こんにちは!総合商社マンです!オリックスが20年度2Q決算を発表しました!サプライズが盛りだくさんです!
オリックスが20年度第2四半期決算を発表
オリックスが11月2日引け後に20年度第2四半期の決算を発表しました。オリックスは8月の1Q決算では今期業績予想及び配当予想を引き続き非開示としていましたので、今回その発表内容にも注目が集まる決算です。
オリックスは今期業績予想と配当予想を非開示としていたものの、非公式な数字として以下の通りイメージを出していましたね。
- 第3四半期までに正常化した場合:純利益1,800億円~2,000億円
- 今期末まで問題が継続した場合:純利益800億円~1,200億円
また、今期の配当性向を50%まで引き上げることをコミットしていますが、減配とせずに前期並みの配当を維持するためには1,900億円の利益を出す必要があります。
そんなオリックスの20年度2Q決算の内容をオリックスが発表した決算資料から見ていきます!それでは参りましょう!!
※当記事のスライドは全てオリックスの決算発表資料の抜粋です。
20年度第2四半期決算概要
オリックスの20年度第2四半期決算の概要を早速見て行きましょう。
定量面を中心に見ていきます。まずこちらのスライドをご覧ください。
ポイントを箇条書きします(このスライドに非記載の情報も一部含みます)。
- 営業収益(売上)は前年比▲4.5%減収(1Qは▲2%)。
- 営業利益は前年比▲25.9%減益の1,198億円(1Qは▲39.8%)。
- セグメント利益は前年比▲38%の1,495億円(1Qは▲29%)。
- 当期純利益は前年比▲41%の938億円(1Qは▲27.7%)。
売上は1Q時点よりも減少幅が増えた(悪化した)一方で、営業利益は大幅に改善をしていますね。ただし、当期純利益は1Qよりも大きく悪化をしています。
もう少し数字を詳しく見てみましょう。セグメント利益の内訳に関するスライドです。
※セグメント利益というと分かりにくいですが、事業別の利益と考えれば良いと思います。
ポイントを箇条書きします。
- セグメント利益は前年比38%減益(▲920億円)の1,495億円。
- 内、一過性ではないベース利益は前年比▲33%減益(▲546億円)の1,128億円。
- 一過性の売却益は前年比▲50%減益(▲373億円)の368億円。
いずれにおいても前年比大きく減益となっていますが、ベース利益は比較的コロナ禍にあっては減益幅が小さい状況ですね。コロナの影響がどの程度だったのかについて四半期毎の内訳記載がありましたので、こちらをご覧ください。
- 2Q単体でのコロナ影響額は全体で▲270億円(1Qは▲240億円)。
- 不動産、法人営業・メンテリース、Orix USAはコロナ影響が縮小。
- 航空機リース、空港コンセッションはコロナ禍影響が大幅に増加。
このような状況です。不動産は1Q(4-6月)の緊急事態宣言発動もあり、1Qが底だったのか、回復が顕著ですね。一方で、やはり航空、空港関連がかなり足を引っ張っている状況であることがわかります。
セグメント別にもう少し詳しく見てみます。こちらのスライドです。
このスライドは先ほどのセグメント利益1,495億円の内訳を示したものですね(今期より従来6セグメントだったものを10セグメントに分割して分かり易くなっています)。ポイントを箇条書きします。
- 全セグメントにおいて2Q累計では赤字セグメントは無し。
- ただし、2Q単体で見ると、空港コンセッション、輸送機器(航空機含む)、アジア豪州セグメントは赤字に転落。
- 前年比でプラス成長しているのは環境エネルギー、保険、銀行クレジットセグメント。
1Qに引き続き、累計では赤字セグメントはゼロです。全てのセグメントにおいて利益を計上しているのは非常に素晴らしいポートフォリオですね。ただし、2Q単体で見ると赤字転落となっているセグメントが出ている点はちょっと気になります。
20年度年間業績&配当予想
オリックスの年間業績予想及び配当予想を見ておきましょう。ここが一番気になるポイントですね。まず年間業績予想ですが、ついに今回発表しましたよ!こちらをご覧ください。これは決算短信の抜粋です。
御覧の通り、今期業績予想を前年比▲37.2%減益の1,900億円としました。減益決算ですが、冒頭にも記載したように1,900億円利益を出せれば、今期は配当性向50%まで引き上げることを明言しているので、配当は減配とならずに維持出来る計算になります。
そして、今回発表した配当予想額がこちらのスライドです!
はい、前期と同額の76円/年の配当を維持です!!
そして、注目点、というかサプライズが二つあります。
- 76円もしくは配当性向50%、いずれか高い方!
- 442億円の自社株買いを予定!
な、な、な、なんだって!!笑
まず一つ目ですが、先ほどもいったように1,900億円の利益+配当性向50%で前期同額の76円/年の配当になります。「いずれか高い方」といっているので、仮に1,900億円を下回った場合でも76円をコミットしているという意味です。
さらにさらに、仮に1,900億円以上の利益を出すと、前期比増配の76円+αが支払われるという意味ですよこれ!ちなみに2Q時点の当期純利益は938億円ですので、1,900億円に対する進捗率は49.3%です。増配、ありえるかもしれません!
そして二つ目、このタイミングでまさかの自社株買いを発表してきました!前回未消化分の442億円を取得予定と記載されていますね。「何?前回未消化分って?」って思った方もいるかもしれませんので説明しておくと、オリックスは2019年10月に1,000億円の自社株買いを発表したものの、今年の2020年5月に558億円買い付けたタイミングで手元流動性確保優先を理由に終了を宣言してしまっていたのですね。その残りの枠である442億円をこの度再発動させることを宣言したという流れです!
※自社株買いを中断した際の記事は以下をご覧ください。
いやはや、サプライズが多すぎて記事を書きながら興奮してしまいましたよ。笑笑
最後に:みんな大好きオリックス本領発揮
今回オリックスの20年度2Q決算を見てみましたが、いよいよオリックスが本領を発揮してきた感を強く感じます。業績はまだまだ厳しい状況ですが、少なくとも1,900億円にかなりの自信をもっていることが伝わる内容だったと思います。
もともとオリックスは株主還元に非常に強い想いをもっており、過去の決算説明会等でも節々にその想いが滲み出ていました。例えば以下の2019年度決算説明会の際の社長発言は最たるものかなと思っています。
詳細は上記記事をご覧頂ければと思いますが、一部その際の社長発言の抜粋です。
会社として減配に対する抵抗はある。もちろんやりたくない。減配をしないようにするのが我々のつとめ。減配せずになんとか76円を出したい。
有言実行ですね、素晴らしい。
ちなみにオリックスは過去55年間一度も赤字に陥ったことはないことも付け加えておきましょう。
リーマンショックの時ですら赤字になっていないのですね。凄すぎます!(※ただし、株価はかなり悲惨だったことは忘れずに笑)。
頑張れ!みんな大好きオリックス!!
ということで以上です!
尚、決算書の読み方を勉強したいと思われている方にはこちらの本がおススメです。
堅苦しくなく、決算書の読み方全然分かりません!という方から、かじったことはあるけど改めて理解したいという初心者~中級者の方向けの本です。私自身も今更ながら改めて読むと頭の整理に繋がって非常に良書でした!
中級者以上だとこちらの本が個人的におすすめかな。
先に紹介した本よりはもう少し踏み込んでいて、尚且つ読みやすい良書です!
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