今回減配が発表されたわけですが(詳細後述)、キャッシュが稼げているのかどうかを見てみましょう。こちらが決算短信の抜粋です。
ポイントを箇条書きします。
- 営業キャッシュフローは前期比+388億円の520億円。
- 投資キャッシュフローは前期比▲43億円の▲157億円。
- フリーキャッシュフローは363億円。
- 財務キャッシュフローは前期比+530億円の551億円。
営業キャッシュフローは前年から大幅に伸ばしてキャッシュを稼げていることが分かります。それもあってか、前年より投資を増やし投資キャッシュフローはマイナス額が増加しています。営業キャッシュフローの大きな伸びは在庫圧縮を図ったことが主要因のようです。
財務キャッシュフローが大幅に増えているのは短期借り入れ返済はあったものの、それ以上に長期借入金を増やしたことのようですね。
ふむ、減配はしたもののキャッシュフローはあまり大きな問題を抱えているようには見えませんね~。この点については理由を後述します。
ちなみにビックカメラの20年8月末時点の自己資本比率は29%と前年同期比の33.4%から悪化しています。
配当及び21年8月期業績予想
配当と21年8月期の業績予想を見てみましょう。ここが一番気になるところですね。
まず20年8月期の配当からです。この赤枠で囲まれた部分をご覧ください。
下期配当は前年は10円でしたが、今回3円へ減配を発表です。これにより年間配当額は前年の20円から13円へ7円減配となりました。配当性向は42%という水準です(前年は25.3%)。キャッシュフロー的にはしっかりカネが回っていたので、私はホルダーではありませんが、ちょっと残念かなと思いました。ま、これが日本企業ともいえるかもしれません。笑
ちなみにビックカメラの配当方針は「業績に応じた適正な利益配当の実施」です。これに沿えば業績が悪くなれば減配するということなので、そういう意味ではなんらサプライズではありません。この方針が簡単に減配出来る一つの理由かなと個人的には思いました。
続いて、21年8月期の業績予想を見てみましょう。こちらです。
これも数字小さいので下に書き出します。
- 売上高は前年比+5.7%増収の8,960億円。
- 営業利益は前年比+24.3%増益の150億円。
- 当期純利益は前年比+44.9%増益の79億円。
増収増益の業績予想を発表していますね。ちなみに上期の業績予想も掲載されていますが、上期だけ見ると前年比増収減益予算としているので、下期の大きな回復を想定していることが分かります。
どういった理由から増収増益を見込んでいるのかについては以下点が決算短信の中で挙げられていました。
- インバウンド減少は継続するが、10年前の家電エコポイント制度で購入したものの買い替え需要の高まりあり。
- コロナの影響で自宅滞在時間増加で「テレワーク、オンライン授業需要によるPC販売等の成長」、「巣ごもりによる調理家電の成長」、「5G拡大によるスマホ販売成長」。
ありましたね家電エコポイントってそーいえば。笑
この結果、21年8月期の配当予想はこちらです(赤枠)。
上期5円、下期10円の年間配当額15円、配当性向は33.4%という水準です。
まさに業績に応じて増配、減配をするという方針に沿ったものですね。配当性向に異常値はない状況です。
最後に:コロナ無かったとしても厳しかったのか?
今回の記事を最後に簡単に纏めてみましょう!
- 消費税特需剥げ落ちとコロナ影響のダブルパンチで減収減益。
- 20年8月期の配当は13円へ減配。
- 21年8月期の業績は増収増益、増配予定。
こんな感じ。
20年8月期が最悪期だったと見込んでV字回復を目指している状況ですね。
これは完全に個人的な印象ですが、ビックカメラに限らず家電量販店はコロナがなくてもなかなか今後は厳しい状況が続くのかなと思っています。というのも、多くの人がネット上で家電を購入する時代ですからね。リアル店舗で商品を実際に見て、購入するのはネットでという流れです。ビックカメラもネット通販を始めていますが、当然価格競争にさらされて以前より利益率が低下しているようなので、現在のこの流れをどう乗り切っていくのか、注目していきたいと思います。
おまけ:ビックカメラの株主優待情報
ビックカメラの株主優待は結構魅力的ですよ!所有株式数保有期間に応じて商品券がもらえるというものですね。
※ビックカメラホームページから抜粋
- 所有株式数に応じてもらえる優待は2月と8月。
- 保有期間に応じてもらえる優待は8月のみ。
所有株式数に応じてもらえる優待は100株だけ保有するのが最も効率が良いですね。
保有期間に応じてもらえる優待は2月と8月末に3回連続記載される必要ありです。
株主優待は個人投資家に人気ですが、業績が悪くなると改悪されたり、撤廃されたりするリスクもありますので、その点には注意しながら株主優待を楽しみたいですね!
尚、決算書の読み方を勉強したいと思われている方にはこちらの本がおススメですよ。
堅苦しくなく、決算書の読み方全然分かりません!という方から、かじったことはあるけど改めて理解したいという初心者~中級者の方向けの本です。私自身も今更ながら改めて読むと頭の整理に繋がって非常に良書でした!
中級者以上だとこちらの本が個人的におすすめかな。
先に紹介した本よりはもう少し踏み込んでいて、尚且つ読みやすい良書です!
また、三菱商事を例に挙げて企業分析方法を学べる現役銀行員のたりたり社長という方が書いた良書もありおススメですよ!
ということで今回は以上です!
当ブログでは個別の銘柄について言及することがありますが、投資を推奨しているものではありません。投資は自己判断でお願いします。
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