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【双日】株主総会・質疑応答要旨まとめ(2020年6月)

こんにちは!総合商社マンです!双日が株主総会を開催したよ!

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双日が株主総会を開催(6/18)

双日が6/18に第17回定時株主総会を開催しました。今年はコロナの影響もあり規模を縮小する形の異例の開催となり、当日の出席者は65人と前年の460人からは激減となっています。

また、株主総会の開催時間も午前10:00に開始し、終了は10:32と、約30分間の非常に短い時間で行われたようです。昨年は1時間10分かかっているので、こちらもまたスピーディーに開催されたようですね。

さて、株主総会を終えた双日ですが、双日のIRページに株主総会での質疑応答要旨が掲載されていましたので、今回はその内容に焦点を当てて見たいと思いますよ。双日は以下の通り今期の業績見通しは発表したものの配当予想はまだ未公表です。

 

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今期の業績予想や配当のあたりに対する言及があるのかについても注目ですね。では早速見て行きましょう!

 

双日の株主総会・質疑応答要旨

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双日の株主総会での質疑応答要旨を見てみます。株主からの質問に経営陣が回答する形式でやり取りが行われているので、その一部を抜粋していきますね。

 

①株価及び株主優待制度について

 

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株価と優待制度についての質問ですね。

ちょっと文字が小さくて見にくいかもしれませんが、ポイントは以下点かな。 

  • 双日は総合商社下位なのでインデックス投資家に売られやすい傾向にある
  • 「株主優待」は一つの株主還元方法だが、あくまで現在重視しているのは「配当」
  • 来期に次期中期経営計画を発表することになるが、今後の株主還元策は1年かけてじっくり考える
  • 自己株式取得・株主優待も材料の一つだが、継続且つ安定配当で株価上昇を目指したい

この回答を見ると、まず株主優待設置はないでしょうね。総合商社どこもやっていませんしね。※三菱商事が隠れ優待銘柄とは言われていますが。

インデックス機関投資家が業界下位企業をまず売るというのは初めて聞いたので勉強になりました。笑

 

②今後の事業取組方針について

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 どのような分野を今後攻めていくのかという質問ですね。ポイントは以下。

  • 前&現中計でそれぞれ3,000億円の投資枠を設けたが、対象は非資源事業。
  • 資源分野についてはこれ以上資産は増やさず、投資する場合は資産入れ替え。
  • 現在非資源の比率は70%程度と伸びてきている。
  • まだまだ非資源収益は足りないが、非資源事業への投資を増やし収益を上げていきたい。

今どこの商社も非資源の成長を掲げているので、そこを伸ばすという方針ですね。

ちなみに双日に限った話ではないですが、「非資源比率が上昇しました!」ってのは、仮に非資源収益が変わらなくても、資源分野の収益が減少すれば勝手に非資源比率の割合は増えますので、非資源比率の成長が非資源収益の成長によってもたらされているかどうかはチェックする必要ありますよ~。

 

③2020年度の業績及び配当の見通しについて

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待ってました!今期業績見通し及び配当方針に関する記事ですね。ここが一番株主さんは知りたい内容でしょう。ポイントは以下。

  • 公表済の今期業績見通しは400億円。これはロックダウンが3カ月(4-6月)継続した場合に前期から230億円減益要因となり、加えてリストラ費用50億円を見込んで400億円としているもの。
  • 4月までの状況ではこれが400億円~450億円となる見込み。
  • 配当については配当性向30%程度を守っていきたい。

これを見て良く分からなかったのが二つ目の「4月までの状況では400億円~450億円」と言っているところですね。4月?って思いました。というのも双日が400億円の業績予想を公表したのは4月30日ですから、5月か6月までの状況というのなら分かりますがなんで4月なんだろう。笑

さて、本題の配当です。配当性向30%を守ると言っています。聞こえはいいかもですが、これは即ち「減配になるよ」と言っています。

これは今期業績予想を出したの時の決算短信の抜粋です。

 

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400億円の場合の一株当たり利益は33.34円ですので、配当性向が仮に30%となると年間配当は10円ですね。双日の前期配当額は17円ですので、大きな減配となりますね。

今のところ三菱商事、伊藤忠商事は業績が悪化しても累進配当で増配を公表済ですし、三井、豊田通商、住商は減益でも配当維持してますので、ここで大量の差がはっきりと出る形になりましたね。

 

④双日が強みとする事業について

 

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 自動車・航空機以外の双日の強みとは?という質問が出たようですね。ポイントは以下。

  • 双日は16年という短い歴史だが、元はニチメン・日商岩井で強い繋がりのあるお客様がいる。
  • インドネシアはアダログループという財閥、ベトナムでは首相と関係構築あり。
  • フィリピンにも財閥がおり、肥料、製パン事業等あり。

東南アジアが強みということのようです。

 

双日の株価推移

双日の株価推移を見てみましょう。こちら週足チャートです。 

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2019年初旬は400円台突破していましたがその後ずるずる下がり始め、コロナでストンとつるべ落としとなり、一時224円の年初来安値を付けた後、落ち着きどころを探っているという段階ですね。

先ほど言ったように今期の減配はほぼ確実で、仮に配当が10円となると今の株価での配当利回りは4.1%程度となりますので今の株価が現時点では適正レベルといったところでしょう。

ただし、あくまで400億円で計算した場合ですので、今後業績が回復するような状況になれば配当も10円から増加することになりますので株価にはポジティブに働くでしょうね。

 

最後に:株主総会資料は面白い

定時株主総会は前期の決算承認や、役員の選定であったり、配当をいくら払うのか等について決議をするもので、基本的に否決されることなく出来レースになることが多いですが、株主総会は株主と直接対話をする機会でもあるのでその内容に注目すると結構面白いです。

例えば役員の選定についても、各役員が就任することに対して株主が賛成・反対した割合が開示されていたりするので、どの役員が株主から人気があったのかとか、いろんな見方が出来ますよ。笑

株主の方ではない人でも企業のHPにいくと関連資料が開示されていて見れますので、一度目を通してみるのも良いかもしれませんね!

 

ということで今回は以上です!当ブログでは個別の銘柄について言及することがありますが、投資を推奨しているものではありません。投資は自己判断でお願いします。

今回も最後までお読み頂き有難うございました!

 

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