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オリックスが決算説明会を開催
オリックスが決算発表を行った翌日の5/22に「決算説明会」行いました。
オリックスはもともと5月初旬の決算発表を予定していましたが、コロナの影響で間に合わないということで、延期していたのですね。
決算発表延期に加えて、直前で自社株買い枠を満額使わずに終了してしまっていたりと、決算発表前は大丈夫か??と心配をする株主が多くいた中での決算発表となりましたが、蓋を開けてみたら税後利益は直近予想の3,000億円を上回る3,027億円とサプライズ決算となったのは記憶に新しいかと思います。
詳細は以下記事をどうぞ。
この決算発表の翌日に決算説明会が開催され、その資料及び音声がオリックスのホームページに掲載されていましたので、その内容を今回は見ていきたいと思います。
今期の決算見通しや配当に対する考え方等、結構踏み込んだ内容となっていて面白いですよ!
それでは早速見て行きましょう!
※一部、決算速報記事で記載している資料と重複がありますのでご了承ください。
2020年3月期決算説明会資料
2020年3月期決算概要は決算分析記事に既に纏めているのでほどほどにして、注目したい「株主還元の考え方」及び「21年3月期見通し」について中心に見て行きたいと思います!
業績総括(当期純利益/ROE)
当期純利益:3,027億円(前期比▲6.5%)、ROE10.3%という結果でした。前年比では利益が減少していますが、予想として出していた3,000億円は超えてきたので、このコロナの状況下では好決算だったと言えるでしょう。
業績総括(セグメント業績)
各セグメント毎の業績ですが、セグメント毎によってまちまちです。
注目すべきは一番の稼ぎ頭である「海外」セグメントで1,564億円の利益を叩き出しており、尚且つ、前年比で310億円の成長をしているところでしょうか。
ここに前期に投資をした航空ビジネスのAvolonが含まれており、新規投資をしたことで増益を達成したということですね。
法人金融、メンテリース、不動産、リテールは軒並み前年比大幅に減少していますが、これを「事業投資」と「海外」セグメントで支えたという構図になっています。
業績総括:コロナの影響
このページは2019年度決算でのコロナの影響にどのようなものがあったのかという資料です。
赤枠が実際に損失が発生したものですが、有価証券の減損やホテルの稼働率低下の影響等で総額200億円程度の下振れインパクトがあったようです。
そして、青枠の部分が個人的に一番注目したのですが、懸念されていた航空機ビジネスはやはり2019年度には影響なかったものの、言い換えれば今期の2020年度側に影響が出ると取れる資料ですね。
先ほどのセグメント部分でも書きましたが、絶好調だった「海外」セグメントにこの航空機リース事業が含まれているので、今期の稼ぎ頭への影響が懸念されます。
20年3月期実績まとめ
そしてこのページが20年3月期のまとめページです。既に上記で利益面は見たので割愛するとして、私が付け足した赤枠部分の株主還元実績について見てみましょう。
- 通期配当は76円、配当性向32%
- 自社株買い558億円の実施(34百万株の取得)、11百万株の消却
- 1,000億円を設定したものの、手元流動性重視の観点から、期間延長せず終了
この3つ目の自社株買いを満額終えずに終了した件は手元流動性の確保を理由にしたものとのことで、安全性重視をしたということですね。今後はまずはコロナの影響を見極めて判断するとのことです。
21年3月期についての考え方
この情報は注目です!今期オリックスは業績を未定としましたが、このページに業績予想に対する言及があります。
- 第3四半期までに正常化した場合:純利益1,800億円~2,000億円
- 今期末まで問題が継続した場合:純利益800億円~1,200億円
業績未定としたものの、ここまで具体的な数値を提示してくれるのはイメージを掴むという意味では有難いですね!
中長期的な方向性
赤枠部分に注目ください。
オリックスはかねてから純利益を4,000億円、5,000億円を目指していますが、その方針には変わりないものの、時間軸の見直しは必要とのこと。
具体的に何年までに達成するかのイメージを、コロナ収束後に作成する中期経営計画で検討するようです。
株主還元について
オリックスの株主還元について。
これが一番気になると思うので大見出しにしました。笑
- 21年3月期に限り、配当性向を50%まで引き上げ
- 自社株買いの検討は、コロナ収束後に行う
自社株買いは満額使い切らずに終了していますし、その理由がコロナによるものなので、今後の検討はコロナ収束後に行うというのは理にかなっていますし、納得ですね。
一方、配当性向50%まで引き上げをするという点に関してはどういう背景があるのかなーとおもっていたいのですが、これについては資料には書かれていないものの、説明会音声のQ&Aセッションで言及がありました。これが非常に興味深い内容でした。ポイントだけ書き出します。
- 税後利益が1,900億円で配当性向50%だと前期並みの配当を維持出来るという考え方によるもの。1,900億円前後はやれるかなとは思っているが、他力本願的な状況なのであえて未定とした。
- 会社として減配に対する抵抗はある。もちろんやりたくない。減配をしないようにするのが我々のつとめ。減配せずになんとか76円を出したい。
- ただし、コロナの影響が長引けば流動性確保が優先されるので減配はあり得る。でももちろんやりたくない。
- 1,800~2,000億円を下回る業績となったら減配となり得るのか?という質問に対して、「最悪の場合、そうなる。そうならないように頑張る。第2四半期が終わる頃には方向性が見えてくるので業績見通しが出せると思う。その時の状況を見て配当性向に手を付けるかどうかは改めて考える」
これは記者からの質問に対して「ひたすら配当を維持したいという想い」がにじみ出ている内容ですよね!
もちろん捉える人によって受ける印象は異なるとは思いますが、オリックスは株主還元を非常に重視している会社なんだなという印象を少なくとも私は強く受けました。
ちなみに1,900億円という数字は、先ほど21年3月期の見通しに対するパートで「第3四半期までに正常化した場合」に達成し得る数字ですね。そういうわけでこれを達成するには今後のコロナの状況が非常に重要になってきますね。
やっぱり魅力な株主優待
株価は乱高下激しいですが、やっぱりオリックスの魅力は株主優待なのでしょうね。オリックスは3月末と9月末と年2回権利確定月があり、3月はふるさと優待というカタログギフト+株主カードというオリックスグループで提示すると値引きが受けられるカードを貰うことが出来、9月末はふるさと優待はなく株主カードが貰えます。
カタログギフト
保有期間によってAコース、Bコースに分かれます。3年以上保有するとAコースとなり、Bコースよりレベルの高いギフトが選べますよ~。
株主カード
株主優待カードはこれをオリックスグループ(一部オリックスグループ外も対象)で提示するだけで割引が受けられる優待サービスです。例えば「ホテル・温泉旅館」、「すみだす水族館・新江ノ島水族館」、「オリックス公式戦」、「レンタカー」等々多岐にわたります。興味ある方はオリックスのホームページで見れますよ~。
オリックス株価動向
オリックスの株価動向を見てみましょう。
こちらが週足チャートになります。
コロナ発生前の1,2月には2,000円台に向けて突き進み、年初来高値の1,958円まで行きましたが、コロナショックに巻き込まれた結果、3月には年初来安値の1,100円とほぼ半値水準まで暴落をしました。そして決算発表が好感されて、足元は1,491円まで戻している段階ですね。
それにしてもすごいチャートの形です。笑
ちなみに前期の配当を維持した場合は、現在の配当利回りは5.09%です!
最後に:株主総会は6月26日(金)!
オリックスの株主総会ですが先日書いた決算記事では配当の支払い日が6/18(木)と記載されていたので、てっきり6/18に開催されると思っていましたが、6/26(金)に決定されました。
一方で、配当の支払い開始日は6/18(木)とも開示されています。
あれ?配当って株主総会で「剰余金の処分案」として議題に上げられて、決議された後に支払われるんではないの??と思って株主総会招集通知見てみたら、今回の株主総会の決議事項は「取締役12名選任の件」だけ。
「え、なんだこれ?」とさらに思い、去年の株主総会の資料見たけど同じく株主総会で決議されているのは取締役選任だけでした。
会社の定款で配当は株主総会の決議なくして決められるとかそうなっているのかしら。あー不思議。笑
ま、いずれにせよ、株主の皆さん!配当金は6/18から支払い開始されるそうですよ!
ということで今回は以上です!オリックスの株主還元に対する考えが垣間見えて良い決算説明会でした!
最後までお読み頂き有難うございました!
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