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【伊藤忠商事】ファミマをTOB!買いか?売りか?チャート分析してみた

こんにちは!総合商社マンです!ファミマ完全子会社化のTOBを発表した伊藤忠商事の株価チャートを分析してみよう!

 

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伊藤忠がファミマをTOB

伊藤忠がファミマを完全子会社化することを7/8に発表しました。ファミマはもともと既に伊藤忠が子会社化し50.1%の保有比率となっていましたが、今回は全ての株式を買い集め、非公開化(上場廃止)することを目的としたTOBとなっています。全ての株式を集めることが出来なくても60%まで増やせれば達成とするということのようなので、このTOBは恐らく成功するのでしょうね。詳しくは以下記事をご覧頂けたらと思います!

 

www.sogoshoshaman.com

そんな最近話題の伊藤忠商事の株価チャートを分析してみたいと思います!

 

伊藤忠商事株は買いか?売りか?

伊藤忠商事株は買いか?売りか?今回ファミマのTOBを発表した翌日の本日7/9の終値は5円高(+0.22%)の2,312.5円と、たいして反応は大きく無さそうです(高値は2,334円)。以下は年明けからの日足チャートです。

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コロナで3月に一時2,000円割れをした後は比較的安定に推移しているのが分かります。7/9終値の配当利回りは3.81%という水準です。
 ファミマを完全子会社化することで伊藤忠が取り込む利益も増加し、さらに総合商社の課題である非資源ビジネスが成長するという期待も出来ますが、市場は中立な見方をしている感じですね。コロナ感染が増加したというニュースも影響与えているかもしれません。

さて、そんな伊藤忠株を今回もいつもと同じ以下の3つの指標で見てみましょう。全て日足ベースで見て行きます。日足ベースですので、この記事はスイングトレードを前提とした視点です。

  1. RSI
  2. 一目均衡表
  3. MACD

また今回チャート分析するにあたり参考にした図書はこちらです。

 

RSI

RSIは株価が「買われ過ぎ」もしくは「売られ過ぎ」かを見る指標です。

RSIの数値のおおまかな使い方は以下の通り。

RSI<30  :売られ過ぎ

RSI 30~40  :少し売られている

RSI 40~60  :だいたい中立

RSI 60~70  :少し買われている

70<RSI    :買われ過ぎ

この数字を参照しながら伊藤忠株のRSIを見てみましょう。

 

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このチャートの下部分の下がRSIの推移です。短期の14日と少し長期の25日の二つの線を出しました。紫色の線が14日ですが47.35で「だいたい中立」、緑色の25日線は49.71でこちらも「だいたい中立」という水準です。

確かに最近の株価は比較的安定して推移しているので、 RSIにおいては特に方向感は出ていない状況ですね。

 

一目均衡表

続いて伊藤忠株を一目均衡表で見てみましょう。

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一目均衡表の詳細説明は本記事の趣旨とはずれるのでしませんが、簡単に3つのことが分かります。

  1. 緑色線が転換線で、赤色の線が基準線です。ちょっとごちゃとしていて分かりづらいですが、緑線がまもなく赤線の基準線を上回る可能性があり、そうなるとゴールデンクロスとなり「上昇トレンド」シグナルとなります。
  2. 遅行スパンと26日前の株価の関係で買いか売りかが見れます。淡いピンク色の線が遅行スパンで、現在の株価が26日前の株価よりもやや下にあります。ピンク線が26日前の株価より下にあると「下落トレンド」となりますが、数日経過すると中立となる見込みなので、この点においては「中立」と見ていいかなと思います。
  3. 現在の株価と雲の関係を見ることで株価の上値目途や下値目途が見れます。 灰色に塗られた部分が雲になりますが、雲の上値(黄色線)が切りあがってきており、この雲の上値(2,280円くらい)が一つ目の下値目途になりますね。そしてそれ以上下落となると次は雲の下値2,200円程度が下値目途となります。一応現在は雲の上に株価がありますので、その点においては「上昇トレンド」と言えるかもしれません。

 

 

  

MACD

最後にMACDを見ておきます。この指標では上昇トレンドか下落トレンドかをみることができます。こちらをご覧ください。

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下のチャート部分がMACDの部分です。赤線がMACD、黒線がシグナル線と呼ばれるものです。伊藤忠株は6/3にこのMACD線とシグナル線がデッドクロスとなりMACDにおいて下落トレンドサインが出続けていましたが、ここにきてこの二つの線が非常に近づいて来ています。現時点では下落トレンド継続ですが、MACDがゴールデンクロスしたら株価に少し上昇余地が出てくるかもしれませんね。

 

結論:ボックス相場かな

今回3つの指標を見ましたが、結構「中立シグナル」が多い状況です。最近6月以降の値幅も2,250円~2,440円程度で推移していますからね。ただ中立シグナルの中にも上昇トレンドを期待できるシグナルもちらほら。例えば雲の上値余地の切りあがりや、MACDのゴールデンクロスが近いようにも見えます。

明確な「上昇トレンド」サインは出ているとは言えないので、しっかりとしたサインが出てきたタイミングで参入しても面白いかもしれませんね。

 

さて、今回のこの分析は業績を無視したあくまでチャート上の動きでの結果です。伊藤忠の第1四半期の決算発表は8/5 13:00に予定されていますので、その内容次第で大きく乱高下する可能性があります。その点は十分ご留意くださいね。

 

おまけ:ファミマTOBに関して

一点、今回のファミマTOBに関してコメントすると、伊藤忠のTOBのタイミングは上手だなーと思いました。理由は以下2点。

  • コロナ禍で株価下落したタイミングでのTOBであること
  • 競合三菱商事がローソンにTOBを掛ける前に先手を打ったこと

まず一つ目ですが、これはシンプルですね。コロナ禍で株価がだいぶ下がってきている時のTOBですので、30%近いプレミアムをのせても比較的割安水準で買い付け出来ると言えます(株主が応じればの話ですが)。

そして2点目。これは完全に個人的な意見ですが、今回の伊藤忠のファミマTOBにより、伊藤忠と利益面で競合している三菱商事グループのローソンの動きにも今後注目が高まります。そうなるとローソン株も三菱商事による完全子会社化が期待されて今後ローソン株が買い進まれる可能性もあります。事実本日ローソン株はこのように大幅上昇となりました。まさに連れ高です(当のファミマはストップ高)。

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そうなると三菱商事が仮に今後ローソンを同じく完全子会社化のためのTOBをするとなった際、ローソン株は今よりも上昇しているかもしれませんので、プレミアム代も高くつく可能性がありますね。そういう意味で三菱商事に先手を打ってファミマTOBを発表した伊藤忠のタイミングは絶妙なのかなと思った次第です。

ま、コンビニ業界に逆風が吹いているのも確かです。ですのでこの買収が成功だったと言えるかどうかは数年後のファミマの成長次第ですね!

  

最後に、先ほども紹介しましたが、今回チャート分析をするにあたり参考にした書籍は以下の「株チャートがおもしろいくらいわかる本」というやつです。

 

 

初心者にも分かり易く記載された本なのでチャート初心者の私にはすっと入ってくるところがあり、非常に読みやすかったのでお勧めですよ。このリンクから簡単に目次だけでも読めますので一度見てみても面白いかもしれませんよ!

  

ということで今回は以上です!当ブログでは個別の銘柄について言及することがありますが、投資を推奨しているものではありません。投資は自己判断でお願いします。

今回も最後までお読み頂き有難うございました!

 

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