こんにちは!総合商社マンです!三菱商事の株主総会の動画がホームページに公開されたので見てみたよ!
- 三菱商事が株主総会を開催(6/19)
- 三菱商事の株主総会動画公開(7/1)
- 『中期経営戦略2021』の進捗
- 質疑応答①:今後の世界情勢及び配当の見通しについて
- 質疑応答③:今年度の業績見通し(資源・自動車事業)について
- 質疑応答⑦:人事制度改革について
- 最後に:三菱商事の業績予想発表は8月頭か
三菱商事が株主総会を開催(6/19)
三菱商事が6月19日に2019年度の株主総会を開催しました。
御覧の通り報告事項として2019年度の事業報告が行われたうえで、期末配当68円、取締役11名の選任及び監査役3名の選任決議が行われ、全て議案通りに可決されています。
三菱商事の株主総会動画公開(7/1)
三菱商事の株主総会の動画が7/1に三菱商事のホームページに公開されました。
こちらが株主総会での垣内社長です。垣内社長が株主総会で語ったことや質疑応答の内容において、私がポイントだなと思ったところのみ抜粋していきます。
あくまで個人的な意見ですが、非常に好印象なのはこのコロナの状況においても株主の質問にしっかり回答をしており、またその回答をしっかりと動画で公開しているところですね。
それではいきましょう!
『中期経営戦略2021』の進捗
三菱商事グループの対処すべき課題というパートにおいて垣内社長は上記のスライドを使用して中期経営戦略2021の進捗状況をこちらの通り報告しています。
- 2019年度は世界経済が減速する中で新型コロナの拡大で非常に厳しい経営環境だった。
- そのような状況においても当社の事業ポートフォリオ、成長メカニズム、人事制度改革、定量目標・資本政策から構成される中期経営戦略2021に基づき、資産入れ替え、川下領域、サービス分野での取り組みを着実に進めた。
- 新型コロナからの回復には相応の時間を要するが、全産業を俯瞰するわが社の強みと、過去から築き上げてきた国内外のパートナーとの信頼関係を活用し、事業環境の変化に対応していく。
ここでは特段踏み込んだ発言はないですね。さらっとした内容です。次の質疑応答パートで踏み込んでいるのさらに見て行きましょう。
質疑応答①:今後の世界情勢及び配当の見通しについて
- ソ連が1991年に崩壊、1992年からグローバリゼーションが始まった。その間、先進国は付加価値の低い衣料等を後進国に回してきた。そして安価な労働力で生産を行ってきた。これは比較的上手く回ってきた。
- 現在の問題は自分の国を守ろうというナショナリズム、いい悪いは別にして中国のやり方が良いのではという側面が出ていること。というのも国民が全てデジタルで掌握されているからコロナへの対処もしやすかった。一方、自由民主主義の国はそれが難しく差が出ている。
- 今後のグローバリゼーションについては中国がどういう展開になるかという難しい問題を抱えている。なぜなら中国は最先端技術も安価なマスクのようなものも中国で作っている。過去のグローバリゼーションの流れが中国では起こっていない。
- 従い、5年、10年先を見通すのは非常に難しい。キーワードは今後の技術革新をどこの国がリードするのかという点。
- 配当について、当社がバランスシートが健全で、財務が健全に推移出来るのであれば(健全にしていくつもり)、配当もしっかり行っていきたい。
最後の配当のパートについては非常にさらっとした発言ですが(笑)、三菱商事の財務は現時点でかなり強いと言えるので、しばらくは配当に関しては心配無いだろうと、わたくし総合商社マンは思っています。
質疑応答③:今年度の業績見通し(資源・自動車事業)について
- 金属資源(原料炭)、原油の推移、自動車について需要が蒸発している状況についてどう考えるか?という質問に対して、「それが分かれば業績見通しを繰り延べていない」
- ただ、簡単にコメントすると原料炭についてはコロナにおける鉄鋼需要が激減していることが背景の一つ。特に日本、インドの鉄鋼生産量の推移をこれから見通しを立てていきたい。今の状況が長期に続くとは見ていない。ただ、まずは第一四半期の結果を良く見させて頂いて、今年度の状況を見通したい。
- 原油についてはリバウンドしており40ドル程度。これについては一瞬マイナスになったような地合いではもはやない。予測できる範囲内に近づいてきている。
- 自動車については各自動車メーカー含めて構造改革をこのタイミングでやろうということになっているので、2020年度中にそれをやり遂げて、2021年に向けてエンジンをフル回転していくという体制。従い、自動車事業は2020年度は大きくは望めない。むしろ構造改革から出るネガティブなファクターが2020年度は続く。
- コロナが自動車産業を直撃している。自動車モビリティグループはその影響を大きく受ける部隊の一つ。具体的には世界的な自動車需要の低迷、工場の減産・操業停止がある。我々にとって一つの柱である三菱自動車については本年度に構造改革を行うと聞いている。従い、今年度は全体として非常に厳しい状況が想定される。
第1四半期の結果を見て業績予想を出すことを示唆する発言をしています!!
質疑応答⑦:人事制度改革について
- 最近の若い方は昔よりも早く成長したいというニーズが出ている。世の中が変わっているので当然。そういう流れの中で出来るだけ早く成長させたいという思いから制度改革を行った。
- 出来るだけ早く成長してもらうという点に関しては、思い切ってポストの表を作って、本来は年功序列だが、若い人も抜擢できる仕組みにした。そしてその業務に対し報酬を付ける。従来の完全な年功序列の体制から早期に訓練出来る場を設けるようにした。
- 一方、若くても年を取っていても規模の大小にかかわらず企業のトップとして経営するというのは大変な労力が必要。倫理観も必要。決断力も必要。結果責任も負う。こういうことを若い時から経験させて成長させていく。
- 社員の成長が三菱商事の成長に繋げられるよう、そのような成長の場を設けていきたいという考え。
商社は年功序列であることが多い中で、革新的な取り組みと言えるでしょう!
最後に:三菱商事の業績予想発表は8月頭か
三菱商事の業績予想は冒頭にも触れた通り現時点でまだ出ていませんが、今回の株主総会での垣内社長の「第1四半期の業績を良く見させて頂いて、今年度の状況を見通したい」という発言を鑑みると、業績予想の公表は8月頭の第1四半期決算発表のタイミング前後かなと予想されますね。
また、この株主総会の動画に関しては結構総合商社各社カラーが出ます。例えば今回の三菱商事は質疑応答部分まで動画で公開していますが、伊藤忠商事は例年質疑応答部分は動画で公開しておらず、質問の内容も特に書面ですら公開していなかったりします。
このあたりの三菱商事の姿勢は、株主総会に参加出来ない株主も重視していることを感じられることが出来て好印象ですね。
最近業界2位の伊藤忠商事に株価・時価総額においてやられっぱなしですので、第1四半期の業績発表で、今期業績予想はもちろんのこと、なんらかの株価対策(自社株買い等)のリリースを個人的に強く期待したいところです!
ということで今回は以上です!当ブログでは個別の銘柄について言及することがありますが、投資を推奨しているものではありません。投資は自己判断でお願いします。
今回も最後までお読み頂き有難うございました!
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