こんにちは!総合商社マンです!三菱商事が20年度通期の決算発表したよ!まさかまさかの増配ストップ!2期連続業界首位転落ほぼ確実か!?
三菱商事が20年度通期決算を発表
三菱商事が5/7の場中13:45に2020年度通期の決算発表を行いました。三菱商事の今期業績予想は2,000億円と公表しており、前回の上半期決算時点での進捗率は85%に達していましたが、上方修正はありませんでしたね。そのため20年度中になんらかの減損が発生するのではと個人的に予想していましたが、結果どうなったのか、そして20年度の首位陥落はほぼ間違いない状況になっていましたが、今期となる21年度の業績予想がどうなっているのか、三菱商事の決算資料から見ていきたいと思います!
結論を先に言うと、まさかまさかの増配ストップ、二期連続首位陥落可能性大です。
それでは参りましょう!
※当記事掲載のスライドは全て三菱商事の決算公表資料からの抜粋です。
20年度通期(21年3月期)決算概要
三菱商事の20年度通期(21年3月期決算の概要を、三菱商事が公表した決算資料を眺めながら纏めていきます。まず損益関連を中心に見ていきます。
全体の定量面概要がこちらのスライドです。
まず20年度実績にフォーカスしてポイントを箇条書きします。
- 20年度当期純利益は1,726億円と期初予算の2,000億円に未達。対前年比では▲3,628億円の大幅減益。
- ▲3,628億円の内訳は前年一過性損益の反動で▲562億円、当年度一過性損益▲1,542億円、巡航利益の減少▲1,524億円。
- 当期利益1,726億円の内、事業系は1,066億円(前年比▲2,138億円)、市況系は506億円(前年比▲1,484億円)。
かなり厳しい数字が並んでいます。3Q時点で期初予算の2,000億円に対する進捗率は85%の1,691億円に達していましたが、通期で1,726億円となっており、4Qでは35億円しか稼げなかった計算になります。3Qの決算発表時に仄めかされていた三菱自工向け減損損失やローソンの減損が発生しているようです。減損については後ほど詳しく見てみましょう。
続いてセグメント別の当期利益を見てみます。
セグメント別に前年と比較をしているものですね。
ポイントを箇条書きします。
- 全10セグメント中、赤字セグメントは自動車モビリティとコンシューマー産業の二つ。自動車モビリティは三菱自工向け減損、コンシューマー産業はローソン向け減損で赤字になっているもの。
- 前年比増益となっているのは全10セグメント中、石油化学の1セグメントのみで、それ以外は全て減益決算。石油化学が増益となっているもの、前年シンガポールでの不正デリバティブ損失計上の反動によるもので好調とはいえない。
20年度は好調なセグメントはゼロに等しいような状況であったことが分かります。
そして先ほどから出てきている減損について見てみましょう。こちらのスライドです。
細々としてしてみづいらですが、ポイントは以下です。
- 20年度年間の一過性損失は合計▲1,752億円。
- このうち、4Q決算だけで▲1,221億円を計上。
- さらにその中で一番大きいのがローソンの減損で▲836億円。
- 三菱自工含めた自動車関連では年間▲526億円。
前回決算で三菱自工の構造改革費用取り込みや、それ以外の減損を仄めかしていましたが、意外と4Qだけで見ると三菱自工の構造改革費用は少なくともこのスライドを見る限り計上されていません。一方で、ローソンの減損がどかんと大きなものが入ってきましたね。これが2,000億円達成出来なかった要因の一つです。
キャッシュフロー
三菱商事のキャッシュフローの状況を見ておきましょう。
こちらのスライドをご覧ください。
ポイントを箇条書きします。
- 営業収益CFは前年の8,497億円から増収の1兆176億円。
- 営業収益CFは若干減収の6,252億円(前年6,721億円)。
- フリーキャッシュフローは大幅増収の2,679億円(前年1,714億円)
減損連発で減益決算なるもやはりキャッシュは稼げていることが分かります。この点は安心感あります。がしかし、21年度の配当でやらかしてくれました。。。次の章で21年度業績予想を見てみます。
21年度年間業績見通し&配当予想
三菱商事の21年度年間業績見通し及び配当予想を見ておきましょう。
このスライドの一番右側と右下が21年度業績予想及び配当情報です。
- 当期純利益は3,800億円。内、事業系3,163億円、市況系647億円。
- 配当金は20年度は134円(+2円増配)、そして21年度は134円据え置き。
まず当期純利益ですが、事業系の回復は著しい一方で、市況系が全く回復していないことが分かります。これは三菱商事の稼ぎ頭である金属資源グループの原料炭価格の低迷を踏まえ、慎重に見極める必要があるため、前年度比微増の計画をしている、という説明書きがあります。
そして、配当についてやってくれました三菱商事。累進配当を宣言してくれていますが、まさかの増配無し、前年比据え置き予想となりました。この配当についてのスライドがあるのでこちらをご覧ください。
- 20年度実績は大口損失の計上などにより業績見通しは未達となったものの、事業ポートフォリオは環境変化への耐性を維持していることから累進配当を継続。
- 2021年度配当見通し:累進配当制の下、134円。
あの、三菱商事さん、何言っているのか良く分からないんですけど?笑
わたしは三菱商事は毎期増配を目指す型の累進配当ポリシーだと信じていましたが、そうではなかったようで、とても残念です。 ちなみに20年度の三菱商事の配当性向は114.7%、21年度は52.1%となっています。
21年度の業績予想の市況前提も見ておきましょう。こちらです。
- ドル円:108円(1円で20億円のインパクト)
- ドバイ原油:54ドル(1ドル25億円のインパクト)
- 銅:7,826ドル(USD100で13億円のインパクト)
一番気になる原料炭は毎度取引先との兼ね合い等もあるのでしょう、非公開です。
最後に:王者転落。21年度の上振れは原料炭市況次第か
今回三菱商事の20年度通期実績及び21年度業績予想を見てきましたが、ネガティブサプライズだらけの決算となってしまった印象です。
- 20年度業績予想未達で王者陥落
- 増配停止、21年度は配当据え置き
- 21年度業績予想も今一つで王者陥落
正直、残念過ぎる決算内容でしたね個人的には。20年度で大きな減損処理をしたにも関わらず、21年度がコロナ禍前の業績水準にまでV字回復に至っていないということです。
三菱商事は今期21年度が現在の中期経営戦略の最終年度に当たります。もともとこの戦略では21年度純利益9,000億円、その場合の配当金200円を目指していましたが、蓋を開けてみたら最終年度3,800億円、挙句の果てに増配停止という結果。なかなかのクソ決算でした。
ま、ここまでこき下ろしてきましたが、まだ期が始まったばかりで、期中での上方修正&増配を期待して私はガチホし続けます! ←するんかい。笑
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- JPモルガンがビットコインの長期的見通しを14万6,000ドル(1,500万円程度)と発表。
- イーロンマスク率いるテスラがビットコイン購入。
- 米国金融大手のBANK OF NEWYORK メロンが仮想通貨資産管理サービス導入
- VISAも仮想通貨に参入
- 米大手仮想通貨取引所コインベースがナスダックに上場
そして次の大きなイベントは米フィデリティのビットコインETF上場になるかもしれませんね。実現出来れば大口の資金流入が期待出来るので非常に楽しみな展開になりそうで期待しています!
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個人的な仮想通貨の一番のメリットは週末も取引が出来て暇つぶしになることかな。笑
ということで、以上になります!
当ブログでは個別の銘柄について言及することがありますが、投資を推奨しているものではありません。投資は自己判断でお願いします。
今回も最後までお読み頂き有難うございました!