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【住友商事】20年度通期決算概要!追加減損発生!21年度は丸紅と熾烈な戦いへ!

こんにちは!総合商社マンです!住友商事が20年度(21年3月期)通期の決算発表したよ!追加減損発生で上方修正後数字達成出来ず!21年度は丸紅とガチンコ勝負です!

 

住友商事ロゴ

 

  

 

住友商事が20年度(21年3月期)通期を発表

住友商事が5/7の場中12:30に2020年度(21年3月期)通期の決算発表を行いました。

住友商事は総合商社の中で今期唯一の赤字予想を出している状況で、その額▲1,500億円という巨額赤字です。年明けの1月にも知る人ぞ知る悪名名高いマダガスカルのニッケルビジネス「アンバドビープロジェクト」で▲300億円の追加減損を発表していましたが、前回Q3決算で業績を▲1,500億円の赤字から▲1,200億円に上方修正させていましたね。

上方修正後も赤字であることに変わりありませんが、基礎収益の回復が顕著に表れている決算で市場は好感していました。果たして20年度で膿を出し切ることが出来たのか、そして2021年度にV字回復がどこまで出来るのか、住商が公表した決算資料を見ていきたいと思います!

 

※当記事内のスライドは全て住友商事が公表した決算資料からの抜粋です。 

  

20年度通期(21年3月期)決算概要

住友商事決算資料202103-1


住友商事の20年度通期の決算概要を見ていきます。

定量面中心にいきます。こちらのスライドをご覧ください。

住友商事決算資料202103-2


ポイントを箇条書きします。

  1. 20年度当期純利益は▲1,531億円。3Qにわざわざ▲1,200億円に上方修正したにもかかわらず、結局期初予算の▲1,500億円より悪化。
  2. 一過性を除く業績は1,980億円と前年比▲500億円。
  3. 一過性を除く業績は4Qに680億円まで順調に右肩上がりで回復中。

3Qの上方修正はなんだったのと言いたくなりますが、追加減損が発生している可能性がありますね。後ほど詳しく見てみましょう。

 

もう少し利益面を詳しく見てみましょう。こちらのスライドをご覧ください。セグメント別の利益スライドです。

住友商事決算資料202103-3

 

左側の灰色棒グラフが2019年度実績、右側の緑色棒グラフが2020年度実績です。

ポイントを箇条書きします。

  1. 全6セグメント中、黒字セグメントはメディアデジタルのみで、それ以外は全て赤字決算。
  2. 前年比増益となっているのは全6セグメント中、金属及びメディアデジタルのみ。
  3. 赤字セグメントでは特に資源化学品、インフラの減益幅が巨額。

このスライドの一番下に各セグメントに含まれている一過性損益が表示されていますが、メディアデジタル以外全てのセグメントで減損が発生しているのが分かりますね。特にインフラで▲940億円、資源化学品で▲960億円、金属で▲460億円、生活不動産で▲450億円と広範囲に渡って減損計上し、本腰を入れた構造改革をしていることが伺える内容です。

 

この一過性損益についても詳しく見てみましょう。

住友商事決算資料202103-4


ポイントを箇条書きします。

  • 前回3Q決算時点で年間の減損額は▲3,000億円予想だったが、最終的に3,510億円と減損額を上積み。
  • 4Q決算だけで▲1,070億円となっており、3Q想定時の4Q減損額560億円からほぼ倍増。

3Qで利益予想を▲1,500億円⇒▲1,200億円に上方修正したにもかかわらず未達となったのはこの減損額上積みによるものであることが分かりますね。どうせ赤字であれば出せるものは出しておけ、という経営判断だと思われますが、上方修正しなくてよかったのではと不思議な印象をうけます。笑

 

キャッシュフロー

住友商事のキャッシュフローも見ていきます。こちらのスライドをご覧ください。左側がキャッシュフローに該当する部分ですね。

住友商事決算資料202103-5


ポイントを箇条書きします。 

  1. 営業CFは4,671億円と前年の+3,266億円から増収。
  2. フリーキャッシュフローは3,470億円と前年の1,232億円から大幅に増収。

営業CFは増収して投資を絞った結果、フリーキャッシュフローは大幅に増えている状況です。20年度は大幅な赤字転落となりましたが、キャッシュアウトを伴わない減損が理由であるため、キャッシュを稼ぐ力は棄損していないことが分かり安心感があります。

 

21年度通期業績&配当予想

住友商事の21年度通期業績及び配当予想も見ておきましょう。住友商事は今回の決算発表に合わせて2021年度~2023年度を対象として中期経営計画も発表しています。そのあたりも含めて業績予想を確認します。

こちらのスライドをご覧ください。

住友商事業績予想202203-1

 

ポイントを箇条書きします。

  1. 21年度通期予想は2,300億円とV字回復。
  2. 中経最終年度の2023年度は3,000億円以上。過去最高益を目指す。

 

住友商事のコロナ禍前の過去最高益は2019年度の3,205億円ですので、21年度はまだコロナ禍前の回復には至らないものの、今回の中期経営計画の中で過去最高を目指すことを目標にしています。

 

続いて配当情報がこちらです。

住友商事決算資料202103-6

  • 20年度配当金は70円、また中経期間中も70円以上を維持。
  • 配当性向30%程度を目安に状況勘案の上、決定。

業績はV字回復するも、配当金は70円で据え置きとなりました。一応中計期間中は70円以上という言い方をしているので、業績次第で増配もあり得ることを示唆した内容です。

 

 

最後に:丸紅と熾烈な戦い勃発か

今回住友商事の2020年度通期業績及び21年度業績予想を見てきましたが、20年度の巨額赤字から一転、21年度は黒字化を達成する業績予想となりました。

 

今回住友商事が発表した2021年度業績予想は2,300億円となり、これは丸紅と全く同じ業績予想となっています。丸紅は2019年度に巨額赤字、住友商事は2020年度に巨額赤字と両者ともに減損処理をしたうえで、21年度に同額の業績予想を出しており、まさに業界4位、5位の熾烈な戦いがここに勃発といったところです。

 

業界4位の住友商事が、業界5位の丸紅に追い抜かれるのか、はたまた4位の座を死守するのか、2021年度の総合商社業界の一つの注目点になりますね!

 

 

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  • JPモルガンがビットコインの長期的見通しを14万6,000ドル(1,500万円程度)と発表。
  • イーロンマスク率いるテスラがビットコイン購入。
  • 米国金融大手のBANK OF NEWYORK メロンが仮想通貨資産管理サービス導入
  • VISAも仮想通貨に参入
  • 米大手仮想通貨取引所コインベースがナスダックに上場

 

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ということで、以上になります!

当ブログでは個別の銘柄について言及することがありますが、投資を推奨しているものではありません。投資は自己判断でお願いします。

今回も最後までお読み頂き有難うございました!