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オリックス株主総会:社長は何を語ったか?業績予想発表時期は10月末頃?

こんにちは!総合商社マンです!オリックスの株主総会映像が公開されたよ!社長が株主総会で何を語ったのか見てみよう!

 

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オリックスが株主総会を開催

オリックスが6/26に株主総会を開催し、無事に2019年度決算について報告、そして12名の取締役が選任されて決議されました。

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当日の株主総会資料はオリックスのIRページから全て参照出来ますが、当日の株主総会映像がIRページにアップロードされましたので、株主総会の場で井上社長が何を語ったのかを当日の資料と共に見て行きたいと思います。

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※株主総会で話す井上社長(株主総会映像より引用)

 

オリックス株主総会映像

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オリックスの株主総会映像はオリックスホームページから見れますが、この映像では井上社長の話を直接聞くことが出来ますよ。今回は主に今期業績予想及び配当予想について中心に見て行きますね。この記事で登場してくるスライドは全てその映像で使われているプレゼン資料からの抜粋になります。

 

①株主還元について:配当

株主還元について、まずは配当についてのスライドは以下です。

 

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そして映像の中で社長が語ったポイントは以下。

  • 2020年3月期の配当は前年と同額の76円。配当性向は32%。
  • 2021年3月期の上期配当は前期と同じ35円。下期は未定。
  • 2021年3月期の配当性向は50%まで高める予定。ただし、配当額についてはコロナの状況次第、第3、第4四半期の業績次第であることをご認識頂きたい。
  • コロナ次第ということもあり、今期の業績予想は困難。配当性向50%は約束するものの金額は未定とさせて頂く。
  • 上半期業績発表時には将来予想が出来ると思うのでそれまでは具体的な配当額の提案は控える。

 あくまで配当は下期の業績次第という点を強調している印象を受けました。

 

②株主還元について:自社株買い

株主還元について、自社株買いについてのスライドは以下です。

 

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そして映像の中で社長が語ったポイントは以下。

  • 2019年11月~5月に457億円、4月~5月に101億円の自社株買いを行った。
  • コロナの状況下では当面手元流動性が最重要視するという認識から設定した自社株買い枠を使い切らずに終了した。
  • 今後の自社株買いについてはコロナの状況、世界経済の回復状況を見極めた上で可否を判断したい。

やはり自社株買い枠を使いきらずに終了したのはコロナの状況を鑑みて手元流動性を確保したかったということだったのですね。今後の自社株買いについては可能性を匂わせましたが、配当予想も出せない状況なので2020年度中は厳しいかもしれませんね。

 

今期業績予想が未定である理由

今期業績予想について社長が語った際のスライドは以下。 

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そして映像の中で社長が語ったポイントは以下。

  • コロナの影響を直接受けるのはホテル等不動産事業、航空機コンセッション事業、航空機リース事業。
  • ホテル等不動産事業は徐々に運営を再開しているが、当該セグメント資産1,180億円からの収益貢献は今期は期待出来ないと考えている。
  • 航空機セッション事業の関西エアポートに関しては、2020年3月期までに191億円の配当収入があったが今期はゼロ。持ち分利益貢献も期待できない。しかし過去4年間の収益累計は504億円、プロジェクト残期間は39年あり、1年程度の落ち込みは取り戻せると考える。
  • 航空機リース事業は航空会社から支払い猶予の要請を受け個別対応中。各国の国内線が徐々に再開しているので最悪期は抜けたが業界はしばらく低迷するだろう。ただし、有形資産が多いのでダウンサイドリスク(下振れリスク)は限定的と考える。
  • それ以外のセグメントでも影響はゼロではない。多くの不確定要素があるため、今期の業績予想は未定としているもの。

 航空関連・ホテル関連事業はやはり今期はかなり厳しい状況のようですね。特にサプライズはありませんが、改めて今期経営が厳しいことが認識出来るかと思います。

 

2020年度の重点的課題

今期2020年度の重点的課題について社長が語った際に表示されたスライドは以下。 

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そして映像の中で社長が語ったポイントは以下。

  • 2020年度の最大の重点課題は手元流動性確保。
  • 現状は長期借入比率を確保しており、手元流動性に問題はない
  • 1年間コロナが継続という最悪の状況を想定しても、今期5,000億円の新規投融資を実施しても6,000億円以上の手元流動性を確保できる。
  • 今回のコロナは一時的なものと考えている。世界的に割高となっていたM&A案件が割安になり、チャンスでもあるのでそれに向けて準備したい。
  • 昨年10月に発表した中期的な目標である税後利益4,000億円、5,000億円を変更するつもりはないが、時間軸を作成しなおす必要があると考えている。

ここでも手元流動性確保が重点課題と言っているので、ま、今期中の自社株買いは期待しないほうがいいでしょうね。一方で、結構盤石な財務状況であることは間違いないようなので、現時点で資金繰りに窮するという状況にも陥ってないことが分かります。中長期的な利益目標について触れているのは良しですね。

  

最後に:今期業績・下期配当予想発表は10月末頃か

現時点でオリックスは今期業績予想及び下期配当予想を出していませんが、上記でも井上社長が言っているように上期決算あたりには出せるだろうとのこと。つまり発表は10月末か11月頭あたりになるのでしょうね。

それまでは「オリックス業績・配当大丈夫か?」という疑心暗鬼になる投資家も多くなるでしょうから、しばらく好材料・悪材料の情報で株価が大きくぶれる可能性があるので注意が必要ですね。

最新の株価を簡単ではありますがチャート分析した記事を以下で書いているので宜しければご覧ください!

 

www.sogoshoshaman.com

  

ということで今回は以上です!当ブログでは個別の銘柄について言及することがありますが、投資を推奨しているものではありません。投資は自己判断でお願いします。

今回も最後までお読み頂き有難うございました!

 

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