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【JT】20年度第2四半期決算発表速報!海外事業絶好調だけど配当性向95%に到達!

こんにちは!総合商社マンです!JTが2020年第2四半期の決算を発表したよ!高配当の行方や如何に!?

 

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JTが20年度第2四半期の決算を発表 

JTが2020年第2四半期の決算を発表しました。JTは12月決算の会社なので、このタイミングで第2四半期の決算発表なのですね。JTは「高配当利回り&株主優待」という理由から個人株主に非常に人気ですので、今回の決算発表もかなり注目が集まっていると思われます。だって配当利回り8%超えでっせ。笑

加えて前回の1Q決算時に2Q以降に業績予想修正に含みを持たせていましたので、その答えが今回の決算発表なわけです。

さて、これからJTの決算内容を見ていきますが、その前に簡単にJTのビジネス構成についてお話しておきます。そのほうが決算資料読みやすくなりますので。

こちらがJTのばくっとした概要です!(※2019年度決算内容から考察したもの)

  • JTのビジネス構成は①タバコ事業、②医薬品事業、③加工食品
  • タバコ事業だけで全体の100%以上の営業利益を稼いでいる(100%以上というのは他の事業はマイナスという意味)。
  • そしてたばこ事業の営業利益の内、7割が海外、3割が国内で稼いでいる。

こんな感じです。要はタバコ以外にもビジネスやっているけど、結局はタバコで稼いでいる会社ということです。つまりタバコビジネスの動向を見ればJTが好調なのか不調なのか分かりますよ。詳細は以下記事にまとめていますので興味あればそちらをご覧ください!

 

www.sogoshoshaman.com

  

それでは決算の内容を見ていきましょう!

 

20年度第2四半期決算概要

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JTの20年度第2四半期決算概要をJTが発表した決算資料からひも解いていきたいと思います。まず定量面からいきます。こちらのスライドをご覧ください。

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  1. 売上は前年同期比▲2.7%と微減。
  2. 営業利益は▲19.1%と大きく減益。海外たばこ事業は値上げ効果で高水準の成長をしたものの、円高が想定以上でそのパフォーマンスを相殺してしまった状況。
  3. 四半期利益は1,725億円と前年比▲23.8%という結果。

減収減益となっているものの、比較的嗜好品というのはコロナ禍であっても底堅く強いのかなという印象を受けましたが、もう少し詳しく見てみましょう。先ほども言ったようにJT=タバコです。他の食品・医療は無視できるレベルですので、タバコ事業に特化して見てみます。

まず国内タバコ事業です。こちらのスライドをご覧ください。

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  1. 売上は▲11.9%減収の2,488億円。
  2. 営業利益は▲25.1%減益の818億円。

このスライドとは別のページに記載あったのですが、4,5月は前年比15%程度売り上げが減少したものの、6月はほぼ3月の水準まで回復しているようです。

続いて海外タバコ事業です。これがJTの最大の稼ぎ柱です。こちらのスライドをご覧ください。

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  1. 売上は前年同期比+3.1%増収の6,261億円。
  2. 営業利益は前年同期比+15.6%増益の2,143億円。

え、海外事業絶好調ですやん。イラン、フィリピン、ロシア、トルコにおける値上げ効果、欧州の高単価市場での堅調な数量実績等あったようです。やはり嗜好品は強い!!ということなのでしょうかね。海外好調であるものの、新興国通貨安には引き続き注意必要です。

 

 

20年度年間業績予想&配当見通し

JTの20年度年間業績予想と配当見通しを見てみましょう。ここがある意味一番気になるところかもしれませんね。前回の決算発表で見直し示唆していましたので。

まず年間業績見通しです。こちらはやはり修正がありました!こちらのスライドをご覧ください。

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ポイントを箇条書きします。

  1. 売上を▲7.6%下方修正。
  2. 営業利益を▲16%下方修正し4,220億円。
  3. 当期純利益を▲17.9%、▲190億円下方修正し2,860億円。
  4. フリーキャッシュフローを▲200億円下方修正し3,500億円。 

 スライド右側に色々書いていますが、ま、一言で言えばコロナによるものです。この下方修正の前提についても見ておきましょう。

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これまたポイント箇条書きします。

  1. 現在の各国のロックダウンが段階的に解除される前提。
  2. 第二波によるロックダウン等は含めていない
  3. 経済回復はU字型で4-6月が影響ピークでその後徐々に回復するも年内は影響継続

こんな前提で今回の修正予想を出したとのこと。コロナ第二波は織り込んでいないという点には注意が必要ですね。

そしてそして、気になるのが配当ですね。こちらをご覧ください。

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これは決算短信の抜粋ですが、「修正無し」です!期末配当77円をキープしていますので、年間配当は上期の77円と合わせて合計154円の予想となっています。ホルダーの皆さん、良かったですね!

ちなみに本日の終値1,812円で計算すると配当利回り驚異の8.5%です。笑 まじかよ、っていうレベルですね。笑

 

最後に:配当性向95%だけど大丈夫?

今回JTの決算発表を見てきましたが、業績下方修正したものの、配当は維持をしてきましたね。その結果、配当性向は驚異の95.6%にまで達しています。

これだけ見ると「やべーなJT」と思うかもしれませんが、一方でキャッシュフローに目を向けてみるとどうでしょう。ちなみに年間154円の配当をJTが支払うとすると支払い配当総額は2,730億円程度になります。

一方、先ほど今期のフリーキャッシュフローは3,500億円と書きましたね。つまり配当を154円支払ったとしても、配当支払い後フリーキャッシュフローは黒字を維持しています。配当性向95%だけ見るとやばそうに見えますが、キャッシュフロー的には支払いしてもまだ余裕ある感じということが分かりますね。

 とりあえず2Q決算は乗り切ったというところで、ホルダーの皆さんは良い週末を迎えられるでしょうかね!これで週明け下げたら言葉がありませんが。笑 

ということで今回は以上です! 

尚、決算書の読み方を勉強したいと思われている方にはこちらの本がおススメです。

 

 

堅苦しくなく、決算書の読み方全然分かりません!という方から、かじったことはあるけど改めて理解したいという初心者~中級者の方向けの本です。私自身も今更ながら改めて読むと頭の整理に繋がって非常に良書でした!

中級者以上だとこちらの本が個人的におすすめかな。 

 

 

先に紹介した本よりはもう少し踏み込んでいて、尚且つ読みやすい良書です!

  

当ブログでは個別の銘柄について言及することがありますが、投資を推奨しているものではありません。投資は自己判断でお願いします。

今回も最後までお読み頂き有難うございました!

 

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