こんにちは!総合商社マンです!伊藤忠商事が21年度第1四半期の決算を発表したよ!過去最高益更新も、上方修正なし!
伊藤忠商事が21年度第1四半期決算を発表
伊藤忠商事が8/4の場中に2021年度第1四半期の決算発表を行いました。今回の伊藤忠商事の決算発表が21年度1Q総合商社決算発表の最後になります。
伊藤忠商事は前期の20年度実績が4,014億円となり、業界の雄三菱商事をおさえて業界1位となっていましたね。そして今期業績予想を5,500億円と発表しており、三井物産4,600億円、三菱商事3,800億円をこれまたおさえて2期連続業界トップを維持する計画となっていましたが、三井物産が業績予想を6,400億円に上方修正しており、三菱商事も上方修正を匂わすなど、早くも業界トップから陥落するのかが注目となっています。
果たして2期連続トップを維持出来るのか、伊藤忠商事が発表した決算資料から決算内容を見ていきたいと思います。それでは参りましょう!
※当記事内掲載のスライドは全て伊藤忠商事の決算公表資料の抜粋です。
21年度第1四半期(22年3月期)決算概要
伊藤忠商事の21年度第1四半期(22年3月期)の決算概要を、伊藤忠商事が公表した決算資料から見ていきたいと思います。決算概要スライドがこちらです。
ポイントを箇条書きします。
- 当期純利益は過去最高の2,675億円、前年比+1,627億円。念間業績予想5,500億円に対する進捗率は49%に到達。
- 1Q利益2,675億円の内、一過性損益は875億円と巨額、基礎収益は1,800億円となり、こちらも過去最高益。
- 実質営業CFは1,770億円となり、1Qとしては過去最高。
これまたとんでもない利益を叩き出してきました。過去の四半期利益で「過去最高」、基礎収益も「過去最高」、実質営業CFは過去の1Qの中で「過去最高」と、やはり伊藤忠は過去最高を強調するのが好きですね。笑
利益面についてもう少し詳しく見ていきます。
こちらのスライドはセグメント別の前年比較です
細々としているのでポイントを箇条書きします。
- 1Q実績の当期利益2,675億円の内、非資源は1,994億円、資源748億円。非資源比率は73%と前年の78%からは下落。
- 伊藤忠は全部で8セグメントあり、「情報金融」を除いた7セグメントにおいて全て前年比増益。赤字セグメントは無し。
- 利益を大きくけん引したのは金属(前年比+531億円)及び住生活(前年比+434億円)で、年間進捗率は前者で+56%、後者は82%。ファミマ事業の第8は既に+121%に到達。
- 一方、繊維事業の進捗率は+23%、エネルギー・化学品は+26%、情報金融は+27%と濃淡はあり。
各セグメントにおいて濃淡はあるものの、総じて好調な決算で推移しているようです。進捗率が大きく出ているところは1Qで発生している一過性利益+875億円も関係している可能性がありますので、その内訳を見てみましょう。こちらのスライドです。
ポイントを箇条書きしてみます。
- 20年度1Qの一過性利益は160億円だったのに対し、今期は+875億円と巨額。
- 大きなものとして、住生活で305億円、第8で295億円、金属で220億円を計上。
先ほど見た各セグメントにおいて進捗率が高く出ていた「住生活」「第8」「金属」でやはり大きな一過性利益が出ているのが分かりますね。つまり2Q以降はこの3セグメントの利益が出るスピードは鈍化することが予想されます。
尚、前回20年度決算の際に、日本会計基準を採用している単体決算で▲2,427億円という巨額の損失計上を立てた(連結決算はIFRS基準のため損失影響無し)中国国営のCITICの株価も見てみましたが、中国市場が大荒れになっているので株価の影響受けているのかと思い見てみましたが、そこまで大きな下落となっている様子は無さそうです。
キャッシュフロー
伊藤忠商事のキャッシュフローを見てみましょう。こちらのスライドをご覧ください。
下段の実質的CFのほうにフォーカスします。ポイントを箇条書きします。
- 実質営業CFは前年比+810億円増収の1,770億円で過去最高。
- 実質フリーCFは前年比+2,060億円増収の2,070億円で過去最高。
利益だけでなく、キャッシュフローも稼げていることが分かります(じゃー自社株買いちゃんとやればいいのに)。
21年度(22年3月期)年間業績&配当予想
伊藤忠商事の21年度年間業績予想及び配当予想も見ておきましょう。結論から言うと、今回変更は無しとなりました。特段スライドが無かったので決算短信から抜粋します。
ポイントを箇条書きします。
- 21年度業績予想は前年比+37%増益の5,500億円から変更なし。
- 配当は前年比+6円増配の94円から変更なし。
既に年間業績予想5,500億円に対する進捗率は49%に達しているにも関わらず、上方修正なしということで、過去最高益の+2,675億円を叩き出したにも関わらず決算発表後の株価は▲1%程度下落しています。
一応株主還元方針のスライドがあったので見ておきましょう。
このスライドは前回決算時に公表した中期経営計画資料と同じものですね。
- 21年度は94円/年を下限とし、業績上方修正の場合は増配を実現。
- 中計期間中に100円/年を目指す。
- 自社株買いを機動的、継続的に実行。
ま、まだ1Qということで上方修正しなかったと信じたいところではありますが、過去の伊藤忠の決算を見ていると、だいたい4Qで減損処理を出して期初予算とほぼ同額の利益に落ち着くので、あまり期中の上方修正&増配には期待せずにおこうと思います。
最後に:三井物産VS三菱商事VS伊藤忠商事
今回伊藤忠商事の21年度1Q決算を見てきましたが、1Q利益は商社最大の2,675億円と度肝を抜いてくれましたね。
今回利益予想を4,600億円⇒6,400億円に上方修正した三井物産でも1Q利益は1,913億円です。ただし、伊藤忠の2,675億円には一過性利益が875億円入っており、基礎収益は1,800億円ですので、三井物産と三菱商事の利益と比較すると以下の様な状況となっています。
- 伊藤忠商事:2,675億円(内、基礎収益1,800億円)※通期業績予想5,500億円
- 三井物産:1,913億円(内、基礎収益1,905億円)※通期業績予想6,400億円
- 三菱商事:1,876億円(内、基礎収益1,801億円)※通期業績予想3,800億円
基礎収益は当期利益から一過性損益を除いた数字を記載しています。いかがでしょう。この3社でとてつもないデッドヒートが繰り広げられているのかが分かりますね。通期業績予想はこの3社の中では今回三井物産だけが上方修正をしましたが、三菱商事も2Qにかけて上方修正額を精査するという主旨の発言があり、上方修正濃厚です。
さてさて、非常に面白くなってきました!!私はこの3社ともに株式保有しているので、このデッドヒートを株価の上昇と共に楽しみたいと思っています。笑
最後に、総合商社トップ3の三菱商事、伊藤忠商事、三井物産の総合商社株を含んだ私の最新投資ポートフォリオを以下記事で公開しているので興味あれば御覧ください。なかなか偏重しております。笑
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ということで、以上になります!
当ブログでは個別の銘柄について言及することがありますが、投資を推奨しているものではありません。投資は自己判断でお願いします。
今回も最後までお読み頂き有難うございました!