こんにちは!総合商社マンです!三井物産が20年度第1四半期の決算発表したよ!進捗率は好調です!
三井物産が20年3月度第1四半期決算を発表
三井物産が本日7/31に2020年度第1四半期の決算発表を行いました。総合商社各社の決算発表は本日この三井物産を皮切りに始まり8/13の三菱商事まで続きます。コロナ禍にあって前年比減益率が最も大きい予想を出しているのがこの三井物産ですので、今回どんな決算を発表したのか早速見て行きたいと思います!
20年度第1四半期決算概要
三井物産の20年度第1四半期決算の概要を、三井物産が公表した決算資料を眺めながら見て行きたいと思います。
まず定量面からです。こちらのスライドをご覧ください。
これは決算短信からの抜粋ですが、ポイントは以下です。
- 収益は前年同期比▲6.8%。
- 当期純利益は前年比▲50%減少の626億円。
前年比利益半減という痛ましい決算状況ですが、一方でポジティブな面もあります。こちらのスライドをご覧ください。
- 当期純利益は前年比半減したものの、今期事業計画の1,800円に対しては35%の進捗率を達成。1Qで25%を超えてきたのはポジティブ。
- 基礎営業キャッシュフローは前年比▲316億円減少するも、今期事業計画4,000億円に対しての進捗率は28%となり、こちらも25%を超えてきた水準。
対前年比ではしんどい状況なるも、今期発表済の事業計画に対しては順調に推移中と言える状況ですね。
ただし、このスライドにも記載ある通り、「一部関係会社でコロナの影響が連結業績に本格的に出始めるのは第2四半期以降」ということなので、楽観視はしないほうがよさそうです。
もう少し詳しく見てみましょう。続いてセグメント別です。まず基礎営業キャッシュフローです。
ポイントを箇条書きします。
- 基礎営業キャッシュフロー全体は前年比▲316億円の1,108億円という結果。
- 化学品、鉄鋼製品、次世代において前年比増加。
- 金属、エネルギー、機械インフラ、生活産業において前年比減少。
こんな感じ。資源系はやっぱりやられていますが、このキャッシュフローにおいては思ったより減少幅が小さいような印象を受けました。
続いて四半期純利益のセグメント別を見てみましょう。こちらは結構すごいです。こちらのスライドをご覧ください。
ポイントを箇条書きします。
- 四半期純利益全体は626億円となり、前年比▲50%減少。
- 機械・インフラ、化学品、次世代が前年比増益。
- 金属資源、エネルギー、鉄鋼製品、生活産業が前年比減益。
- 特にエネルギーの利益減少が凄まじく(ピンク色部分)、前年404億円だった利益が35億円に急減。
三井物産の屋台骨である金属資源・エネルギーいずれも利益減少し、特にエネルギーの利益減少が酷い状況ということが分かります。ちなみに期初発表した今期予算においてエネルギー部門は「今期利益ゼロ」という前提になっていたので、特にサプライズではないですが、やはりこうして結果を見てみると改めてコロナショックの影響の大きさを感じさせますね。
さて、当期純利益についてもう少し見てみます。この第1四半期に減損は発生していたのでしょうか?こちらのスライドをご覧ください。
このスライドは前年の当期純利益と今期の当期純利益の差を要因別に分けて説明したスライドです。減損有無について箇条書きしますね。
- このスライド右側にある「評価性/特殊要因」において▲180億円という記載あり。
- ▲180億円の内、▲110億円は前年の反動(前年利益計上がありその反落)
- 今期▲70億円の減損発生、内▲50億円がモザンビーク石炭事業。
今回の第1四半期にそこまで巨額の減損は発生していないようですね。ま、今後は分かりませんがひとまず胸を撫でおろしました。。
20年度年間業績予想&配当予想
三井物産の20年度年間業績予想を見ておきましょう。決算短信から該当部分を抜粋してみます。
まず年間業績予想はこちらです。
御覧の通り、期初に発表している業績予想1,800億円から変更はありません。
続いて配当予想です。
こちらも変更無しです。年間80円(上期40円、下期40円)を予定しています。三井物産は今年の5月に行った2019年度決算発表において同時に新中期経営計画を発表しています。その中期経営計画では期間中は配当80円を下限保証することを宣言していますので、すぐに減配ということにはならないと思いますね。
最後に:進捗率は高いけど株式市場の評価はマイナス
今回三井物産が総合商社のトップバッターとして決算発表を行いました。利益面、キャッシュフロー面の進捗率は悪くない状況ですが、株式市場では売られています。正確に言うと決算発表前の朝から売られまくっていた状況で決算発表を行い、一瞬上昇するも強い反発に至らず、という状況です。
進捗率が良いといっても、今期の年間利益予想1,800億円と前年比▲54%の計画となっていますので、それを多少超えても市場は評価しないということなのかもしれませんね。資源価格が戻り始めてきている一方で、コロナの拡大は止まっていないという状況からまだまだ先行きが不透明な状況継続ですので、商社株もしばらくは軟調推移かもしれません。
ということで以上です!
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