こんにちは!総合商社マンです!双日が20年度第1四半期の決算発表したよ!減配&下方修正のダブルパンチ決算だけど市場は好感!?
双日が20年3月度第1四半期決算を発表
双日が本日8/2に2020年度第1四半期の決算発表を行いました。総合商社各社の決算発表は先週金曜日の三井物産、豊田通商、そして先ほど発表された丸紅に続き4社目になります。
双日は2019年度決算発表の際に今期業績予想を出していますが、配当予想は出していませんでしたので、その行方が気になるところです。また今期業績予想も「6月までにコロナの状況が継続する前提」として当期純利益400億円という数字を出してきていましたので、そのあたりの見直しがあるのかについても見て行きたいと思いますよ!
20年度第1四半期決算概要
双日の20年度第1四半期決算の概要を、双日が公表した決算資料を眺めながら見て行きたいと思います。まず決算概要です。こちらのスライドをご覧ください。
赤枠は私が付け足したものですが、この赤枠の1Q決算にまずフォーカスしてみましょう。ポイントを箇条書きします。
- 当期純利益は前年比▲119億円の24億円という結果で、進捗率は僅か8%。
- 基礎的収益力は前年比▲175億円の9億円。進捗率はさらに酷い2%。
これはかなりひどい決算となっています。何が原因なのでしょうか。もう少し資料を読み進めていきます。こちらのスライドをご覧ください。
このスライドはセグメント別に1Qの決算をブレークダウンしたものですね。
黒字だったセグメント
- 機械・医療インフラ
- エネルギー社会インフラ
- 食糧・アグリビジネス
- リテール生活産業
赤字だったセグメント
- 自動車
- 航空産業・交通プロジェクト
- 金属・資源
- 産業基盤・都市開発
実に半分の事業が赤字になっているのが分かります。特に一番大きいのが緑色の金属・資源事業で前年同期は+71億円だった利益が、今期は▲20億円の赤字と、これだけで▲91億円の下押し要因ですね。鉄鋼需要の減少、石炭の価格下落が主因のようです。
また、1Q決算で大きな減損が発生有無についても見てみましょう。こちらのスライドです。
御覧の通り、特に減損は発生していないですね。むしろ石油権益売却で+18億円の利益計上がされている状況です。
1Q末時点の財務状況も見ておきましょう。
数字がいっぱい並んでいますのでポイントを箇条書きします。
- 自己資本比率は3月末比▲0.3%悪化の25.7%。
- ネットDERは3月末比0.02ポイント悪化の1.08倍。
「利益黒字なのになんで自己資本比率悪化してるの?」って思った方がいるかもしれませんが配当支払いをしたからですね。利益の積み増し以上に配当支払いをした結果、自己資本比率が悪化しているものです。ま、これは6月に配当支払いがあるという一時的なものですね。
また、ネットDERが1倍を超えていますので、自己資本+手元現金等よりも有利子負債が多いという状況です。1倍を切っている状況のほうが財務的には望ましいです。
20年度年間業績予想&配当予想
双日の20年度年間業績及び配当予想も見ておきましょう。こちらのスライドをご覧ください。
- 年間業績予想は今回400億円⇒300億円に下方修正。
- 配当は前期比減配の10円(上期5円、下期5円)。
1Qの進捗率の低さを鑑みるとやむなしですかね。もともと期初に発表していた400億円という数字も、6月末までにコロナ収束を前提としていました。現時点で全然収まっていないことを鑑みると特にサプライズではないですね。
配当については 当ブログで過去から10円になる可能性高いことを何度も記事で折を見て触れてきましたが、予想的中です!!笑
ただ、私が10円を予想していたのはあくまで当期純利益400億円の場合でした。今回400億円⇒300億円に下方修正したにも関わらず配当10円というのは、一見ネガティブに見えるものの、配当性向30%を超えてくることを意味しますので、そういう意味ではポジティブとも言えますね。
この配当について触れているスライドがあったので御覧ください。
配当に関する基本方針
安定的かつ継続的に配当を行うとともに、内部留保の拡充と有効活用によって企業競争力と株主価値を向上させることを経営の重要課題のひとつと位置付けております。中計2020では連結配当性向30%程度を基本としております。
ここにも基本的に30%が配当性向と記載がありますよね。仮に当期純利益300億円で配当10円とすると、配当性向は40%になります。
個人的にはネットDER1倍以上の水準なのと、配当性向30%を基本と言っている状況下で、配当性向を頑張って40%まで持っていく理由があまり良く分かりませんが。。笑
最後に:減配&下方修正だが株式市場は好反応
今回双日が総合商社4番手として決算発表を行いました。減配発表と下方修正という決算内容でしたが、株式市場はポジティブに反応し、この記事を書いている時点で前日比+3%程度で推移しています。
株式市場は今期の減配は織り込み済だったのでしょうね。下方修正すればその分配当も減ると思われていたところに、配当性向を40%まで上げたことを素直に評価したということかもしれません。
一方、下方修正をしたにも関わらず、それでも1Qの進捗率が8%と低い点が個人的には引っかかっていますが、会社としては最悪期は脱したということで2Q以降に急回復することを想定しているということでしょう。次回2Q決算の進捗率に注目したいと思います!
ということで以上です!
尚、決算書の読み方を勉強したいと思われている方にはこちらの本がおススメです。
堅苦しくなく、決算書の読み方全然分かりません!という方から、かじったことはあるけど改めて理解したいという初心者~中級者の方向けの本です。私自身も今更ながら改めて読むと頭の整理に繋がって非常に良書でした!
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先に紹介した本よりはもう少し踏み込んでいて、尚且つ読みやすい良書です!
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