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【オリックス】20年度第1四半期決算説明会!Q&Aで語られたこととは?

こんにちは!総合商社マンです!オリックスの決算説明会のQ&Aにフォーカスして纏めてみるよ!今期業績予想に一歩踏み込みました。

 

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オリックスが20年度第1四半期決算説明会を開催

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オリックスが8月4日引け後の15:30に20年度第1四半期の決算を発表し、その後決算説明会が電話会議形式で開催されました。決算説明会自体は執行役・財経本部長の矢野氏が対応しています。

さて、この決算説明会自体は2020年度1Qの決算説明をした後に、アナリストからの質疑応答という形で1時間程度の時間で開催されています。説明会前半の今期結果については既に以下記事で纏めていて重複するので、この記事では省き、後半のアナリストからの質疑応答にフォーカスをする形で何が語られたのかを見てみたいと思いますよ!

 

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それでは参りましょう!

 

オリックス決算説明会質疑応答

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質疑応答は全部で9問ありましたが、私が個人的に面白かったなと思ったものについて独断と偏見で抜粋しました。また、質疑応答の文章をそのまま書くと、理解できない方もいると思うので、私のほうで幾分か補足入れていきいます。

 

Q1:今期業績予想に関する質問

大和証券:1Qベース利益605億円は非常に高い印象。悪いシナリオに落ち込む可能性は低いという発言があったが、3Qまでに正常化するシナリオに比べると上にいるのか、下にいるのか教えてください。

 

回答:ワーストからはどうなるのかということだが、ワーストケースは色々なことを織り込んだが、その後コロナ対応を我々としてきたのでこのワーストケースは避けられると考えている。一方3Q以降回復する前提の1,800億円~2,000億円に関して達成出来るかについては達成出来るように努力はしているが、ホテルや空港等はコロナの影響を受けてくるので、現在見通しが立っているわけではない。ただし、なんとかいい方向のシナリオに向けて頑張っていきたい。

 

 以下は私の補足です。

「ワーストシナリオ」「3Q以降回復シナリオ」という言葉が出てきていました。これは毎回オリックスの記事に書いていますが、オリックスは今期業績のシナリオを公式には発表していませんが、以下の通り前提を置いて仮の見込みを公表しています。 

  • 第3四半期までに正常化シナリオ:純利益1,800億円~2,000億円
  • 今期末まで問題が継続シナリオ:純利益800億円~1,200億円

ここでいう後者がワーストケースです。このワーストケースにはならないと考えているという非常に踏み込んだ今回のQ&A回答ですが、一方の上段のシナリオに到達できるかについては現時点でまだ見通しが立っていないという状況ですね。

今期は配当性向50%に高めることは発表済ですので、単純計算だと1,900億円利益を計上出来れば前期並みの配当を維持することが出来ることになります。

 

Q2:航空機リースに関して

SMBC日興証券:Avolon減損含めて航空機リースの2Q以降の見通しを教えてください。

 

回答:今のところ予断を許さない、大丈夫ですとは言えない、市場次第。Avolon社はIFRS基準なのでAvolon社として減損計上している一方、オリックスは米国会計基準なので減損基準に抵触せず減損は行っていない。減損の部分は引き続き注意深く見ていく。

 

SMBC日興証券:オリックスがAvolonを減損するトリガーは何か?

 

回答:将来のCF、数年後の売却可能価格等の減損テストをして判断。今回オリックスで評価をし、監査法人にも見せて、米国会計基準では減損必要なしという判断となった。

 

個人的な印象ですが、引き続きAvolonのリスクは燻り続けますね。ちなみにこのAvolon社というのは2018年に2,500億円を投じて36%の株式を取得し持ち分連結をしているアイルランドの航空機リース会社のことですよ。

 

Q3:今期業績見通しの発表時期は?

JPモルガン証券:2Qが締まるタイミングで今期業績予想を発表するのか?

 

回答:なかなか答えづらいものの、2Qのタイミングでは3Qの数字も見えてくるだろうからお見せすべきと考えるし、株主還元の話をする際に業績予想も無いと説得力はないでしょうから、業績予想の開示の重要性は認識している。今出すか出さないかは言えないが、そういうことを認識して対応していく。

 

これは特に真新しい発言では無いですね。前回決算発表の際にも2Qの決算が見えるタイミングで公表を考えていることを示唆していましたので、恐らく2Q決算で出すんでしょうな。

  

Q4:2兆円のパイプラインについて

メリルリンチ日本証券:2兆円のパイプラインがあるとのことだが、今期中に投資を進めていく考えということで良いのか?

 

回答:2019年度決算発表の際、井上社長から投資は全部ストップという話をしたが、withコロナという状況継続の中、大型案件についてはやはり再度投資をしていく検討が必要と考えている。手元流動性も大事だが、無理はしないものの、まずまずの案件については検討を開始している。案件次第でやっていきたいと考えている。

 

3月は手元流動性を意識して投資には委縮していたものの、投資を検討しても大丈夫という判断に変わってきているということですね。将来への布石をコロナ禍の中であっても行っていく決意のようです。

 

Q5:株主還元について

野村証券:ワーストシナリオにならないと考えているとのことだが、自社株買いについてこの3カ月で意識の変化はあるか?

 

回答:自社株買いを止めたわけではなく、コロナが終息するまでサスペンドという状況。状況変われば再度検討するが、現時点では決まったものはない。ただし、自社株買いを忘れたわけではない。

 

これは株主にとっては良いメッセージかもしれませんね。オリックスは2019年度から行っていた自社株買いを、設定額に到達する前にこの5月に終了してしまっていましたので、そのことを念頭においた質問ですね。詳しくは以下記事をご覧ください。

 

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最後に:今期業績見通しに踏み込んだ点は有益情報

オリックスの決算説明会のQ&Aにフォーカスをして今回見てみましたが、ワーストケースは避けられる見込み、という踏み込んだ回答をしてきたことは、一定の今期業績への懸念は後退したのかなと個人的に感じています。

一方、Avolon社の減損については会計基準が米国会計基準だったことから避けられたというだけで、厳しい状況は継続しているのかなと想像しており、この点は引き続き注視が必要ですね。

 

ということで以上です!近々また決算後の株価動向記事を書きたいと思います!

尚、決算書の読み方を勉強したいと思われている方にはこちらの本がおススメです。

 

 

堅苦しくなく、決算書の読み方全然分かりません!という方から、かじったことはあるけど改めて理解したいという初心者~中級者の方向けの本です。私自身も今更ながら改めて読むと頭の整理に繋がって非常に良書でした!

中級者以上だとこちらの本が個人的におすすめかな。 

 

 

先に紹介した本よりはもう少し踏み込んでいて、尚且つ読みやすい良書です!

  

当ブログでは個別の銘柄について言及することがありますが、投資を推奨しているものではありません。投資は自己判断でお願いします。

今回も最後までお読み頂き有難うございました!

 

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